「ハリウッドザコシショウには敵わない」モグライダー芝が明かす粋な返し(てれびのスキマ)

ハリウッドザコシショウ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。


『霜降りバラエティX』

1分間で回ってくる寿司に合わせて粋な話のオチで食べる「ぴったり寿司」。せいや、蛙亭イワクラが、やや苦戦する中、見事だったのは蛙亭・中野。

大阪から上京し引っ越しする際、急にその日に100万円必要になった中野は、恥を忍んで先輩の粗品に電話。「実はお金の話で」と切り出し、詳しく話そうとすると、粗品はすかさず話を遮って「ええよええよ、いくら必要なん?」と尋ねる。理由を伝えようとするも口座番号だけ教えて、ポンと100万円を貸してくれたと。

さらに返済したあと、中野が長文のお礼のLINEをすると、その返しが「ウェイ」の3文字。「カッコいい、憧れちゃうよ」と決めて寿司を絶妙のタイミングで食べる。まさにお手本のような「ぴったり寿司」。当時、粗品は吉本ファイナンスから借金をしておりそのお金を中野に渡したそう。粗品「だから大崎会長が貸した形(笑)」。

モグライダー芝は「ザコシショウには敵わない」という話。ハリウッドザコシショウが『R-1』を獲ったときの祝勝会。20年以上一緒に苦労した芸人たちが泣きながらお祝いしているのを見ていると、新参者だった自分が場違いな感じがして、自分のようにノリで来てる若いやつが騒いでるのも勝手に腹を立てていたという。このあたりの自意識も芝らしい。

「今日はちょっと距離とって見ていよう」と思っていたら、途中ザコシショウと写真を撮る流れに。もうその時点でひねくれていて、勝手に気まずくなっていたため素直に「おめでとうございます」と言えず、「機嫌いいですね、何かあったんですか?」と茶化して一瞬変な空気になったしまったと。「それに対してシショウが『おう!明日バイト休みになったんだよ!』って笑ったんですよ。これは『どてらいなぁ』って写真バシャバシャ撮ってもらったって話」と締めて寿司を食べる。粋なエピソードと粋なトーク術。 

『アンタウォッチマン!』

清水ミチコ、後編。代名詞のひとつである松任谷由実モノマネ。本人からは「お会いする前は『山田邦子のモノマネには愛があるけど、清水ミチコは毒しか感じない』とのコメントだったのですが、いざお会いすると『あ!愉快犯だ!』と笑ってくださり、どっちにしてもうまいこと言う方だなあと思い、ますます尊敬しました」と綴る(この番組はこうした思い出を自筆で書いたノートを使って振り替えるのだが、本人が書く文字が見れるのも地味にうれしい。清水ミチコの字は可愛らしくキレイでとてもいい)。実際に彼女に会った際、「毒しかない」とおっしゃってましたよね?と聞いたところ、「それを聞いた時、清水さんは嬉しかったはずですよ」と返されたと。粋な返し。

長渕剛の顔真似をした際は「長渕からお話があります。コンサートに来てください」と呼び出しがあったそう。「恐怖とブルーな1週間で、色んな想像をした。『でもまぁ人は刺すくらいのことしかできないだろう』と悟りの境地に。コンサート中、『私はこんなカッコいい人に刺されるのか』と思って見てました」と綴るが、もちろん楽屋での長渕は笑顔。「あれは過去の俺だろ?」「今の、そしてこれからの俺をどんどんやってくれよ!」と言われたそう。その後、モノマネをやっているのかと問われ清水「するわけないでしょ!」と即答。「大人のトークに決まってるでしょ!(笑)」。

現在、毎年行っている武道館ライブ。ひとりで舞台に立つのは怖くないかと聞かれ「快感のほうが勝っちゃう」と清水。驚きなのは作家などはつけたことがないという。「もし自分がお客で変な女の人がやって来たら『何をしてほしいか』を想像する」のだと。そんなライブについて「会場のみんなと一緒に自分まで笑っていると『こんな幸せなことが他にあるかな』と思います。時々涙が出そうになって必死でおさえることもあります」と真剣に綴る清水ミチコに胸を打たれた。清水「こういう業界って自分の意志で入るんだけど、辞めるときは自分の意志っていうよりはみんなが決めることだからね」。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。