4時間遅刻し、2時間風呂に入る空気階段もぐら。芸人の狂気と優しさが見えた『水ダウ』(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


『水ダウ』『相席食堂』で芸人の時間感覚の過剰な逸脱っぷりに戦慄

『水曜日のダウンタウン』

1秒遅刻するごとに10円獲得できる「寝坊癖相方遅刻させチャレンジ」。この企画に「誰も得しない、この番組特有のやつ」と松本。挑戦するのはラランド、オズワルド、空気階段という新世代の遅刻癖を持つメンバーで人選も、「ほどよくナメられてそうな先輩」ニューヨークのYouTube収録という絶妙な設定も完璧。

そして集合時間の朝6時に当然のように全員遅刻。ようやく1時間5分7秒遅刻で最初に到着したのはオズワルド伊藤。ふたり目はラランド・ニシダで1時間30分3秒。息を切らして入ってくるのがもう嘘くさい。アラームをセットしていたがコードを引きちぎって……などと言い訳するも、コードのくだりはやっぱり嘘。

空気階段もぐらは、2時間半経ってもやってこず、会議室を追い出されてしまう。1秒10円という設定からも想定外の遅れ方だったことが窺える。そして10時を過ぎて4時間1分20秒でやってくるもぐらは、到着するなり即土下座。相方の水川は14万4800円を獲得。9時過ぎに起きたというもぐらにその心境を聞くと「ああ、またか。またこの気持ちになんのかって」と被害者ヅラのもぐら。

「平成以降、いかなる天災もこうむっていない“選ばれし地”存在する説」では、気象庁が名前をつけた天災と震度3以上の地震が起きていない市町村を調査。すると10の市町村が該当。そのうち9つは北海道オホーツク海沿岸だった。唯一本州で天災を免れていたのが岐阜県加茂郡七宗町。その理由を探ると『ムー』が食いつきそうなオカルト展開。ついにはMr.ドーナツ伝説・咳暁夫が登場するというトンデモ展開に。この蛇足パートに松本「ちょっと照れちゃったのね」。

「先輩の家で長風呂、1時間が限界説」。あまり付き合いのない後輩が先輩宅で風呂を借りて、入っている長さを競う企画。アントニー宅にはそいつどいつ市川、トム・ブラウンみちお宅にサツマカワRPG、そしてパンサー尾形宅に再び鈴木もぐら。30分が経過すると最初は心配になって声をかける尾形。そのあとも「オナニーしてないか?」などと何度も注意しにいく尾形だが、もぐらは「こんな広い風呂、気持ちよくって」など飄々とかわしつづける。一方、1時間24分経ったところで、アントニーは「長いって!」「もう出ろ」と強めに注意し、市川が最初に脱落。

そのころ、みちお宅にはデリバリーピザが到着。最初は風呂上がったら一緒に食べようと言っていたみちおだったが、一向に上がってこないと見ると、「じゃあ、一緒に」とパンツを脱ぎ風呂で一緒にピザを食べ始める。「なんか、大富豪になった気分だね、バスルームでピザ食うなんて」と笑いかけるみちおの優しい狂人っぷり。その後も「出ろ」などと一切口にしないばかりか、水を差し入れたり、換気をしてあげたりと身体を気遣う。最終的には翌日の仕事のため先に就寝。そして出かけるというところでネタバラシ。なんと10時間もの時間、風呂に入りつづけたサツマカワRPG。サツマカワもすごいが「4~5時間くらい入ったことあるから気持ちはわかる」とそれをまったく咎めないみちおがすごかった。ちなみに鈴木もぐらは2時間8分で半ば強制的に終了。4時間遅刻し、2時間風呂に入っていた。

3本共とてもおもしろい説だった。ちなみに僕のTLでは咳暁夫が出てきたオチで「ギャラクシー賞はなくなった」みたいな書き込みが多かったけど、今回の回が候補になるかどうかは別にして、アカデミックな説にそういう変なオチをつけたからってダメと判断するような賞ではないよとは選考委員として言っておきたい。

TVer『相席食堂』

「人気番組って運動会してる」と気づいたと企画された「秋の相席体育祭」。競技は「ムーンウォーク100m障害」、「水上ゴザ走り」、「階段鈍足競争」の3つ。それぞれの優勝者を千鳥のふたりが(タバコを)賭けていくという企画。各競技とも出場者の人選が抜群で大盛り上がり。

特に最後の「階段鈍足競争」が最高だった。普通なら3分程度で終わるであろう233段の階段。それを普通にリポートすると説明され、頂上で最後のひと言を言うまでのタイムが遅ければ優勝というもの。出場したのは、おそらくこの企画誕生のきっかけになったであろう島田珠代、プラス・マイナス岩橋、そしてレジェンドのぼんちおさむ。最初は「(珠代に)全BETでいい」と言っていた大悟だが、おさむが出てくるとなると「師匠はゴールせんかも」と自信が揺らぐ。個別に撮影したものを3画面で同時に見せるという趣向に「誰を観たらええねん!」とツッコむ千鳥。時折、偶然シンクロする奇跡もあっておもしろい。

早々にゴールした(それでも7分28秒)岩崎に対し、珠代とおさむがデッドヒート。「クモが私のお尻を食べてます」「夢が詰まるとキツくなるおっぱいが」「珠代のおっぱい高尾山~♪」「大声出してごめんなさいウンバラバンバン」などと前回のロケとほとんど被らず独特のギャグをしつづける珠代のすごさ。そして頂上まで使わなかった「珠代パンティーテックス!」でゴール。

一方、おさむは頂上付近で「もう1回やり直そう」と下まで戻ったりする。結果、20分45秒の記録を残した島田珠代を振り切り、29分56秒でぼんちおさむが優勝。おさむ「久しぶりの仕事やったのにしゃべくりやなかったのか……」。

『水ダウ』でも『相席食堂』でも芸人の時間感覚の過剰な逸脱っぷりに戦慄した。

『バナナサンド』

ゲストはダチョウ倶楽部。上島が地面をドンとやってまわりがピョンと飛び跳ねるギャグは、『めちゃイケ』の熱湯風呂企画で誕生したと回想。そのときちょうどバナナマンが立ち会っていたと。最初は風呂のヘリをバチンと叩いてピョンと飛んだという。

今日観たい番組:『アメトーーク!』で「ついついダラしなくなっちゃう芸人」など

『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジ)2時間SP。

『アメトーーク!』(テレ朝)はブラックマヨネーズ小杉&渡辺直美&千鳥・大悟&アンガールズ田中&宮下草薙・草薙&霜降り明星せいや&岡野陽一で「ついついダラしなくなっちゃう芸人」。

『夜の巷を徘徊しない』(テレ朝)はADプレゼン企画「適当に買ってきて-1グランプリ」。

『オドぜひ』(日テレ)は「TAIGAナイト」第3夜。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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