星野源は、心の○○○を晒している。マツコ「ど変態ですよ」(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2021年のテレビ鑑賞記録。


『マツコ会議』

ゲストには、マツコが「闇が見える人」「しっちゃかめっちゃかな感じが好き」「あたし以上に孤独を感じている気がする」という星野源。

中学のときに音楽をつくるようになり「それまでどれだけがんばっても、コミュニティからあぶれちゃってるなって思ってたのが、自分が何かをつくることによって、自分がズレていると思っていたことがガッと真ん中に来てくれるというか。いつも自分と他人との間にスゴく深い川が流れていると思ってたんですよ。自分が表現することによって橋ができる。そういう経験をしてきて、一部の人が喜んでくれればいいというより、自分が好きなものや自分はこれが大事なんだとなるべくいろんな人に伝えることによって、世の中自体が動いたらいいなって」と思うようになったと語る。

「変なことを誰にも見られない場所でやるって普通じゃないですか。普通じゃないことを誰にでも見られる場所で普通のようにやるっていうのが一番ヤバい。それが一番おもしろい」と、星野は事あるごとに口にしていることを改めて言う。

「それをマツコさんがいま各場所でやられているので爽快。タモリさんも大好きなんですけど、タモリさんってめちゃくちゃ変態じゃないですか。めちゃくちゃ変態な人がテレビに堂々と出てて、それを観ている人が誰も不思議に思わないっておもしろい。それって本当に愉快だし、スゴく豊かだし、なんておもしろいんだろうって思うんですよね」という星野に、マツコ「タモリさんってそれを半笑いしながら楽しんでる感じがスゴい」。

星野のライブを観ると「心の中ではちんこ晒してるんだろうな」と感じるというマツコ。「恥部を晒すことって本人も興奮する部分ってあるし、観てる人も興奮する部分ってあると思う。そういう心のプレイ?っていうのが……」とつづけると、すかさず星野が「“心のちんこ”ですよね」と注釈。

マツコ「そう、心のちんこを露出するプレイっていうのがおもしろいんですよ」。星野「おもしろいし責任を感じますよね。人前に出るからには、ちゃんと出さないといけないって」。

最初は探り探りのふたりという感じだったけど、後半はマツコが星野のスタンスを理解したのか、お互い“心のちんこ”を見せ合う対談に。マツコ「ど変態ですよ、星野さんは」。

『あいつ今何してる?』

ゲストはマヂカルラブリー。

「小学校も中学校も明るくて人気者だった。要は女子を犠牲にして(人気を)得ていた。マジでモテなかった。テストで点数低くて笑いが起きるのがうれしくなって、ずっと0点取ってた」と小学生時代から笑いに対しておかしなトガり方をしていた野田。

野田の同級生は「小学校6年生のときに、クラスの有志で『欽ちゃんの仮装大賞』に応募したんです。野田くんが言い出しっぺだったんですけど、実際やることになったら、気づいたらいなかったんですよ」と証言。

これに対し野田「最初は僕仕切りで決めてたんですけど、なんか教師たちが口出してきて『俺の笑いじゃねえ!』って」。

先週の『人生最高レストラン』でもピン芸人時代は「スベってる笑いこそが笑い」「突き詰めた笑いはスベる」「ウケてる芸人はダサい」と思っていたという野田。コンビを組むこと自体「ふたりはズルいと思っていた」とトガりエピソードは枚挙にいとまがない。

現在、芸術家になった村上の同級生と話しているうちに「『存在』について考えたんですか? 僕も『存在』とか考えちゃうんですよ、今でも」と急速に意気投合する野田。「『わからない』って言いたくないでしょ? 『わからないからつまらない』って言いたくない」。


『ゴッドタン』

高校時代『学校へ行こう!』の「お笑いインターハイ」で優勝し、人気者になったが、「お笑いのプロ」という意識が芽生え「クラスメイト」が「素人」になり、学校内では一切しゃべるのをやめたとか、「大宮セブン」のユニットライブ後、とんでもないスピードでひとりで帰るとか、心の壁が分厚い野田クリスタルが「壁ある芸人矯正プログラム」に挑戦。

その相手となったのが小椋梨央。共演者である彼女との壁をなくすため、モニタリングをしているおぎやはぎや劇団ひとりからのムチャ振りを受けて会話をしていく。

最初は笑顔で対応していた彼女。番宣コメントの最後に一発ギャグを要求され、野田が披露したギャグがスベるとそれを「彼女のせいにして」という指示。

「あれが渾身のギャグ?」と聞くディレクターに野田は「俺の……っていうか……小椋さんに考えてもらって」と言うと「ちょっ!」と明らかにムッとした表情。その間が抜群だった。「私のせいみたいになってるじゃないですか!」と反論。責任のなすりつけ合いのような展開に。その負けん気の強さが新鮮でとてもおもしろい。

しかも、ふてくされるわけでもなく、何度かギャグのやり直しを要求されると、腹を括って、いつしかコンビのように一緒に考えていく。最初に出た案も「ぬるいですよね」と考え直したり、アドリブを任されても「はい、わかりました」と受け入れる彼女。さすが、舞台をしっかり経験している人は強い。

最後はアドリブ漫才のようなものにまで対応。じゅうぶんの出来にもかかわらず、スタッフから撮り直すか聞かれ「ラスト1回くらいやっときます?」と向上心もえげつない。小椋梨央、恐るべし。モニタリングルームに戻ってきた野田「あの子だけっすよ、あれできるの」。

今日観たい番組:声優×芸人の二次元漫才師プロジェクト『サンパチスター』第2弾など

『シンパイ賞!!』(テレ朝)1時間SP。ずん飯尾、阿佐ヶ谷姉妹を特集。

『有吉ぃぃeeeee!』(テレ東)は『電車でGO!!』。

『ガキの使い』(日テレ)は「100均グッズでなりきり」第3弾。

『サンパチスター』(テレ朝)ネタ提供は霜降り明星、ジャルジャル、インパルス板倉。

『おかべろ』(フジ)にハリセンボン。

『にけつッ!!』(日テレ)においでやすこが。

『家、ついて行ってイイですか?』のイノマー密着ドキュメントが「特別編」として再放送。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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