【『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』レポート#1】SKY-HIが人生を縣けるボーイズグループオーディションがスタート!

2021.4.8

文=坂井彩花 編集=森田真規


2010年代を“アイドル戦国時代”と謳うなら、2020年代は“ボーイズグループ戦国時代”と言っても過言ではないだろう。日本でボーイズグループといえばジャニーズやLDHのイメージが強いかもしれないが、2021年を見渡すとDISH//や超特急を擁するEBiDAN(スターダストプロモーション)、w-inds.やDa-iCE、BOYS AND MENなど、女性アーティストに負けないくらいバラエティに富んだグループがそろっている。また、2019年には韓国で人気のオーディション番組『PRODUCE 101』が日本で開催され、JO1が誕生。ボーイズグループ旋風に拍車をかけた。

そんな時代のなかで私財1億円以上を投じて音楽業界に新たな風を吹かせようとするアーティストが、SKY-HIだ。ボーイズグループオーディション『THE FIRST』の発起人であり、このオーディションを主催する会社「BMSG」のCEOでもある。

そして、4月からは『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』の『スッキリ』(日本テレビ系)での放送と、Huluでの完全版の配信がスタートする。そこでQJWebでは、このオーディション番組を定期的にレポートする連載を始動。

記念すべき第1回は、SKY-HIのキャリアを振り返ると共に、『THE FIRST』に懸ける想い、2次審査まで進んでいるオーディションの模様をお届け!

時代の発端を創る覚悟

SKY-HIのキャリアを知らないと、「なぜ私財を投じてボーイズグループのオーディションを?」と思う人もいるかもしれない。しかし、SKY-HIの経歴や想いを追っていくと、彼ほど“新しいボーイズグループ”を作る適任者はいないのだ。

第一に、アイドルとラッパーというWキャリアを持っている点だ。彼は2020年末の活動休止まで、男女混合パフォーマンスグループ「AAA」のメンバーとして15年間活動。アニメやドラマのタイアップ、3年連続での4大ドームツアーの開催など、人気アーティストとしての仕事をひととおり経験している。

一方で、ラッパー・SKY-HIとしての活動は華々しさとは真逆をいくものだった。avex非公認(事実上、黙認)のアーティストとして活動を開始すると、ひたすらクラブに通いオープンマイクやバトルに参加。己の技術や感性と向き合い、小さなライブハウスから自力で這い上がってきたキャリアも持っているのだ。間違っても“大人の力”だけで人気を獲得してきたアーティストではないのである。

『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』主催者のSKY-HI

大きなホールの会場も、小さなライブハウスも知っている。大きな会社との仕事の仕方も、自力で這い上がっていく方法も知っている。グループでの戦い方も、個人での魅せ方も知っている。そんなアーティストは今、SKY-HIくらいしかいないだろう。

第二に、知名度にかかわらず才能を持つ人へのリスペクトが厚い点だ。HIP HOPウェブサイト『Amebreak』と組んで行った楽曲制作ドキュメント『FLOATIN’ LAB』では、新たなトラックメイカーを発掘すべく一般からトラックを公募すると共に、若手MCのRAU DEFをアサイン。2018年に無料公開されたミックステープ『FREE TOKYO』では、Moment JoonやNovel Coreを客演に迎えた。

「有名=すごい」という短絡的な考えは、SKY-HIには存在しない。常にアーティシズムやクリエイティブ、クオリティを真正面から見つめ、それぞれの可能性と愚直に向き合ってきた。

日本の才能と共に“本物”を届ける

そして、2020年9月。満を持してSKY-HIは、自らCEOを務める新会社「BMSG」を設立した。社名は“Be My Self Group(アーティストやアイドルが「自分のまま」いられる空間)”という願いが込められていると共に“Brave, Massive, Survive, Groove”の意味も持つという。

彼が会社を作ってまで成し遂げようとしていること、それは次の時代へバトンをつなぐことだ。自分ひとりで歴史を変えるのではなく、「チームBMSG」として歴史の発端を担っていく。時代が変わる瞬間のスタートを、SKY-HIは自らの手で封切ることにしたのだ。

SKY-HI「けっしてまだ見ぬ才能のためだけに1億円を出しているのではなくて、自分の人生を縣けようと思ってのこと」

SKY-HIは大きな危機を感じていた。それは「このままだと日本から良質なダンス&ボーカルが生まれなくなってしまう」ということ。昨今ではBTSやNCT、SEVENTEENなど韓国のボーイズグループ勢の人気もあり、歌やダンスを本気でやりたいと思う人ほど、渡韓して研修生としてキャリアを積むことも珍しくない。

「既存のシステムや大きな事務所さんに、ものすごいリスペクトも愛もある。ただ、出口の数が限られていてそこの形(望まれる理想像)にハマれない子は、すごい才能やクリエイティビティを持っていても世の中に出られないパターンが多い」と、胸を痛めていたのだ。

アイドルやラッパーとして活動するなかで、出口に辿り着けず消えていく才能を彼はたくさん見てきた。だからこそ、才能が廃れていく日本の未来を肌で感じ、オーディションの開催を思い立ったのである。「才能が才能のまま芽を咲かせる場所を作りたい」こんなまっすぐな想いが、彼を突き動かしているのだ。

「世界で通用するボーイズグループを作りたい」と語るSKY-HI

そして、韓国の現状についてこう語った。「BTSがなんでこんなに成功したのかって、バトンをずっとつないできたから」だという。そもそも韓国の国内での音楽市場は大きくない。だからこそ、神話(SHINHWA)や東方神起は海外でヒットを出すべく、2000年代から世界を見据えて活動をつづけてきた。BTSの成功は、先人たちが歴史を積み上げていった結果なのだ。

「カルチャーそのものを作るつもりでいかないと」。SKY-HIは、日本で新たな未来を切り開くために「怖くても進んでいく」ことを決意したのだ。「うまくいくかはわからないけど、絶対に必要なことであるから。絶対にやるべきことであるから。この道を進むしかない」そう語る表情は、不安以上に自信がみなぎっていた。

キーワードは「基礎能力」「創造力」「表現力」


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