「生理の貧困」から考える。“生理用品は生活必需品ではない”という判断は、馬鹿げている(僕のマリ)

2021.8.16

文=僕のマリ 編集=佐々木 笑


近頃、「生理の貧困」というワードをよく目にする。ピンとこない人も多いかもしれない。生理の貧困とは、生理用品が買えずに困窮している女性たちの状況を指す。

「たかだか数百円で」と思うかもしれないが、コロナ禍で仕事が激減し、収入が少なくなっている人には痛手である。それに、生理用品といっても生理用ナプキンだけではない。生理用ショーツ、タンポン、痛み止めの薬。人によって「多い・少ない」「長い・短い」などの症状も異なるだけに、使う金額もさまざまだ。

さらに言えば、生理の症状が重たい人は婦人科でピルを処方してもらったりもする。低用量ピルは避妊目的で使われていると思われがちだが、生理が重い人が服用して諸症状を軽くするのにも用いられる。筆者もそのひとりだ。生理痛がひどく、2日目には立っていられないほどの激痛に悩まされていたとき、医者からピルを薦められた。費用は保険適用で1シート1000円ほど。それを三カ月ごとに処方してもらって、生理不順や生理痛から解放された。

当たり前だが、生理用品を買うのすら難しい人には厳しい費用である。

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生理痛
※写真はイメージです

ネグレクトによる悲惨な現状もある

また、経済的な理由でなく、親のネグレクトが原因で買ってもらえない子供もいる。

初潮が来てもナプキンを買い与えられず、着なくなった古い服をあてがってナプキン代わりにしたり、キッチンペーパーやトイレットペーパーでしのいでいるというのだ。また、量が多い日には学校を休み、浴室で経血を垂れ流しているという悲惨な状況も聞いた。

少し余談になるが、わたしも「思春期の娘に対するネグレクト」を目撃したことがある。女性用下着の会社に勤めていたとき、中学生くらいの女の子のバストを測った。すでにDカップあったので、ブラジャーの着用を薦めると、母親から「この子にはまだ早いから要りません」と一蹴されたのだ。今思えば、あれは立派なネグレクトだった。必要なときに必要なものを買ってもらえない子供がいる、そんな現状が確かにあった。

人によるが、昼用ナプキンは1日に数回は取り替える。もちろん、量が多い人はもっと頻繁に替えているだろう。経血が漏れないように、寝るときは夜用の分厚くて長いものを使う。プラスでタンポンを使うこともある。これが理想であり平均だと思う。

しかし、生理の貧困で悩まされている人は気軽にナプキンを買えないし、替えられない。ぱんぱんに吸収するまで使ったり、昼間を夜用の1枚でしのぐ人もいる。とにかく不便だし、衛生的にもよいとは言えないだろう。調べれば調べるほど、悲惨な状況を目の当たりにする。学生ならば保健室でナプキンをもらうこともできるが、あくまで「忘れた・急に生理が来た」人のためなので、もらえる枚数は限られている。

「生理用品は生活必需品でない」という、理解できない国の判断

わたしが一番不満に思っているのは、生理用品に軽減税率が適用されないことだ。消費税の増税に伴い、生活必需品は8%の税率になることが決まったが、生理用品は適用されないという。まったくもって馬鹿げた話である。

生理用品は生活必需品であり、ナプキンがなければわたしたちは経血を垂れ流すことになる。経血で電車の座席やベンチを汚してもいいのなら話は別だが、なぜ生理用品が「生活必需品でない」という判断に至ったのだろうか。甚だ理解できない。

いま現在も、軽減税率を求める署名活動がつづけられている。2021年7月時点で、およそ75000人が署名に賛同している。生理は女性の生涯につき約40年の付き合いだ。一刻も早く見直してほしいものだ。

しかし今、生理の貧困に世の中が目を向け始めている。生活が困窮している人に対し、ナプキンを無償で配布する自治体が増えてきた。2021年5月の時点で、少なくとも255にのぼる自治体が支援に取り組んでいる。ナプキンを役所で配布したり、小中学校や高校のトイレの個室に設置した。防災備蓄品として確保していたものを配布したケースが多く、素早く対応することができた。

このまま「生理の貧困」がもっと認知され、ナプキンの無償配布をする自治体が増えてほしい。学校のトイレにも常備してあれば、さらに理想だろう。そして、生理で悲しい思いをする女性がひとりでも減ってほしいと願っている。


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