千鳥・大悟が語る志村けん「僕は友だちでした」「お笑いの教科書の1ページ目に触れた」(てれびのスキマ)


昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2020年のテレビ鑑賞記録。


昨日観た番組:追悼で“レギュラー新番組”『志村友達』

『マツコの知らない世界』、「今、若者に大人気!昭和ポップスの世界」。平成生まれで現在28歳と27歳の若者がプレゼンする昭和歌謡。けど、明らかにマツコのほうが詳しい感じ。「阿木耀子と湯川れい子はウーマンリブよ」と言うマツコ。「これはもう芽生えのひとつよ、『魅せられて』の歌詞は。女は強いんだ、女は自由に生きていいんだっていうのはね、阿木さんの歌詞は、百恵ちゃんの歌詞もそうだし、明菜ちゃんの『DESIRE』もそうだけど、これはもう芽生えです、私にとって」。
ジュディ・オングがサプライズで登場して歌唱し、「好きな男の腕の中でも ちがう男の夢を見る」(『魅せられて』)の部分をどう歌えばいいか悩んだという秘話を明かす。阿木の答えは「そんなもんシャーシャーと歌えばいいのよ」。

『志村友達』、志村けん亡きあと、いわゆる「志村枠」にまさかの新番組。追悼番組はあるけど、追悼レギュラー新番組というのは聞いたことない。「志村枠」での総コント数は5170。それらをアンタッチャブル柴田や千鳥・大悟とゲスト(この日は上島竜兵と肥後克広)が一緒に見て語り合うという趣向。「ラーメン屋の箸」だけで何個ものコントがつづいていくことに大悟「普通3個くらいですもんね」と感嘆。

大悟が志村けんについて語った中で僕が特に好きなのは、2019年に『テレビ千鳥』で語られた、ちょうどこの「志村枠」の番組でのコントについてのエピソード。

あるとき、ミニスカートの女性のパンツを志村と大悟がかがんで必死に覗こうとするコントをしたという。オチは鼻血を流すふたりの顔のアップ。大悟はそこで目一杯スケベそうな顔をした。だが、志村は「スンとした」まじめな表情。

「(正解は)こっちだった。本当のスケべは自分が鼻血を流したことなんて気づいてないわけ。芝居としては真剣にパンティーを見たい顔をしてないといけない。『勉強になる!』」と。「結局、わしらって、バリバリ中学生のときにダウンタウンさん見てるから、お笑いの教科書でいうと10ページ目から始めちゃってんのよ。実は20年、お笑いの1ページ目を誰もやらずに育ってきたわけ。で、わしは芸人20年やって、その1ページ目に触れるときが来たわけよ」。

お笑いの教科書1ページ目の奥深さと大切さ。それを「ラーメン屋の箸」のコントにも感じた。

『志村友達』では冒頭に、柴田がゲストの上島、肥後も含めて「(大先輩の志村に対して)友だちと言っていいんですかね?」と言った際、大悟がさらっと「僕は友だちでしたけどね」と言ったのにグッときた。

『ギャルと恐竜』にハリウッドザコシショウが出たという情報を得て番組の事前の知識なく視聴。アニメが始まって「え?」「声優として参加?」と思っていると後半、実写になってびっくり。そこでガッツリと「タイガーステップ(佐山サトル)」から「眠たくなっちゃった~(福山雅治)」まで誇張モノマネをたっぷり。さらにザコシのYouTubeではおなじみだけど、テレビでは(たぶん)やったことのない「サブリミナル」まで!
これまで実写パートではどういうことをやっているんだろうと1週前の回を観てみたら恐竜がさりげなく「タイガーステップ」をやっていた。結局、どんな番組かはよくわからずじまい。

今日観たい番組:『水曜日』は屈指の名作再放送

『NHKスペシャル』「未解決事件 File.08 JFK暗殺」前編。

『やりすぎ都市伝説』(テレ東)3時間半スペシャル。

『水曜日のダウンタウン』(TBS)は屈指の名作「新元号を当てるまで脱出できない生活」の再放送。普通の再放送なのか、この番組らしく何かしらの仕掛けがあるのか。

【毎日更新】きのうのテレビ(てれびのスキマ)
4月28日 神田伯山が語った「歌なんて誰も詠まない」時代の戦い方
4月27日 水野美紀のハンパない振り幅
4月26日 鬼越トマホーク「この番組はさんまさんが死ぬまでの思い出作り」
4月25日 有吉vsアンジャッシュ渡部の抗争「ヒューマンステージの乱」


この記事が掲載されているカテゴリ

てれびのスキマ

Written by

てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

CONTRIBUTOR

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森田美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。