東京03は、若手コント師にとって「希望」以外の何者でもない(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『あちこちオードリー』

ゲストは東京03とかが屋。

東京03にとって『キングオブコント』で優勝した2009年が最大のピンチだったそう。当時は『レッドカーペット』ブーム。1分ネタはやらなかったので営業も決まらなくなり、03に来ていたような仕事は全部、ゆってぃに行っていたと。

「このままじゃ仕事がなくなる」とマネージャーに言われ、何か動かなければいけないと2009年の春に始めたのが全国ツアー。キャパ200人の会場が埋まらず200万くらい赤字になった。だが、その直後『キングオブコント』優勝。集客が5倍になってピンチを脱した。このころにはもうテレビに出るよりも単独ライブで食べていきたいと考えていたそう。

現在は全国ツアーで3万5千~4万人を動員。「地道に劇場を大きくしてチケット代を徐々に上げていって全国ツアーでもらえたギャラだけで1年食えるくらいはもらえたなって」と言う飯塚に「いーヤッ!」と叫びそうになって自分のことのように涙ぐむ加賀。

飯塚はサラッと「チケット代を徐々に上げていって」と言っていたけど、低価格が常識になってしまったお笑いライブでそれをやることがいかに難しいか。本当にかが屋のような若手コント師にとって東京03は「希望」以外の何者でもないのだろうなと思う。

そんな加賀は「ピュアで繊細だとバラエティではムズいでしょ?」と若林に問われ「めっちゃムズいです!」と即答。イジられたら傷つくんじゃないかと心配されるが逆に「イジられたい」という。加賀「『病気ヤロウ』とか言われたい」春日「無理だよ。言ったほうがダメージデカい(笑)」。

『水曜日のダウンタウン』

マヂラブのつり革ネタ級に揺れる電車で最後まで立っていられるか競う「野田クリスタル選手権」。

野田本人はもちろんミスターSASUKEの山田勝己、庄司智春、オラキオと肉体派が並ぶなか、鉄道マニアのダーリンハニー吉川も参戦。一瞬、解説役なのかなと思ってしまうほどの場違い感。けれど、そうではなく冴えたキャスティングだったことを始まって知ることになる。

開始後、野田本人がわずか1分33秒でいきなり脱落。「こいつクソだわ」と松本。「この説の意味!」「野田がいなかったらこれ何やってんだよ!」と挑戦者たちも口々に言う。

だが、企画倒れになってしまう危機を救ったのは吉川。肉体派が次々と脱落するなか、最後まで残ったのがまさかの吉川だった。電車の動きを熟知した吉川はその知識と経験で勝利。しかも自ら提案し終点まで挑戦し「完全制覇」を達成。

挑戦者たちが吉川を称えるなか、進行役の村上が「というわけでセカンドステージに参ります」と、さすが『水曜日』な展開。「オフロードコースを走る路線バス」というあり得ないステージに。庄司「子供のときに観てたテレビじゃねえか!」。

「突然ネタに関するアドバイスをしてきた老紳士が後日TV局の取締役として収録現場に現れたら急ピッチで言われた通りネタ修正しちゃう説」では、錦鯉、ジョイマン、クールポコ。に老紳士がアドバイス。

ジョイマンには「なんだコイツ~」で大げさに倒れ込む「なんだコイツ~(大)」や「ナナナナーナナナナー 止まぬ献金パーティー 止まぬパーティー 救えよマイノリティ 救えよマイノリティ 堕ちてくダイバーシティ」と反権力な社会派のリリックノートを授け、クールポコ。には「男は黙って」の部分は時代にそぐわない(これ、いずれ本当に言われるんじゃないか?)と「サラリーマン」に変更を求め、衣装もスーツにすればと助言。アドバイスの内容が絶妙。

錦鯉は完全にアドバイス通りネタ変更するも、ジョイマンはそのまま。権力者の反権力なネタをやらない反権力なジョイマン。するとネタ終わり、楽屋にいる老紳士。TBS出禁を匂わせる。この展開を用意しているのもさすが。

一の矢では終わらない『水曜日』スタッフの周到さを改めて感じる回だった。


明日観たい番組:『人志松本の酒のツマミになる話』で「長州力のすべらない話」など

『かりそめ天国』(テレ朝)2時間SP。「後藤ファミリーがマツコ地元・千葉ツアー」。

『人志松本の酒のツマミになる話』(フジ)「長州力のすべらない話」。

『脱力タイムズ』(フジ)とろサーモン久保田&高橋克典。

『タモリ倶楽部』(テレ朝)「時代はついに『お家で鋳造』日本メタル化計画」。

『ジロジロ有吉』(TBS)「軽キャン」藤田ニコル。

『久保みねヒャダこじらせナイト』(フジ)千葉雄大。

A-Studio+』(TBS)トーク名場面。

終戦ドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』(NHK)出演は妻夫木聡、蒼井優、永山絢斗ら。


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    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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