『水ダウ』藤井P「“絶望する顔”逆算の企画」胸を打つ完結編(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。


『水曜日のダウンタウン』

パタパタママによる「たとえ閉じ込められていても『今日のラッキーアイテム』さえ手に入れば、そのラッキーで脱出できる説」の検証完結編。

4.5mの高さに吊るされたカギ、ネズミの「ナンちゃん」の首に巻かれたカギを手に入れれば部屋から脱出でき、そこから東京の吉本本社まで行けばゴールという企画。

カギを手に入れるまでが本筋と思いきや「苦労して外に出て『絶望する顔』逆算の企画です」という藤井Pのツイートのとおり、部屋の外は雪山というのがエグい。

もちろん、そんなこととは知らず「ラッキーアイテム」として手に入れたカーディガン、トレンチコートなどの防寒具を売ってしまう。「自由はないがお金の不安はない生活」に少し慣れ始めた8日目、トリッキーなラッキーアイテムが多かった『めざましテレビ』のラッキーアイテムが「移動販売車」で部屋脱出後の移動にメドがつく大きな進展。

さらに翌日、『はやドキ!』で「大木」をゲットし、開始から215時間、天井のカギを手に入れることに成功し、いよいよ部屋から脱出。

だが、外は見渡す限りの雪。スタッフの目論見どおり、希望に満ちた表情から一気に絶望で固まるふたりの表情が凄まじかった。そこに流れる「どこまでも限りなく降りつもる雪と~♪」という歌詞の「DEPARTURES」。この企画のために作られたかのようにハマる。

「どうしたらいいんだ、僕たちは!」と椅子を殴ったり感情を爆発させるふたり。「ここまでせな、テレビ出られんのやね……」と泣く姿が胸を打つ。

ひとりはスリッパで、300m近い雪道を2時間かけて歩いてようやく移動販売車まで辿り着き、いよいよゴールへ向かう。車がラッキーアイテムで出なかったら果たしてこの企画、ゴールできていたのだろうか。ゴール目前になり、浜田「ガス欠になれ!」。

『あちこちオードリー』

藤井隆と空気階段がゲスト。

会社員で経理をやっていた藤井は、サークル感覚で吉本新喜劇の劇団員募集に応募し入団。会社もつづけていたため当初は土日と深夜のみに活動していたそう。2年9カ月会社員をつづけ、ついに会社にバレ、どちらかを選ぶことになり「もちろん、テレビを辞めます」と答えたという。

だが、テレビ側にもそう伝えたところ、怒られ引き止められたため会社を辞め芸人一本に。

若林は藤井に対し「オンオフがある匂いがプンプンする」と表現。マシュー南も「別人設定」。その設定を守ることに対し、「このくだりが一番恥ずかしい」と苦笑する藤井。当時、番組でどんなに楽しいシーンであっても「藤井さん」と呼ばれたらそこはカットしていたため、そんなことをしていたのに時間が経ったからといって別人じゃないというのは「汚いなぁ」と思いその設定を守っているという。

そういうキャラになりきるのは「矯正」だと藤井は言う。「自分の話をするのが嫌だったから」と。春日も同調し、「素じゃやっぱり……。何してんだろうって思っちゃう」と語る。

空気階段かたまりは意外にも、もともとはネアカ。高校時代まで彼女もいて部活(サッカー部)も活発、勉強もできて「すべてうまくいっていた」そう。大学も慶應に進学。だが、入学早々、いわゆる慶應ボーイに「お前はじゃがいも星人なのか?」と岡山弁をイジられたそう。

その相手を「しょーもね」と心底軽蔑したような反応を見せる春日が印象的だった。かたまりはそんなイジリに、今までそんな扱いを受けたことがないため本当にショックで3カ月で大学を辞めてしまう。そこから親から禁止されていたお笑いを観るようになり、お笑い芸人の道に進む。

一方、スロットの爆裂台で稼いだお金で大阪芸大に進学したもぐらは、法律が変わり爆裂台がなくなったことで学費が払えなくなり除籍。「本当、国のせいです」ともぐら。

そんな話を聞いて「空気階段のネタ見てるとさ、もう一度ダメになりたくなるんだよね」と若林。この言葉は端的に空気階段の魅力を表しているような気がする。

当初は∞ホールの若い女性客にまったくウケなかったが、もぐらが彼女の存在を公言したことで途端にウケ方が変わってきたという話はとても興味深かった。春日「おもしろい、つまんないじゃないんだ、安心なんだ」。


明日観たい番組:『ネタパレ』の「全員初登場ニュースター発掘SP」など

『かりそめ天国』(テレ朝)2時間SP。『怒り新党』が一夜限りの再結党!ゲストに夏目三久。「へぇ」ダービーはブラックマヨネーズ小杉vsもう中学生。

『新しいカギ』(フジ)初回2時間SP。

『LIFE!』(NHK)に松本まりか。

『脱力タイムズ』(フジ)はFUJIWARA藤本&中村ゆりか。

『ネタパレ』(フジ)は「全員初登場ニュースター発掘SP」。

『タモリ倶楽部』(テレ朝)は「春のねこ祭り」。

『人志松本の酒のツマミになる話』(フジ)にR-指定、狩野英孝、鈴木亜美、山村紅葉。

『ドキュメント72時間』(NHK)は「ユニフォーム店 真新しい白衣で」。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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