空気階段もぐら、子供が生まれて「自分の物語が終わった」。鬼越・坂井、ニューヨーク嶋佐と語る“高円寺ドリーム”(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。


『ボクらの時代』

「高円寺ドリーム」と題し、『ドラクエ』でいう「はじまりの村」だという高円寺の居酒屋「一休」で、鬼越・坂井×ニューヨーク嶋佐×空気階段もぐらが鼎談。

曾祖父が温泉を掘り当てて温泉旅館を営む家族に生まれた坂井だが、「スケールの小さい犬神家」という家族関係で、志村けん以降の笑いを認めない父親だったため「AVを観るように」お笑いを観て、父親コンプレックスから芸人になったそう。

3組共、3年前くらいまではいつ芸人として終わってもおかしくない状態だったにもかかわらず売れ、まさに「高円寺ドリーム」。

特に『キングオブコント』優勝を果たしたもぐらについて「すごいよ。高円寺・純情商店街で、外で呑んだくれて寝てたような男が、純情商店街の看板に『キングオブコント優勝おめでとうございます』って(垂れ幕が)。そんなことやってくれる街、高円寺しかないよ」と坂井。

嶋佐はふたりに比べ「マンパワーっていうかさ、単純にエピソード濃くない」。ネタを評価されていたから、自然と賞レースで結果を出すことが売れる近道になっていたというが、「本来は鬼越みたいなかたちの芸人が正解だと思うんだよな。ちょっと今、異常だよ。賞レース主義になり過ぎてる」と語る。

もぐらも「重機じゃないと通れない道もある」と同調すると、坂井「みんなと違う道を行って、お笑いってこういうのもあるよっていう道しるべに」。

途中、自分たちのことを「ロックンローラ―」だと励まし合ったり、アナーキーなことを夢想したりするたびに「また高円寺になっちゃってる」と坂井が止めるのがおもしろかった。

そんななかで「子供が生まれた瞬間、自分の物語が終わったと思った」というもぐらの言葉が印象的だった。「俺はもうサブキャラ」「『ドラえもん』でいったらのび太のオヤジ、たまにしか出てこない人」になり「主人公は変わった」のだと。

『情熱大陸』

『M-1』決勝進出がまだ決まってない秋から、錦鯉に密着。正直言って長年にわたって映像ストックがある『M-1 アナザーストーリー』や、ブレイクのきっかけのひとつを作った『シンパイ賞!!(芸人シンパイニュース)』の素晴らしいドキュメンタリーのあとでは“負け戦”のようなものだと思っていたけど、そこはやはり『情熱大陸』。

この番組らしさを存分に発揮していて、「虫歯になっても歯医者に行く金がなかった。だからか、8本、歯がない」というさんざん聞いた話も、あのナレーションの声で言われるとたまらなくおもしろい。

それに「一時期、歯がないっていうのでテレビとか出させていただいたりとかしてて。それを姉に見つかって、姉が北海道にいる母親に告げ口して。『丸呑みなんて芸じゃないんだからね』って電話で怒られました。50歳にもなって」とまじめな顔で長谷川が言うからさらに可笑しい。

「ひと言でいえば、辞める勇気がなかったっていうのが正解なんですけどね」と言う長谷川。もし辞めても、免許も資格もない。「でも、芸人やってたら、わずかなホント小さな細い光で、もしかしたら何かあるかもしれない。小さな小さな希望を持ってるっていうのも確かにありましたね」と。

一方、渡辺は「ここまでくると(不安とかも)なくなるんですよね」と言う。「ある程度までいったら、これはもうこういう人生だから、ダラダラ生きてやろうっていう。いい意味で諦めの境地がなかったら、もうやってないんじゃないかな」。

そんな息子を「信じてる。自分の子だもん。自分の子を信じないでどうすんの」と笑顔で言う、『家、ついて行ってイイですか?』などでもおなじみの渡辺父がカッコいい。

高校のころ、壁にボタンがあって「なんだろう?」と思って押したら防火用のシャッターが降りてきてしまったという長谷川のエピソードに、「それでいいと思いますよ、俺たちなんか。ボタンあったら押してきゃいいんだから。押していいかわかんないボタンは、押してけばいいんだよ」と笑う渡辺。

そんな言葉に「それが錦鯉の哲学かもしれない」とまとめるのが『情熱大陸』らしくてよかった。そして次回が矢沢永吉だというところがまたおもしろかった。


『有吉ぃぃeeeee!』

タカトシの友達として準レギュラー的に出演していた錦鯉が“凱旋”。といっても収録は優勝前のよう。

『スマブラ』をほぼ40歳オーバーのタレントたちで「芸能人スマブラ王決定戦」。長谷川は、格闘ものをおもしろいと思ったのは1984年発売の『アーバンチャンピオン』以来だと笑わせる。

番組で好成績を残す石田ニコルらがいるなか、ほぼノーマークだった渡辺が敗者復活から勝ち上がる。「キャラ全部出すくらいやってきた」という。準決勝ではタカ、決勝では田中を破り、まさかの優勝。見事、“2冠”達成。

明日観たい番組:『バナナサンド』『マツコの知らない世界』『ロンドンハーツ』ほか

『バナナサンド』(TBS)「衝撃のバナナマンサプライズ始動SP」。

『バタフライエフェクト』(NHK)に佐藤健、神木隆之介。

『マツコの知らない世界』(TBS)「ディズニーソングの世界」に浅倉大介。

『華大さんと千鳥くん』(フジ)「日向坂46が選ぶ公式お兄ちゃんは?」に野田クリスタル。

『ロンドンハーツ』(テレ朝)「若手時代のネタ-1GP」に品川庄司、とろサーモン、バイきんぐ、マヂカルラブリー。

『マヂカルクリエイターズ2』(テレ東)にオズワルド、ママタルト、田中真琴。

『作画プレゼン!刺さルール』(テレ朝)金の国vsヒコロヒー。

『フリースタイルティーチャー』(テレ朝)決勝戦・中山功太vs広田ハヤト。

『ぼる塾のいいじゃないキッチン』(テレ朝)ヒコロヒー×恋の現場メシ。

『紙とさまぁ~ず』(テレ東)に松たか子。

『ファイトソング』(TBS)開始。清原果耶・主演。

【関連】空気階段、優勝の秘策は「トイレ掃除」。『キングオブコント』決勝直前に語っていた哲学


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。