星野源「うちで踊ろう」の繊細なこだわりを明かす(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


星野源と松重豊の音楽談義もたっぷりの『おげんさんと(ほぼ)いっしょ』

『YOUは何しに日本へ?』。以前密着を放送した南スーダンからやって来たオリンピック選手一行。気になっていた「その後」を放送してくれた。昨年11月に陸上選手4人とコーチを前橋市がサポートし合宿を行っている。その中でなんといっても魅力的なのは、唯一の女性選手であり、極度のシャイなルシア。ほとんど胸のうちを話すことはないし、しゃべる声もすごく小さい。五輪延期が発表されるも、前橋市はサポート継続を決定。その会見でほかの選手は「開催されるまでがんばります」と力強く言う一方でルシアは、か細い声で「1年だけならがんばれる」。それでも、合宿でできた日本人の友だちに心を開いて冗談を言い合う光景にほっこりした。

『おげんさんと(ほぼ)いっしょ』。今回は人形を『ねほりんぱほりん』的手法で使ってリモート収録。NHKの長い歴史の中で培った人形劇のノウハウで、見た目はもちろん、(おそらく)話しているときの仕草や表情も再現。しかも、この形式なら『おげんさん』では必須のメイク等も不要だし、背景の違いなどで没入感を削がれることもないからとてもいい。番組の性格にバッチリ合致した素晴らしい“アイデア”。

星野源の「うちで踊ろう」について「上に歌を重ねられるように、キーを低くした」「リズムを一定にキープすると打ち込みの人が有利になる。生楽器の人も同じスタートラインに立てるように、あえて後半リズムを変えた」など繊細なこだわりを持って作ったことを明かす。前回につづき、松重豊扮する豊豊さんとの音楽談義にもたっぷり時間を割き、回を追うごとに音楽番組濃度が深まっているのを感じる。僕は音楽のことは全然詳しくないけど、彼らの話を聞きながら聴く音楽はスッと耳に入ってくる。今回は30分と短い時間だったけど、とても豊かな時間だった。最後に言っていたようにこの形式なら比較的容易に作れると思うので、月1回くらいのペースでやってほしい。「会って、みんなで一緒に歌ったり、くだらない話をしたりしたいわね。おげんはとにかくハグがしたいの。みんなと会ってハグしたりしたら、私、たぶん泣くわ」。

『有田ジェネレーション』お蔵入りになった「桐野安生ドキュメント」を放送。このVTRに「誰が観るんだよ!」と小峠が激昂すると、桐野が「わからないです……」と消え入りそうな声で答えるのが可笑しかった。小峠「舌出せ! 引きちぎってやるぞ!」。

今日観たい番組:『セブンルール』に漫画家・鳥飼茜など

『浦和から持ってきて!』(テレ東)、今回は佐久間Pセレクトの番組。

『セブンルール』(フジ)に漫画家・鳥飼茜。

『ロンドンハーツ』(テレ朝)は、「50TA」こと狩野英孝の新曲披露ドッキリ。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。
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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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