ナイナイ、キンコン、霜降り「よしもとの凸凹スター」3組が集結した特番。西野「ええで~♪」に一同大ハマり(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


『ナイナイ・キンコン・シモフリのカコイチ恥ずい旅』

ナインティナイン、キングコング、霜降り明星という世代の違う「よしもとの凸凹スター」3組の旅ロケ番組。はしゃぐ梶原とせいやが今年お騒がせだったふたりだと紹介されると、「俺もカスッてんで」と岡村。梶原「いや、カスッてないです。一番」、西野「正直、一瞬消えかけましたよ(笑)」。

せいやが好きだった娘に告白した海遊館、梶原が上沼恵美子に連れて行ってもらった店、岡村が彼女に別れを告げられた上新庄駅などゆかりの地に向かう。そのロケバスの運転手は天津・木村。

『ナイナイANN』リスナーにはおなじみの、岡村の失恋エピソードだが、それを現地で聞くといっそうおもしろい。そのあと、「元カノとの話は奥さんはよく思わないんじゃないか」「電話で報告すべき」という流れから、岡村が奥さんに電話をすることに。だが、残念ながら留守電。「もしもし。僕ですけども……」としどろもどろになりながら切り、改めて電話をし、最後に追い込まれた岡村は「あの……好きです」とひと言。

霜降りが下積み時代、ネタ合わせした居酒屋「酔虎伝」では『M-1』が復活した2015年、結果が出ず「お笑いを辞めよう」と3時間くらい泣きつづけたことを回想。「まだできることがあるんじゃないか」と「最後にボケとツッコミを逆にしてやってみよう」と一度、せいやをツッコミに変えたそう。それを「命がけでスベった」と表現する粗品。そのネタを再現すると、ナイナイも「岡村矢部」時代のボケツッコミが逆だったコント「サッカー部」を披露。岡村「このネタ、阪神巨人師匠にめちゃくちゃハマってんで!」。

キングコングは梶原が失踪後、復帰する際、西野に謝罪しに行った部屋へ。上半身裸でギターをかき鳴らし「ええで~♪」と言ったという有名な「キザ」エピソードを再現。だが、乳首が異様に小さい西野の裸に一堂がハマり、そのあとことあるごとに「ええで~♪」を求められることに。

最後はキングコングが結成されたという丘に。お互いにコンビになりたかったが断られるのが嫌で1カ月くらい言い出せなかったというふたり。あるとき、一緒に夜景を見に行くと何気なしに西野が「こんだけの人を笑わせようと思ったら大変やな」と言うと、梶原「俺らやったらできるよ」と返したという。

それに照れ隠しで「どういうこと?」と西野はツッコんだというが、相思相愛がわかり、ハイタッチでコンビを結成したという。西野だけでなく「『両キザ』やん!」とツッコむ面々に、西野「みなさんコンビ組んだの、どうせ居酒屋とかでしょ? キングコングは丘の上ですよ」。

エンディングでは「2回目もしあったら、またギターやってくれるかな?」と振ると、西野が「ええで~♪」と返す。が、植え込みのようなところに足を踏み外し落ちてしまう、という今日イチのハプニング笑いを生むという最高のオチ。3組とも力が抜けた感じでとてもいい番組だった。

『岸辺露伴は動かない』

まさに信頼の小林靖子。完全に世界観を再現。抜群のタイミングで「だが断る」を入れたり、おそらく原作にはない、だが露伴がめちゃくちゃ言いそうな「僕が敬意を払うとしたら読者だけだ!」というセリフをサラッと書き加える。高橋一生を筆頭に飯豊まりえ、子役(とは思えない存在感)の柴崎楓雅まで全員が違和感丸出しのキャラを違和感なく演じ、「ッ!」みたいなセリフが聴こえるようッ!


『芸人報道』

MC陣は「もう原形ない」状態になったが、今回は加藤浩次が加わる。『M-1』前の収録でオズワルドが「改名したい」と登場。「パンダちゃん」「M-1チャンピオン」「不仲説」「オズワルド冤罪説」、伊藤沙莉提案の「ひげこんぶ」などの候補が出て、最終的に悪ノリで「優勝しなかったら『田代まさし』」に改名することに。

つづいて登場したのはニューヨーク。「売れてない芸人がテレビ出るチャンスって『特技』しかない。ちょっと売れ出すと、次『悩み』聞かれるんです。若手の特技と悩みを売れている殿様みたいな芸人が見て笑ってるんです。これが今のお笑いの縮図」と屋敷。「オズワルドなんてまさに殿様の前で改名、おもちゃにされてる。オズワルドは改名なんて1ミリもしたくないですからね。殿様が喜ぶから改名したいフリしてるだけ!」と。嶋佐「なんですか、『田代まさし』って。若手芸人なんだと思ってる!(笑)」。

さらに屋敷は「『芸人報道』がすべての縮図」だと「殿様番組」の構図を語る。メンバーがどんどん減っていったのなら、「そこに僕ら若手芸人を補充すべき」だと。「なんで外様の殿様を連れて来る?」。

あとフルーツポンチ村上のものまねというか一発ギャグ。「お題ゆうじ(織田裕二)」「イタリア長介(いかりや長介)」「織田信長渕剛(長渕剛)」「ハモリ(タモリ)」「煮ざかなくん(さかなクン)」「パワハラ俊彦(田原俊彦)」「NIKKO(IKKO)」「大工川崎大工(バイク川崎バイク)」とまとめて矢継ぎ早に観ると無性に可笑しい。

なお、もう中学生は車の免許の適性試験で「凶暴」と判定され落ちたとか、若井おさむがキックボクシングのトレーナーをやっているとか、天津・木村がヒロミの運転手になったとかプチ情報もおもしろい。

今日観たい番組:『セブンルール』にフワちゃんが登場

『ただ今、コント中。』(フジ)、第2弾。ゲストに浜辺美波、松本穂香、ジェシー、なにわ男子ら。

『林修の今でしょ!講座 2時間SP』(テレ朝)。爆笑問題・田中が「筒美京平のスゴい名曲BEST20」を選出。

『ゴッドタン 芸人マジ歌選手権』(テレ東)。劇団ひとり、日村勇紀、角田晃広、秋山竜次、後藤輝基、バカリズム、岩井勇気、阿佐ヶ谷姉妹、ハナコ。

『岸辺露伴は動かない』(NHK)、第2夜「くしゃがら」。

脚本・宮藤官九郎、出演・イッセー尾形『ワタシたちはガイジンじゃない!』(BS1)。

『富永一朗と鈴木義司が女子大生にモテたい一心で泥仕合を展開した時代…とマツコ』(日テレ)、日本のモテ現代史。

『戦国炒飯TV』(MX)、最終回直前SP。

『セブンルール』(フジ)はフワちゃん。

『THE芸人プリズン』(日テレ)、第2夜。

『東京 BABY BOYS 9』(テレ朝)、第4弾。ゲストに東京03飯塚、GAG宮戸ら。

『ハイパーハードボイルド グルメリポート』(テレ東)、アメリカ「人種対立飯」。



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2020年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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