『逃げ恥SP』の“普通のアップデート”はまるで「うちで踊ろう」の2番だった(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2021年のテレビ鑑賞記録。


『「逃げるは恥だが役に立つ」ガンバレ人類!新春スペシャル!!』

結婚から出産までにまつわる諸問題を総ざらいするかのような話で、『あたらしいテレビ』(NHK/1月1日放送)でも語られていた「エンタメと社会性の両立」を見事に実現していた。その番組で佐久間宣行Pは星野源について「あそこまで人の痛みがわかると、生きるの大変だろうな」と言っていたけど、野木亜紀子もまたそういうタイプの人なのだろうと改めて思った。

「普通のアップデート」を注目されるお正月ドラマでやる意義は大きい。小ネタやパロディもふんだんに使い、登場人物それぞれもしっかり立て、連ドラから特番への理想的な形。そしてそれだけにとどまらず、原作では描かれていなかったというコロナ以後の世界も。『紅白歌合戦』で歌われた「うちで踊ろう(大晦日)」の2番の歌詞(「まだ動く まだ生きている」「生きて踊ろう 僕らずっと独りだと 諦め進もう」など)をドラマ化したかのようで、頭の中でずっとその歌が流れていた。

『さんタク』

爆笑問題とナインティナインがゲスト。太田の裁判と記者会見や、岡村に渡した祝儀袋の件などをイジりまくる中、レンジの「チン」の音に反応するさんま。それに対して「自分勝手なトーク展開しますよね、相変わらず」と田中。

Creepy Nutsがゲストのパートでは、R-指定がいつものようにお題をもらって「聖徳太子ラップ」を披露。これを聴いたさんまがすぐに「同じやり方だと思う。基礎をいっぱい詰めてんやろな。それはものすごいわかった」と感心していたのがとても興味深かった。最後は視聴者投票で曲を決め、「がんばりましょう」を木村拓哉が歌う。

前奏が流れる中、「じゃあ松永、いっぱい入れて。R-指定、間奏ラップね。で、(亀梨)和也と(河合)郁人も一緒に」と簡潔に指示する木村のカッコよさ。そしてそれに見事に応える面々もまたカッコいい。


『アメトーーーーーーーーーーク 年末5時間SP』

「さんまvs売れっ子若手芸人」に霜降り明星、EXIT、草薙に加え、ヒコロヒー、ぼる塾・あんり、そしてザ・マミィの酒井という座組。ここにヒコロヒーや酒井が入るというのが、とても意義深い。特に酒井のキャラは加地Pの番組と相性抜群だから、今年、大ブレイクの予感。今回もさんまの振りに対してテンパる姿が愛らしく可笑しみが爆発していたし、つづく「運動神経悪い芸人」にも出演していた。

今回はせいやと兼近が、うまくさんまを持ち上げつつ、果敢にイジっていた印象。せいやは「どんなにスベっても膝で助けてくれる」「膝の皿を代償に笑いを取る」とさんまの膝から崩れ落ちて笑う仕草やクセなどを完璧にモノマネ。「俺のモノマネ禁止」とさんまに言わせるほど。

せいやがさんまについて、「どんなに弱い話やスベったときでも、なんとか広げて必ずオチまで持っていってくれる。まわりの出演者も巻き込むので申し訳なく感じる」と語ると、さんま本人は「何かキーワードが出た場合、プロのお笑い芸人は(頭の)コンピューターで探るやんけ。最終的に『ナッシング、ナッシング』って脳が命令したら『ありません』や。それまでいろんな引き出し開けるやん」とさんま。

このあたりは、『さんタク』でR-指定を評した言葉にもつながる。さんま「誰かがチャンスを拾ってくれたらええってだけのことで、生放送のときは諦めるけど、録画の場合は諦めない。最終的に俺があるから」。

ほかにもキャラによって振り方を変える、絶妙な間と尺で単語の説明を加える、書いたものはウケないなど、さんまの哲学が垣間見られておもしろかった。今回の収録前には、前回出演のVTRを見て「予習」もしてきたさんま。そこで前回、草薙に殴られかかったことをネタにし、今回その流れを使えるようにしていたのもさすがだった。

ヒコロヒーはさんまの苦手なところを「ぶりっ子の女性が好きすぎるところ」と回答。「浅倉南みたいな女、この世にいないし。さんまさんが女の子にされてキュンとしたことを聞いてると、女芸人にテキトーにあしらわれてる出待ちのおじさんみたい」。このあたりの部分、もっと深く行ってほしかったが、ヒラリと「自分勝手なトーク展開」でかわすさんま。

あと、優しさがさりげなくて「やっってあげた感」がない兼近とは違い、粗品は「女芸人にモテたくてしょうがないってオーラで劇場を歩いてる」とぼる塾・あんりが評したのもおもしろかった。

「アメトーーク大賞」では「流行語部門」の3位と2位に「今年が大事芸人」から選出。宮下vs小宮での「だったら、イジってみろ!」(宮下)と、宮下vs草薙での「楽しそうだと思って、芸人になりました!」(草薙)がつづけてランクイン。あれは本当に名場面だった。

1位は「足つぼPK」での粗品vsアンガールズ田中より、田中の「オマエの鏡」発言。そして田中は「ビジュアル映像部門」でも巨大扇風機に立ち向かうシーンが1位に。「お笑い史上一番おもしろい」とフジモンが絶賛するように文句なしの受賞。

「僕はただ、あそこにいて、横を向いただけ」と振り返る田中は、「ビジュアル部門」2連覇で2冠という偉業。副賞として、3Dプリンターで作ったその場面のフィギュアが贈られることに。グッズとして売って欲しい! 

グランプリにはフット・後藤が。本人も「なんで?」と首を傾げる意外な選出。けれど「昨年から今年にかけ、数々の番組で不祥事芸人の尻拭いをしまくりました」と受賞理由が語られると納得。

今日観たい番組:『千鳥vsかまいたち』など

木村拓哉主演『教場II』(フジ)。

『東京フレンドパーク』(TBS)に高橋一生、北村一輝、柄本佑、桐谷健太、江口のりこ、菜々緒、玉森裕太、間宮祥太朗ら。

『マツコの知らない世界SP』(TBS)「ディズニーソング」「80年代アイドル衣装」。

『ブラタモリ×鶴瓶の家族に乾杯 新春SP』(NHK)にあいみょん、山中伸弥、吉沢亮ら。

『千鳥vsかまいたち』(日テレ)。

『ウッチャン式』(TBS)「オードリー春日+本田望結+神田愛花+丸山桂里奈が富士山飛行」「フワちゃん&東山紀之が大人デート」など。

『新しいカギ』(フジ)霜降り明星&チョコレートプラネット&ハナコの新コント番組。

『ロバート秋山の寝るトコどうする?』(テレ東)

『ヨーロッパ企画のYou宇宙be』(フジ)第2弾。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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