坂上忍「これ以上やったら俺が俺じゃなくなる」『バイキング』を降りた理由を語る(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『マツコ会議』

1時間SPのほうでは坂上忍が、通常枠のほうでは満島ひかりがゲスト。約10年前、『アウト×デラックス』がブレイクのきっかけのひとつだった坂上忍は「マツコは本道、俺は邪道」と語り、自分のスキルは早いうちにわかっていたから勘違いできずに済んだ、自分は邪道だから自由にできたという。だが「これ以上やったら俺が俺じゃなくなる」「自分が自分のこと嫌いになったら終わり」だと感じ『バイキング』を自分から降りる決意をしたそう。これを聞き「あたしも邪道」というマツコは「やー、耳が痛い」と頭を抱える。

「自分の中にいる他人みたいなものがやらせているんだよね、今の仕事を。本来の自分の意見だったり、わがままだったりするのを貫き通せない状況っていうのがこっちにできちゃったから」というマツコに「マツコはそこのステージからは逃げちゃダメだって言ってんだよ。だから諦めろって言ってんだよ!」と坂上。マツコは「ムカつくわ」とつぶやきつつ、「あたしはテレビが大好きだから、テレビには常にワクワクするものであってほしいし、変なものが出てる箱であってほしいから、長居しちゃいけないなと思ってんだよね、自分で」と葛藤を語る。坂上「でも、今のマツコは、テレビのひとつの象徴でしょ。だからもう、しょうがないんだよ。なれる人となれない人がいるの。あなたはなれるっていうか、なっちゃったんだからしょうがないんだよ。だったらブーブーブーブー文句言ってないで座ってればいいんだよ!」。

「この人嫌い」とマツコが言うほど坂上の言葉は芯を食っていたのだろう、わかり合っているふたりの会話はとても気持ちがいい。あと坂上の犬猫たちがずっとかわいい。

実は17年来の仲だという満島ひかり。マツコは「満島ひかりほど気骨な女はいませんよ」と評す。『5時に夢中!』の前の番組『ゼベック・オンライン』に満島は2003年~2005年に出演。その頃、マツコとは徳光正行→ミッツつながりで知り合ったそう。マツコが週に一回ママをやっていた地下のバーに一度行き、「あんたマズいわよ。私とそっくり」と言われたと。「話してると似てるなって思うことが多くて。これから世にどんどん出ていくときにね、あたしと似てるのはマズいなと思ってね。もうちょっと世の中とちゃんとした距離感をとって生きる人じゃないと、うまくいかないわよっていう意味でね」と述懐するマツコ。ここからの対話がとても満島ひかりをよくあらわしていた。

マツコ「あたしですら、結構ケンカ売って生きてるほうだけど、それでも世の中とうまくやっていこうってやるじゃない? もちろん、ひかりちゃんもやってるだろうけど、そんなもんじゃ足りないぐらい、何かが欠落している人だったのよ。だから、世渡りは下手だろうなと思って」

満島「上手になりました(笑)」

マツコ「上手になったけど、その中でも完全に全部は売り飛ばしてないじゃない、あなたって」

満島「っていうか、まったく売り飛ばさずに、動物のまま生きてるってことを『動物でーす』ってみんなに言って回るみたいな感じで、自分を守ってきました」

マツコ「おかしいものとして見てくださいよっていうのを、最初にもうアナウンスしちゃうわけね」 

満島「はい」 

マツコ「なるほど。それはだから上手になったってことよね」 

満島「自分の守り方っていうか。身を削ることはあるけど、魂をスカスカにせずにいられる方法を」

「お互いこんなになるなんて思ってもいませんでしたよね」というマツコと満島は同時期にブレイク。それをお互い横目で見守っていたという。出会ったころを「底辺」だったと形容するマツコに「苦労話はしたくない」という満島。自分も苦労ではなくあのころのほうが楽しかったというマツコに「今も楽しい」と笑う満島。「その時々に会ったおもしろい人たちもいて、その時々一生懸命だったので私は成功とか失敗とかどっちでもよくて自分の今持ってるエネルギーが一番いいように循環するのがいい」と。

30~40代は失敗していいと思っているとまっすぐに言う満島に「クソッ」と嫉妬するマツコ。自由に言い合いアイデアを出し合う満島のチームに「想像の範疇のことをシステムに則ってやってる方がほとんどだから全員がそんなことを言い合える現場なんてなかなかない」「この人だからそれが作られてる」と評す。

満島は『徹子の部屋』や『A-Studio』にも立てつづけに出演し、同様の事柄をそれぞれ少し違う角度から語っていたので、彼女が言っていることが立体的にわかってとても興味深かった。

『マツコ&有吉 かりそめ天国』

世界遺産に関する話題から「富士山に登ったことがない」とマツコが嘆くと、久保田アナが富士山登山中、8合目で盲腸になったという激レア体験をしていることが明らかに。「もう痛くて『どうしよう視界が……』」と思ったと語る久保田に「本当のこと教えてほしいんだけど『痛くて視界が……』って何?」「ちょっとフカしこいてないですか?」と有吉らしい詰め方。久保田「ごめんなさい(笑)」。

もし自分が久保田アナと一緒に登山した友人だったとしたら「事前検査しておいてほしかったね」と言っていたと思うという有吉にマツコも「ずっと文句言ってたと思う」と笑うふたりがヒドくておもしろかった。


明日観たい番組:冬の新ドラマ続々スタート

『激レアさんを連れてきた。』(テレ朝)「803日連続で超有名牛丼チェーンを食べ続けている人」「婚活パーティーで全くモテなかった代わりに参加者相手に1日でエアコンを20台売っちゃった人」「1度も騙されたのに懲りる事なくまた怪しいメールへ返信してしまった結果、日本サッカー界を変えてしまった人たち」。

『有吉クイズ』(テレ朝)「U字工事・益子クッキングQ」「お悩みQ」。

『家、ついて行ってイイですか?』(テレ東)「とある文化(カルチャー)に救われた人たちSP」。

『イグナッツ!!』(テレ朝)「番組イベント緊急会議」。

『トゲアリトゲナシトゲトゲ』(テレ朝)「島田珠代タイムショック」。

『もう中学生のおグッズ!』(テレ朝)「福男フジモンさんが来るよ~」。

菅田将暉・主演『ミステリと言う勿れ』(フジ)、岸井ゆきの・高橋一生『恋せぬふたり』(NHK)開始。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。