ハリウッドザコシショウ|正田真弘写真室「笑いの山脈」第6回

ハリウッドザコシショウ|正田真弘写真室「笑いの山脈」第6回

文・撮影=正田真弘
編集=竹村真奈村上由恵


カメラの前に立ちはだかり、ネタの瞬間ものすごい存在感でエネルギーを放出するお笑い芸人。その姿はまるで気高い山のようだ。敬愛するお笑い芸人の持ちネタをワンシチュエーションで撮り下ろす、フォトグラファー正田真弘による連載「笑いの山脈」。本業はポカリスエット、カロリーメイト、どん兵衛、Netflixなど見たことある広告をいっぱい撮っている人。


ハリウッドザコシショウ「瞑想に浮かび上がるハンマーカンマー」

先日、露天風呂に入っているときのこと。

湯船に浸かりリラックスすればするほど自分の生き方、現在というものを考えてしまうから不思議だ。
風呂から上がるときには「やるなら今しかねぇ」とリラックスを飛び越えてまさに熱い状態になるのが常で、
そのときも同じく露天風呂から見える空を眺めながら軽い瞑想状態に入りハリウッドザコシショウさんのことを考えていた。

撮影も1カットであれば、被写体と対面して20分ほど終わってしまう現場もしばしばで、
その人柄に触れるにはあまりにも短い時間で終わってしまう。
今回の撮影も15分ほどではあったけれど、存在感の鋭さ、
撮りたいネタ「ハンマーカンマー」に関する言葉の短いやりとりや”間”、
曖昧なことは許されない空気。
写真撮影という静なる空間ではあったが、ハリウッドザコシショウさんの見えない牙は僕の心にしっかりと刺さった。

これほどにブレず、歩みをつづけられる強さ、自分に真似できるであろうか。 カウンターからメインストリームの頂にのし上がるこの姿、大切にしたい一枚となった。


ハリウッドザコシショウ
1974年生まれ、静岡県出身。SMA NEET Project所属。1992年、大阪NSC11期生として入学。コンビ活動ののち、ピン芸人として『あらびき団』(TBS)の初回から出演し「キング・オブ・あらびき」と称される。「誇張したモノマネ」という新しい笑いで2016年『R-1ぐらんぷり』優勝。2021年には同番組で審査員を務めた。


この記事の画像(全1枚)


この記事が掲載されているカテゴリ

正田真弘

Written by

正田真弘

(しょうだ・まさひろ)1977年生まれ。東京造形大学卒業後、石田東氏のアシスタントを経て渡米。2008年、『IPA(International Photography Award)』のセルフポートレイト部門で金賞受賞。翌年帰国して以降は、グラフィック広告、テレビコマーシャル、雑誌連載等、幅広いジャン..

CONTRIBUTOR

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森田美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。