『ゴッドタン』「マジ歌選手権」ヒム子の志村けんリスペクトな歌詞が胸に響く(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。

『ゴッドタン』

「マジ歌選手権」トップバッターはいつものようにヒム子(日村勇紀)。「ヒム子のメッセージソング」というタイトルで「炎上炎上大炎上 頭悪すぎ大炎上♪」と歌い始め、郷ひろみ、板東英二、小林旭などの持ちネタを挟みながら「うんこ」だなんだと、頭の悪い歌詞がつづく。

けれど「誹謗中傷 魑魅魍魎 悩み多き俗世間 ちょっと考えあと適当 バカでいこう バカでいこうよ」という“メッセージ”や「最初はグー」「頭悪くて だ大丈夫だぁ」「大丈夫だぁ 大丈夫だぁ だっふんだ」といった志村けんリスペクトな歌詞が胸に響く。ひたすら明るく頭が悪くて下品でバカな曲だけど、同時になぜか泣けてくる。これをライブの終盤にやられたら号泣してしまいそう。

秋山は「L.A.COBRA」から「Healing COBRA」とバンド名を変え「Hey Teacher」と題した曲。「ある出会いがあった」「そんな私に光くれたのは 淡邦人先生」「THE・オメガストーンで世界が変わった」と完全にヤバい曲。「僕は今 新しいステージにいます」と秋山。そこに山本博登場。ツッコんでくれるのかと思ったら「光と風のバランスを考えていたらここにたどり着きました」「皆さんでオメガパワーを吸収しましょう」と“四国の山本”と化しているという危な過ぎるマジ歌。

ハライチ岩井は登場するなり「大阪とかそのへんの芸人ほど、ロケのことを上手い下手とか言うなって。大阪の人たちって一定の型でやってんだな」と毒を吐くが「ここまでが今までの俺です」と言い「ありがとうテレビマン」というタイトルの曲を歌うと言う。

嫌な予感しかない。最初は笑顔で「しゃ!しゃ!感謝!」と歌う岩井だが「最近よく出会うこんなテレビマン」「俺の目の前で澤部をイジる」「守る気ないのに俺をけしかける」「大御所に噛みつけ! 企画を壊せ! 壊さなくても面白れぇ企画考えるつもり無いのかな?」とやっぱり腐りを発動。「テレビ呼ばれ好きにやれと言われ 好きにやった風に見せるだけ 芸人は所詮使われる側♪」と「笑い風」につづき「好きにやった風」というフレーズを生み出す岩井。これに澤部が「やめろ!」と参加。が、「うるせー! 貰った台本読むだけの『ネタ受け取り師』がよ」「ただの操り人形」と岩井。

すると「このまま行ったらなっちゃうだろうな… 俺たちみたいに!!」と流れ星が登場。お互いの心情がよくわかると歌い「ハライチと流れ星似た者同士 飲みにでも行こうか♪」と呼びかけるとハライチ声を合わせて「ぜってー嫌だわ!!! 流れ星と俺らは全然違うから!」。

バカリズムは串田アキラ風に金髪に「アニソン焼け」姿。ヒーローソング「戦え! 渡辺徹」を歌うと、そのままエンディングテーマ「戦士の週末」へ。丁寧にED風の映像つき。スタッフロールに「協力 青三プロ」などと入っているのが細かくて最高。

「スポットライト」枠には「第1回のマジ歌のときは高校生」だったというハナコ。ただし菊田は「まだ観たことない」。「先輩 マジで怖い」と優しくなったと言われる先輩たちへの恐怖を歌う。「第7世代などいつでも消せると思ってる♪」「おそらく第7のブームがそろそろ終わるから 先輩マジで怖い その時先輩が笑いで殺しにくるから♪」と。秋山のラップパートが特によかった。「設楽さんはおそらく僕らを含め若手に興味ない」「秋山さんはクリエイターズ・ファイル以外何にも興味ない」「バカリズムさんは実は不良だと噂を聞いてうかつに近づけない」「澤部さんは世代的にリアルに僕らを認めてない」。

フットボールアワー後藤は「GO TO タイムトラベル」。「応仁の乱デブー」「東方見聞Rock」「コロンブスのたまごサンド」「小野小町とピストル 古今和歌Shooting 小野小町とマシンガン 新古今和歌Shooting」「島原の乱ナウェイ」「フレミングの法Shock」「氷河期iss 白亜紀iss」といった歌詞をドヤ顔で歌うダサさ。けれど「不覚にもカッコいいと思った」とDJ松永。設楽も「過去の中でも一番好きかも」というように、ダサさとカッコよさが同居している不思議なマジ歌だった。

阿佐ヶ谷姉妹はサポートメンバーにガチマネージャーの大竹を加え「頑張れ北口商店街」。Superfly風のパワフルなロックサウンドで「こっから商店街の逆襲が始まるぞ!」と歌い上げるマジ歌が無性に泣けた。

『富永一朗と鈴木義司が女子大生にモテたい一心で泥仕合を展開した時代…とマツコ』

今回、ネタに走り過ぎなきらいがあるVTRに困惑気味のマツコ。「業界人がモテへの執着が強かった」とVTRの意図をスタッフが説明すると「そう考えたら何かを追うんじゃなくて、“自分たちが時代を作ってる感”がテレビにはありましたもんね」と土田がフォロー。

これに「ちゃんとしてるよねえ。そういうところを含めて、この人ずっと好きなのよ」とマツコ。土田「俺のことをエロい目で見てるの、この世でマツコだけ(笑)」。

『岸辺露伴は動かない』

第2話。「くしゃがら」という禁止用語をめぐる物語。高橋一生と森山未來の演技合戦が見応え抜群。森山未來の人間離れした身体性がこんなかたちで活かされるとはッ!

それにしてもこの3番組が同じ時間帯で放送されていたというスゴさ。

『ハイパーハードボイルドグルメリポート』

そしてこの番組が「マジ歌」の数時間後に編成されるのもまたスゴい。白人至上主義組織「KKK」と黒人武装解放組織「新ブラックパンサー党」の飯をリポート。どちらかひとつだけでもスゴいのに、両方……。

「『黒人は大事にしないといけない』とメディアで言っていいが、白人は大事は言ってはいけない。白人には黒人のような自由がない」と差別してきた歴史がなかったかのように主張する「KKK」のメンバー。「黒人が犯罪を起こす割合は白人の2倍以上(人口あたり)」だという。

一方、「警官によって殺される黒人の割合は白人の2倍以上(人口あたり)」。現在でも依然として黒人差別がはびこる現状を訴える「新ブラックパンサー党」。どちらのメンバーも身内が殺されたことが組織に入った動機だという。本当に根深い。

人生をやり直すならコメディアンになりたいと言う新ブラックパンサー党の女性のひと言が重い。「やっぱり笑うことは大事」「笑いが絶えない世界がいいじゃん」。

今日観たい番組:『有吉の壁』3時間SPで「壁芸人グランプリ」など

『M-1グランプリ2020 アナザーストーリー』(テレ朝)。

『有吉の壁』(日テレ)3時間SPは「壁芸人グランプリ」。

『クイズ☆正解は一年後』(TBS)有吉弘行、おぎやはぎ、FUJIWARA、くっきー!、レイザーラモンRG、春日俊彰、塙宣之、ハライチ、霜降り明星、EXIT、フワちゃん、りんごちゃんら。

『アメトーーク!』(テレ朝)5時間SPは「さんまvs売れっ子若手芸人」「運動神経悪い芸人」「家電芸人」「アメトーーク大賞2020」。

『戦国炒飯TV』(MX)最終回SP。

『バナナサンド』(TBS)に瑛人、上白石萌音ら。

『お助け!コントット』(テレ朝)お悩み告白ゲストに長州力。

『お笑い陣取』(フジ)チャレンジャーはコロコロチキチキペッパーズ、三四郎、ジャングルポケット、パンサー。   

『岸辺露伴は動かない』(NHK)最終回。「D.N.A」。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。