くりぃむ有田、千原ジュニアらが若手時代を回想「おかしいんだよ、笑わせたいのにトガッてる」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『ソウドリ』

有田とノブコブ徳井が対談する「解体新笑」第2弾。

『M-1』が始まったとき、すでに海砂利水魚は結成10年で出ることができなかったと回想する有田に、もし15年縛りだったら出ていたかと聞くと「絶対出てた」と即答。「ないんだもん、その当時。売れるためのきっかけみたいなのが」と。『M-1』で戦う海砂利水魚はめちゃくちゃ観たかった!

そんな海砂利水魚がテレビに出始めたきっかけは、フジテレビのプロデューサーに、なんの番組用でもないのにネタ見せしたこと。翌月も行くと「じゃあ、『いいとも』出てみる?」と軽く言われ、海砂利水魚、ネプチューン、ロンドンブーツ、ココリコで、“絶賛トガり中”のなか、週替わりゲストとして出演。

そこで勝ち残ったのがココリコで、彼らはレギュラーになっていく。負けた海砂利も、これをきっかけに『ボキャブラ』などにも呼ばれるようになった。

同世代で最初に売れたのが、少し先輩のキャイ~ン。みんながスカしてボケる“トガリ漫才”が主流の時代に、王道の“バカ漫才”で席巻していったと。

やはり転機のひとつは改名。最初、バカルディは「さまぁ~ず」、海砂利は「ザ☆トライ」(ふたりがラグビー好きだったことに由来)への改名を賭けて対決。海砂利が勝利したためバカルディが改名。すると大ブレイク。有田は「チャンス逃した」「なんで勝っちゃったんだろう?」と思ったという。

翌年、再び対決し、今度は敗れ「くりぃむしちゅー」に改名。だが、仕事は増えず「お前ら、さまぁ~ずの二番煎じになれなかったな」と言われたそう。責任を感じた内村からは「戻してもいいよ」とも言われていたという。

結局、2003年ごろに「うんちく王」で上田が開花したのがブレイクの直接のきっかけ。もともと上田はそんなキャラだったと有田は言う。やっぱり自分らしさが出たときに売れるんだなと思った。

有田や徳井の若手時代は、ネタ見せなどでスタッフは誰も笑わなかったと述懐するふたり。「お笑い番組で、あなた方が(芸人に)出てほしいって言って呼んでるのに、なんで見ないで怒ってるんだって」と徳井が言うと、有田「おかしいんだよ、芸人も笑わせたいのにトガッてたり。だからもうムチャクチャ(笑)」。

『アンタウォッチマン!』

「伝説の漫才師」といわれるベイブルースを特集。いつもながらマニアック。

彼らはダウンタウンが上京した1988年に結成。年配の客が多いなんばグランド花月でも、若い客が多い2丁目劇場でも爆笑を取れる、老若男女にウケる漫才だったという。

1年後輩の千原ジュニアは「雲の上の存在」と評し、「ベイブルースがいたから僕らは漫才を辞めた」「ベイブルースがいたから俺らはぶっ飛んだコントとか、本来なら許されないような笑いの取り方をした」と語る。

ベイブルースのブレーンは河本。ツッコミの高山には「俺の精密機械になれ」と一言一句、声のトーンに至るまで指示していたという。その河本は千原ジュニアをライバル視していた、と高山は振り返る。

それを聞いたジュニアは、ベイブルースがちゃんとしたことをやるから、めちゃくちゃなことをする千原兄弟がウケていたという構造があったため「そりゃお前ら汚いで、っていう思いもあったと思う」と河本の心情を推察。

実際、バラエティ番組では、回しやツッコミはすべて高山が行い、ジュニアらがめちゃくちゃなことをやっても高山がツッコんでくれるから笑いになっていたが、ある日、河本が指示し、高山がジュニアに一切ツッコまないこともあったという。それは、当時は当然のことだったと。

そのころのことを振り返り、桂三度は「めっちゃピリピリしてたぁ~。どっちが2丁目劇場のエースになるかでバチバチしていた」と述懐。ベイブルース司会でひな壇の先頭に千原兄弟がいる番組では、女子高生が大半を占める客の前で、河本とジュニアのふたりがすごいオーラを出していた。三度「仲よくしてーや!って(笑)」。

河本は25歳の若さで急死。お互い“トガリ”が削れた同士のジュニアと河本の絡みが見たかった。

『ソウドリ』も『アンタウォッチマン!』も、売れるのには邪魔だけど、一方で不可欠でもある、若手時代の芸人の“トガリ”について思いを馳せる内容だった。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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