CDは役割を終えてしまったのか?ミュージシャンが振り返る「コンパクトディスク」の現在(小宮山雄飛)

2022.7.28


CDという音楽メディアの本質とは

というわけで、初めて聴いたCDは覚えてないのですが、初めて買ったCDは覚えてます。

米米クラブの『SINGLES』というベスト・アルバムです。1987年発売なので、CDが世に出てから5年で、やっと我が家にもCDプレイヤーがやってきたということです。初めて自分で買ったCDを聴いて、音がいいという印象は正直そこまでありませんでした。

米米クラブ『SINGLES』
米米クラブ『SINGLES』

考えてみてください、アルバムを聴いて
「カールスモーキー石井の歌がめちゃクリアに聴こえる!」
とか
「ジェームス小野田の声の低音がしっかり出てる!」
なんて思いませんよね。

こっちは、単にアーティストが好きで買っているのです。
「いいメロディだな」
とか
「グっとくる歌詞だな」
とは思いますが
「CDだから音質がいいな」
なんて思いませんよね。

これ、当たり前のことのようですが、実はCDというものの本質を言い得ている気もします。我々はCDという媒体が欲しくて買っていたわけではないんです。好きなアーティストが出したのが、たまたまそのときCDだったから、CDで買っただけなんです。CDそのものに思い入れがあったわけではないんです。

レコードにはレコードマニアという人たちがいますが、CDにはCDマニアというコアなファンはほとんどいないのです。ただただ大衆に再生され、いずれはブックオフに売られたりする、そういう寂しい存在なのです。

でも、そこにCDのよさがある気がするんです。

CDというのはデジタルな性格で、0か1かで物事を割り切るドライなやつのようですが、実は「僕は単なるメディアで、大切なのは中身の音楽なんですよ」という謙虚さを持ったやつなのです。

そこへいくと、レコードのほうがなんか、がたいも大きいし、黒くて溝もあって、レアものには高い値段がついたりして、意外と偉そうですよね。

CDなんてコンパクトディスクの略ですからね、そもそも自分なんてちっぽけな存在だと言っているのです。

すべては音楽のために、その身を捧げ、回されつづけ、レーザー光線という人間ならあんまり浴びたくない光線を浴びつづけ、時には勘違いからトンカチでぶっ叩かれ、それでも世界中に音楽を届けてくれたCD。

やっぱり僕ら世代にとっては、CDって最高の存在なんです。

■ホフディラン、『フジロック’22』出演決定!
『FUJI ROCK FESTIVAL ’22』Gypsy Avalonステージ
日時:2022年7月31日(日)19:50~
URL:https://www.fujirockfestival.com/artist/#avalon

ホフディラン
ホフディラン(左から:ワタナベイビー、小宮山雄飛)

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    価格:3,000円(税込)
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    ※初回生産限定盤 タワーレコード購入者特典:非売品音源CD(全曲インストゥルメンタル音源5曲A)
    ※通常盤 タワーレコード購入者特典:非売品音源CD(全曲インストゥルメンタル音源5曲B)
    <CD収録楽曲 ※曲順未定>
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小宮山雄飛

Written by

小宮山雄飛

(こみやま・ゆうひ)1973年、東京・原宿生まれ。1996年、ホフディランのVo&Keyとしてデビュー。音楽活動以外にもラジオ・テレビ・雑誌など活躍の場を広げ、今最も多くレギュラー・連載を持っているミュージシャンであり、カルチャー・流行面で同世代へ大きな影響力を持つひとりである。また、食通と..