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心の奥底からしぼり出されたテンの言葉
ひとり佇むテンに優しい視線を向け「今回、脱落するのはテンになってしまうんだけど……」と切り出したSKY-HIは、「この1週間でクオリティが伸びなかったのは明確な理由がある」とテンに告げた。
テンとふたりきりになった白い壁の部屋で、慎重に適切な言葉を探りつつ、SKY-HIは胸に抱えた思いをこぼし始めた。
「合宿審査で10人に残ることが普通である、根本のクオリティは担保できている。ただ、アーティストというよりは、アスリートのようなストイックさに走っているような印象を受けました」
SKY-HIに憧れて芸能界に入り、SKY-HIのようになりたいと努力を重ねてきたテン。“自分のスタイル“というものが見つからないまま、闇雲にがんばるほどがんじがらめになっていたテンの迷いをSKY-HIは見抜いていたのだ。そして、優しく諭すように言葉をかけていく。
「アーティシズムというのは、“自分がどういうアーティストか示す力”と“アーティストとしてのビジョンを具体的に持つ力”。アーティストをやっていると迷うことは多いけれど、アーティシズムは目指す先を示すコンパスになる。アーティストの個性は何にも影響されないもののように思えるけど、同時にいろんなものに影響されてきた結果として生まれる。だから、追い込む環境から自分を逃がしてあげてほしい」
表向きでは、テンは紛れもなく“脱落者”である。しかしSKY-HIが向ける優しい視線や言葉は、「今の状況から彼を解放したい」という祈りが宿っているかのようだった。
すべてを包み込むSKY-HIの言葉と姿に、肩の力がフッと抜けた様子のテン。瞳に涙を溜めながら「正直、自分でもこの結果になると予想がついていた」と明かし、心中に抱えた思いをぽつりぽつりと語り始めた──。
SKY-HIが好きで芸能界へ入ったから、SKY-HIのようになりたいという想いが抜けなかったこと。ほかの参加者を見ているとアーティシズムを感じるけど、自分にはそれがないかもしれないと感じる瞬間があったこと。そして、追い込み過ぎて自分を嫌いになっていたこと。
テンの口からこぼれる言葉は、ひとつの目標を追いつづけてきた青年の心の奥底からしぼり出されたものであり、あまりにも切なく、そして切実な想いをたたえたものであった。
オーディションで手にした仲間
擬似プロ審査を通過した11人も、テンの脱落には複雑な様子だった。中でも、オーディション前からテンのことを知っていたシュントとレオは、“現実を受け止められない”と言わんばかりに呆然としていた。シュントは「彼になんて言葉をかけたらいいのか思いつかない」と言い、レオは「普段から努力家なテンが、なんで落ちたかわからない」と戸惑いを見せた。
テンが宿舎に戻って来ると、自然とテンのもとに集まってくるボーイズ。その誰もが涙を浮かべ、誰よりも努力を重ねていた彼を称えた。「がんばり過ぎて、自分のことが嫌いになっちゃった。もし俺が音楽をやっていたら、また会おう」と、テンは仲間たちに伝えていた。
切なそうな表情を浮かべつつも、その姿からはどこか晴れやかさも感じさせる。「悔しいと思う気持ちはあるけど、今はうれしい。日高さんが気遣って落としてくれたのはすごくわかるし、みんなが俺ひとりだけのために集まって泣いてくれたときは、がんばってよかったと思えた」と素直な胸の内を言葉にした。
「この合宿で得たものは?」とスタッフに聞かたテンは、「正直に言うと、仲間かな」と清々しい笑顔を見せていた。
次回、今の想いを語るボーイズ
7月16日に放送される#16では、合宿最終審査へ挑むボーイズの様子や残った11人が今の想いを語る姿が届けられる予定だ。どのような審査がボーイズを待ち受けているのか、ますます目が離せなくなっていく。
【『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』#16放送&配信予定】
■2021年7月16日(金)朝8:00~『スッキリ』(毎週月~金曜朝8:00~10:25、日本テレビ系)
番組URL:https://www.ntv.co.jp/sukkiri/
※放送日時変更の可能性あり
■7月16日(金)20:00~『Hulu』
番組URL:https://www.hulu.jp/the-first-bmsg-audition-2021
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