電気グルーヴ、コンセプトの源になった言葉を明かす「陳腐なことを重ねていくとスーパー陳腐なものができ上がる」【Roots of 電気グルーヴ#5:Palais Schaumburg】


パレ・シャンブルグ再結成

石野 で、さらにパレ・シャンブルグがそのあと、解散するんですよ。メンバーがコロコロ変わるようなグループだったから、再結成っつっても、っていう話じゃない。当然ありえないって思ってたんだけど、それがなんと、実はあったんですよね。2011年に。しかも、翌年の7月に来日してるんですよ(※29)。

 パレ・シャンブルグで? 知らなかった。

石野 いや、知ってます(笑)。

 えっ……観に行った?

石野 こっから話すね(笑)。代官山のUNITでやったんだけど、俺、そのときDJやったのよ。

 (頭を抱えて)……あれ? 記憶が……。

石野 ね。麻薬って怖いでしょ(笑)。

 すっげえ奥の記憶の扉が今、カチャッて。

石野 カチャッて閉まった(笑)?

 仏壇のちっちゃいやつ(扉)って感じで(笑)。

石野 マグネットのやつでしょ(笑)。上にマグネットがついててカチャッていう。閉め忘れないようになってるやつ。

 仏壇にはマグネット使わないであげてって思うけど(笑)。

石野 2012年の7月に、UNITで、オリジナル・パレ・シャンブルグの来日公演でDJをやるわけですよ。そのときに撮った写真もあって、君のところ(スマホ)に送ってる。パレ・シャンブルグのあとに、俺のDJだったの。で、バンドは片づけをやってて、俺はDJが始まってからブースにいるからさ、接点はなかったんだけど。

 (スマホを見て)うわ~、すげえ写真が送られてきてんな。

石野 俺、DJやってる途中にションベンしたくなって、レコードをかけて、トイレに走ってったのよ。戻ってくるところで、ばったりホルガー・ヒラーとトーマス・フェルマンと会ったところの写真が、それ。

 すげえ写真だけど、パッと見た瞬間の最初の感想が「色味」っていう。

石野 瀧のお姉さんの名前は「ヒロミ」だけどね。

 (スマホの写真をカメラに見せる)。

石野 トーマス・フェルマンとホルガー・ヒラー。俺、すっごいピッチピチの服着てるみたいに見えるじゃん。これ、DJの途中で、汗だくで。

 そうなんだ。いや、もう、「色味」って感じ(笑)。『大脱走』で見た感じ(笑)。

石野 たしかに。囚人服みたいな(笑)。

 収容所の連中が着てる色だもん(笑)。

石野 自分で(服を)チョイスできない人たちが着るやつ(笑)。それが2012年にあったと。パレ・シャンブルグでした。特にホルガー・ヒラーからは思想面というか、表現するにおいての、未だにすごい大事になってる、キーとなるコンセプトを知ったというか。

 もう変わりはないでしょうね、それはね。

石野 トーマス・フェルマンとかモーリッツ・フォン・オズワルドからは、いわゆるテクノミュージック、ドイツテクノっていう部分で、のちにも色々と影響を受けるっていうね。意外に大事なバンドだった。君が観た初めての外タレのコンサートも──。

 ホルガー・ヒラーでしたよ、という。

石野 まとめればこれだけで済むじゃんな(笑)。

 それをまとめちゃったら、俺たちのいいところがなくなっちゃう(笑)。

石野 それだったらTikTokでいいもんな(笑)。

 じゃあ、また次回ということで。

※29 パレ・シャンブルグの再結成初来日公演:2012年7月に東京と大阪で開催された『Palais Schaumburg Japan Tour 2012』。代官山UNITで開催された東京公演は「UNIT 8TH ANNIVERSARY PARTY」として、石野卓球やトーマス・フェルマンらがDJとして出演した。

Roots of 電気グルーヴ “Palais Schaumburg”

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