「孤独」に向き合う星野源×マツコ対談「差し伸べられた手を掴む勇気で人生が変わる」(てれびのスキマ)


昨日観た番組、そこで得た気づきを綴る連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日更新中の“てれびのスキマ”によるテレビ鑑賞記録です。


『マツコ会議』

マツコ×星野源対談の後編。

どの時点でこういうふうに生きていこうとスイッチが入ったのか、と星野に聞かれたマツコは、今のような状況になるとは予想はしていなかったが「なんかの形で自我みたいなものをちゃんと表現に変えないと、生きていけない人間なんだなっていうのは感じてた」という。

まだテレビはおろか、物書きとして連載も一切ないときに、自分を「追い込もう」と思って28歳で仕事を辞めた。32~33歳ころからテレビに出始め、35~36歳で『ピンポン!』(TBSで放送されていた情報番組)にレギュラー出演。そこで「テレビでやっていこう」と腹を括った、と。

一方、よく知られている話だが、星野も「恥ずかしくて歌いたくない」と思っていた時期があったものの、29歳のときに細野晴臣から歌うことを提案され、「30で歌わなければ一生歌わないだろうな」と思い、歌を始めたことで人生が激変する。ふたりともテレビスターとしては「遅咲き」。マツコ「遅咲きがいいのよ。狂うから。『遅咲きの狂い咲き』って言うじゃない(笑)」。

マツコが「人生の変わり目って手を差し伸べる人がいるんだな、っていうのはすごく感じてる。いろいろ迷ってわからなくなってる人も、差し伸べられた手に気づくくらいには世の中と向き合う気持ちを忘れないでほしい。絶対に光ってる手があるのよ。それを掴む勇気を常に持っていてほしい。そうなると、ホントに人生が変わる。何があるかわからない」と視聴者に向けて語りかける。すると星野は「その手って、1回逃しちゃうともう来ないんですよね」と言う。このふたりだからこその説得力。

星野「こういうふうに『孤独だ』とか『人に頼らないようにしてる』とかメディアで言ってると、自分ひとりで生きてるんだって思われるかもしれないですけど、孤独って人がいないとできないんですよね」。

マツコ「よく、自由と孤独は裏返しって言うけど、そりゃ孤独感じて当然なのよ。こんな好き勝手なことやろうとしてるんだから。それをやろうと思ったらさ、そんなのは人と違うに決まってて。そこでどんどんひとりでものを考えたり、ひとりで行動することが増えるのは当たり前で、そうなったら責任も伴って、そしたらますます孤独になるのは、それはもうテメェで好きで選んでやってることだから。でもその孤独を感じながらも、我慢できなくてやりたいことをやろうとしてるわけだから、それをやる裏には何百人、何千人の人が関わってて」

星野「支えてくれる人がいるんですよね」

後編は、星野がマツコの話を聞く名インタビュアーのようになっていて、あまり語られることのないマツコの内面を引き出していて聴き応えのある対談だった。

『勇者ああああ』

M-1王者マヂカルラブリーが「野田フレンドパークII」で凱旋。

村上が「M-1後、いろんなことを聞かれ過ぎて『インタビューオート芸人』になってしまっている」と紹介した野田は、登場するとサングラスをかけている。「誰ですか?」と平子が聞くと、「賞金の使い道ですか? 彼は時計を買うと言ってますね。僕は札束で肩パットを作る」と質問とはまったく関係のないことを答える野田。

その後も「母親ですね」「おいでやすこがさんですね」「直前でネタを変えたんです」「普段は(つり革に)掴まってますよ」「松本さんですね」「僕はコントだと思いますね」「オセロの松嶋さんじゃないんだから!」と質問を無視して答え、会話が成立しない。

演出の板川侑右のツイートによると「M-1トークに飽きて変になってしまった人」の設定をふわっと野田に提案したら、「インタビューオート人間」というめちゃくちゃな設定で収録にやってきたとのこと。すさまじい発想。まさに奇才。

ゲーム自体も完成度が高く、特に『寿司』は「バトルゲームであり、心理戦であり、パズルゲームでもある」と平子も絶賛、大盛り上がり。だけど盛り上がるほど、なんで番組が終わってしまうのだろうという憤りが大きくなっていく。シレっとタイトルと放送枠だけを変える、みたいな“終了”であってほしい。


今日観たい番組:『R-1グランプリ2021』など

『R-1グランプリ2021』(フジ)ZAZY、土屋、森本サイダー、吉住、寺田寛明、かが屋・賀屋、kento fukaya、高田ぽる子、ゆりやんレトリィバァ。審査員は麒麟・川島、古坂大魔王、陣内智則、友近、ハリウッドザコシショウ、ホリ、野田クリスタル。

『シンパイ賞!!』(テレ朝)は納言・幸&ヒコロヒー。

『テレビ千鳥』(テレ朝)は「面白キャラを作ろう!!おっさん芸人応援宣言」。

『有吉ぃぃeeeee!』(テレ東)はホテル椿山荘で『ヒューマン フォール フラット』。

『ガキの使い』(日テレ)は板尾企画。

『しくじり先生』(テレ朝)はパンサー尾形と藤本美貴。

『日向坂で会いましょう』(テレ東)はアンガールズ田中による「芸能界をまだまだ生き抜こう」。

『情熱大陸』(TBS)は尾崎世界観。『おかべろ』(フジ)は葵わかな。

遠藤憲一主演『星影のワルツ』(NHK)。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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