SKY-HIが考える“アーティシズム”「いろんなものに影響されてきた結果、個性は生まれる」【『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』レポート#15】

文=坂井彩花 編集=森田真規


SKY-HI(スカイハイ)が率いる会社「BMSG」が仕かけるオーディション『THE FIRST』。その模様を追いかける番組『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』の第14回では、合宿第2審査となる擬似プロ審査にチャレンジする「Move On」チームの様子が放送&配信された。

そして7月9日に公開された第15回では、擬似プロ審査の結果発表が行われた。果たして、どちらのチームが勝利を手にするのか。そして、ただひとりの脱落者となるのは誰なのか──。

【関連】SKY-HIが今、新会社とボーイズグループを作る理由。大切なのは未来へバトンをつなぐこと


目指すのは“年内のデビュー”

「Be Free」チーム、「Move On」チーム共に、“クオリティファースト”なステージを展開した擬似プロ審査。パフォーマンスを目撃したSKY-HIの盟友ちゃんみなは、「驚きが一番でした」と感動を口にした。SKY-HIから「オーディションの参加者たち、すごいよ」と連絡が届いていたが、あまり期待していなかったという。しかし、生のパフォーマンスを目にして「誰が落ちてもおかしい状況だし、自分もがんばらないとって思ったし、心からのリスペクトを送ります」と敬意を示した。

[THE FIRST 合宿擬似プロ審査 / ステージ映像] Be Free (Prod. Chaki Zulu) / ジュノン、レオ、ソウタ、マナト、レイ、ルイ
[THE FIRST 合宿擬似プロ審査 / ステージ映像] Move On (Prod. SUNNY BOY) / ショウタ、リョウキ、ラン、テン、シュント、リュウヘイ

擬似プロ審査を振り返るSKY-HIも「アマチュアでもこれだけすごい人がいるし、才能を輝かせる場所は作れる。その事実を証明してくれた彼らには、尊敬と感謝の念しかない」と感無量の様子。一方で、「年内デビューのグループを作ろうと決めたとき、次の審査までお願いするのは正解ではない参加者がいるのも認識してしまった」と苦しそうな表情も浮かべた。

SKY-HIが作ろうとしているのは、世界で活躍できるボーイズグループ。しかも、“年内のデビュー”を掲げている。パフォーマンスのクオリティが即戦力であることはもちろん、現時点でアーティストとしての精神性も求めざるを得ないのだ。

「デビューしたあとのことを考えると、不安や迷いを抱えていてもステージに立ったときには音楽に乗せて昇華できる力は必要不可欠。高い壁に追い詰められたとき、パフォーマンスにそれが出てしまう人が脱落することになる」と語った。

“プロ意識”で身を焦がさぬように

いよいよ迎えた結果発表では、「パフォーマンスのクオリティという意味では、本当にレベルの高いものを見せてくれた」と両者に賛辞を送るSKY-HI。“どちらも素晴らしかった”と前置きした上で、「Be Free」チームを勝者に選んだ。

このような結果になったわけだが、SKY-HIは「一昨日のリハーサルを見ている限りだと、『Be Free』が『Move On』に勝つとは思わなかった」という。それでも「Be Free」チームを選んだ理由に、「本番がとにかく素晴らしかった」と口にした。SKY-HIが“フロー状態”と呼んでいる、何かが憑依したようなパフォーマンスを「Be Free」チームは見せていた。本当に音楽を好きな人が起こせる奇跡のような時間を創出したこと、それが高く評価されたのだ。

つづいて、「Be Free」チームのメンバーから順位が発表された。1位に選ばれたのはソウタ。クリエイティブ審査に引きつづいて1位に輝いた。「あなたのラップは神がかっていました。リズム、グルーヴ、フローの抑揚、感情をつけるところ、そのデザイン性。すべてが優れていた。純粋なパフォーマンスで評価したとき、1位は揺るぎないものだった」とSKY-HI。また、ソウタのパフォーマンスが圧倒的である理由について、「アーティストとしてのコンパスが、すごく丁寧に定まっている」と分析した。ソウタ自身も「今回はアーティストとして初めて、心から胸を張れた」と明かし、揺るぎない自信を手にしつつあるように見えた。

3位のマナトには「これ以上は順位が下げられないくらい高いアベレージを出していた」と称賛の言葉が送られ、4位のレオには「マイクへの声の入れ方が格段に改善された」と課題をクリアしていた旨が伝えられる。そのあとは、5位ルイ、7位ジュノン、11位レイと「Be Free」チームの順位が発表された。

『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』レポート#15

前回までの順位発表と異なっていたのは、いつも以上にSKY-HIがボーイズの身を案じていた点だ。それぞれのパフォーマンスを講評すると同時に、「悩みや苦しみにぶつかることはあるけど、少し抱え込み過ぎないでほしい」「あまり焦らないように」「がんばり過ぎないでください」と、審査に向けて心身を追い込んでいたボーイズを労う言葉をかけていた。

それは、SKY-HI自身が“プロ意識”の名のもとに、身を焼き尽くしてしまった才能をたくさん見てきたからなのだろう。擬似プロ審査によって“いざプロとして活動を始めたら”という状況に立ったボーイズが破滅の道を選ばぬよう、心の舵を定め直しているかのようだった。


「Move On」チームから脱落するのは?

そして、脱落者が出ることが確定した「Move On」チームの順位発表へと移る。SKY-HIは「芸能の世界で勝った負けたはついてくるかもしれないけど、そういう評価をしたくないと改めて思うくらい、とてもクオリティの高いパフォーマンスをしていた」と前置きをすると、上位から順に名前を呼んでいった。

2位に選ばれたのは、リュウヘイだ。「声を入れたときの空気の変わり方が圧倒的」と称賛しつつ、「“動”のエネルギーを思い切り出す、パワフルに踊る、アタックを強く歌うなど、足りない要素はまだある」と伸びしろがあることを示唆した。リュウヘイ自身は「第1審査よりは役割を持って臨めたと思うけど、チームの雰囲気を作ることができず悔しかった」と漏らし、その瞳からは熱い想いがあふれ出ていた。

6位のリョウキには「あなたの独特な歌い方やダンスの手癖は、単なるクセから個性や長所へ確実に進化した」と成長を認める言葉が送られ、8位のシュントには「もともと持っていた声質の妖しさみたいなものがあって、歌うたびにいろんな感情を沸き立ててくれた。あの声は、僕が一番欲しかった声」と羨望の声が寄せられた。そのあとに9位ショウタ、10位ランと順位発表がつづき、この時点でテンが脱落することが決定した。

心の奥底からしぼり出されたテンの言葉


この記事の画像(全74枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

ライター_坂井彩花

Written by

坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太