『M-1』感想戦、さんま「ただのテレビ」、ぺこぱ「敗者復活で残らなくてよかった」(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2021年のテレビ鑑賞記録。


『お笑い向上委員会』

向上ゲストに『M-1』王者のマヂカルラブリー、そのほかのゲストも『M-1』司会の今田耕司、審査員の中川家・礼二、準優勝のおいでやすこが、敗者復活戦から勝ち上がったインディアンス、敗者復活戦敗退のぺこぱ、司会の陣内智則というメンバーだったため、『M-1』の話題に。

笑い飯とマヂラブには優勝してほしくなかった、というさんまは、「お前ら優勝するつもりちゃうかったやろ? あのネタは」と尋ねると、「いや、バリバリ優勝しにいってましたよ」(村上)、「優勝するつもりないやつ、決勝まで行かないですね」(野田)、「お遊びのやつはあそこにいないですよ」(村上)と反論。

キョトンとして「そういう状態なの? あそこ」というさんまに、小田も「ホンマにM-1観ました?」と問う。「観たよ。テレビやないかい、単なる。テレビ番組やないかい」とさんま。

『M-1』を特別視する芸人が多い中で、あくまでも「単なるテレビ番組」のひとつという価値観を貫くさんまの対比がとてもおもしろい。「所さんが、『さんちゃん出てみよーよ』って言ってた」と所ジョージとのユニットで出場してみようかとうそぶく。

敗者復活戦で視聴者投票上位3組に残ったことに関して、ぺこぱ松陰寺は「実は僕ら敗者復活、めっちゃスベって。(自分たちでもその感覚が)ありましたよ。すげぇスベったなと思ったんですけど、知名度だけで3位まで残っちゃったんですよ」「もし僕らが敗者復活で選ばれてたら、絶対炎上してただろうなと思って。インディアンスってなったとき、ちょっとだけホッとしたんですよ」「お客さんもみんな“ぺこぱはスベってたのに3位に残ってるな”ってわかってたと思うんですよね」と冷静に分析。

やっぱり芸人自身は、自分たちの出来やほかの出場者がどれだけウケていたかなんて、実力があればあるほど自覚的なのだな、と思うし、それを度外視した結果が出かねないシステムは残酷だなあと思う。

『すべらない話』

今回は芸人のほか、「招待ゲスト」として三谷幸喜、R-指定、清塚信也が参加。彼らはトークの出番になったときだけスタジオに登場する趣向。

松本「ソニーのお笑いコンテスト」、小籔「渡部さん」、川島「美容院で松本と」、ジュニア「マネージャーのマリオ」、飯尾「牧場ロケ」、三谷「海水浴」、山内「お巡りさんのいない島」、大輔「すき焼き」、粗品「父ちゃんのボケ」、R-指定「韻」、兵藤「次女・ゆりのももみ」、川島「博多華丸の相談」、田中「歯の矯正」、松本「おぼん・こぼん師匠」、清塚「紅白歌合戦で演奏」、大輔「七味」、兵藤「お尻の病院」、山内「ゲスト福山雅治」、ジュニア「上方漫才コンテスト」、三谷「甲本雅裕」、川島「サックス」というラインナップ。

三谷、R-指定はいずれも聞いたことのある話だったけど、それこそがまさに「すべらない話」。何度聞いてもおもしろい。中でもMVSにもなった、三谷が伊藤俊人の臨終に立ち会ったときのことを話した「甲本雅裕」は、悲しさ、切なさの上に可笑しさが乗っていて、とてもおもしろかった。

同じように、粗品が父の死について語った「父ちゃんのボケ」もよかった。個人的には川島の「博多華丸の相談」に爆笑。

『ゴッドタン』

先日『アメトーーク!』にも出演した神宮寺しし丸に代わる、劇団ひとりの「舎弟」を探そうという「劇団ひとり新舎弟オーディション」。

そんな趣旨のため、ひとりに気に入られないといけないにもかかわらず、「言えるのは僕しかいない」とズバズバ批判する青色1号・上村がおもしろかった。「ひとりさんは腕はあるけど尊敬はされてない」「ライフスタイルがダサい」「ファッションも成金みたい」と。

ちなみに太田プロの養成所では、劇団ひとりのネタ『富良野支店』が教科書になっているそう。

今日観たい番組:「最高の目玉焼きを作りたいんじゃ!!」など

『アンタッチャブルのおバカワいい映像バトル』(フジ)に香取慎吾。

『シンパイ賞!!』(テレ朝)は錦鯉を特集。VTRゲストにザコシショウ。

『テレビ千鳥』(テレ朝)は「最高の目玉焼きを作りたいんじゃ!!」。

『有吉ぃぃeeeee!』(テレ東)は『ヒューマンフォールフラット』ゲストはフワちゃん。

『ガキの使い』(日テレ)は「恐怖のスーパークソ返しダービー」第2弾。

『おかべろ』(フジ)に深川麻衣、香里奈。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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