渋谷凪咲「アイドルってこんなに甘やかされてたんだ」バラエティに開眼したきっかけを語る(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。


『あちこちオードリー』

ゲストは「すごいピンのふたり」と紹介された伊集院光と渋谷凪咲。伊集院はもとより渋谷がすごかった。

2017年に『R-1』に出場し3回戦まで進出したのが転機だったそうだが、その3回戦は「嫌な記憶過ぎて覚えてない」という。「やってもやっても音が聞こえなくて、目を開けてるはずやのに目の前が見えなくなってきて」と回想。

「それまでファンの方の前でしかやってこなくてファンの皆さんはなんでも笑ってくれる。ファンじゃない目線で見られたときにこんなに冷たい目線になるんだ」「アイドルってこんなに甘やかされて育てられてたんだ」と気づき、作家やスタッフが作ってくれたネタだったことで「人の笑いでスベって私の責任になる」とよけいに悔しく「自分の力で戦っていこう」「ひとりでやっていく覚悟がついた」という。

そこで「尊敬する芸人を見て学ぼう」と考え、翌年、関西のバラエティで大活躍。「レギュラーって失敗してもまた次呼んでいただけるから、毎回、挑戦と経験と成功が重なっていった」と振り返る。バラエティ出たてのころは「アホを隠してちゃんとしたコメント言わな」と無理していたが、かまいたち、見取り図、ダイアンらに引き出してもらって「自分らしくいたほうがいいんや」と気づいたという。

ことごとく「気づくのが早い」渋谷に驚愕するオードリーら。伊集院は「逆の順番だったらキツい」と言って、バラエティアイドル論を語る。「最初は天然で出ておもしろいって言われてたのに、場数踏んで勘のいい子は覚えちゃう。下手すれば裏回し的な存在になったりする。その自覚が出た途端に実はつまんなくなっていく。ああいう女の子たちがバラエティ論語ったりすると『お前、今、切腹中?』って(笑)」。

渋谷が東京でのブレイクのきっかけのひとつは『トリニクって何の肉!?』。クイズがまったくわからず自分なりに導き出した答えで答えていたら大喜利のようになり、川島から『アメトーーク!』で「大喜利が強いアイドル」と評されブレイクしたという(伊集院が川島について「彼がやってるフォロートークはカメラを求めてない。その人の言っている足りないところにちょっとだけ足す」とそのすごさを的確に評していたのも印象的だった)。

このとき、濱家から連絡があり「大喜利の仕事が増えると思うけど凪咲は無理せず思いつかへんときは正直に思いつきませんって言ってもいいから、そんぐらいの気持ちで挑めや」とアドバイスを受けたそう。随所に芸人から助けてもらったエピソードを語る渋谷。それだけ愛される存在なのだろうし、そうした芸人からの気遣いにちゃんと気づくことができるというのも彼女の鋭さを示している。だからさらに芸人もまた手助けしたいと思うという好循環になっているのだろう。

芸人と大喜利で戦うような場に出るときは「呼んでいただいて申し訳ないと思ってやってるほうが申し訳ないからぶっ潰すくらいの気持ちで」出るという渋谷。一方で「ナチュラルにいつもの自分でいるっていうのを心がけてそれを保つのに必死」だとも言う。すると「それを気づいて抑えるテクニックとかあるの?」と興味津々の春日。若林「勉強しようとするな!(笑)」。

『しゃべくり007』

ゲストはJP。松本人志で登場すると「俺、うしろでけっこう待ったし」といかにも言いそうなことを言うJP。そのまま、もし、松本がゲストに来たときの「いい予行演習」を始める面々。質問に対し、本当によどみなく松本っぽい言葉で返すのがすご過ぎる。有田「ものまねを超えてる」。

このままだと「JPを全然出せない」と、カツラを取り自身のことを話し始める。レパートリーは500くらいあり、声優養成所を経てNSC(同期はツネら)、そしてナベプロの養成所に。同期のハライチ、バービーよりも先にテレビに出演。それがくりぃむ司会の『くるくるドカン〜新しい波を探して〜』。本名の「前坂淳平」名義で出演したという。

そうした経歴的なことはさておき、「カツラ取ると調子悪くなる」と言われるように、松本人志のときはよどみなく気の利いた言葉を返していたのに、JP本人となると急にトークの返しがぎこちなくなっていくのが、逆に憑依芸の凄まじさを物語っていた。

【関連】松本人志のモノマネ芸人JPを松村邦洋らが絶賛「ああいう人売れますよね」


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    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。