「自分がプレイしておもしろいゲーム」と「バラエティ番組としておもしろくなるゲーム」の違いはなんなのか

2021.5.21

ストⅡにも弱点がある

話を『ストII』に戻します。さんざん、地上波バラエティ的には太鼓判を押した『ストII』ですが、エドモンド本田にとってのジャンプ力のように弱点もあります。それは、コマンド入力をしないと必殺技が出ないなど、未経験者が気軽に参加できないこと。

バラエティ番組のゲーム的なコーナー企画は、番宣などで旬な女優さんが来たときにでも、レギュラーメンバーと同じ土俵で楽しめるコンテンツが(個人的には)理想です。

かつて、TBSのお化け番組『8時だョ!全員集合』の中で、いろんなジャンルのスターが一堂に介し、生バンドに乗せて早口言葉に挑戦するというコーナーがありました(少年少女合唱隊・ドリフの早口言葉)。

キャリアに差があっても音楽が鳴った瞬間、みんなが平等。早口言葉なので誰でも参加できて、誰もが成功したらカッコいい。失敗しても「いつも凛としているミュージシャンが舌をぺろっと出す」など、かわいい一面・意外な素顔が垣間見られる。どう転んでもオイシイ。そして何より、みんなが楽しそう! いまだ放送作家として発展途上にいる私にとって、超理想的なコーナー企画です。

そういう意味では『マリオパーティー』シリーズのミニゲームは誰でも参加できて、前知識なく盛り上がれるソフトのひとつです。実際に、地上波バラエティで何度もお世話になりました。手頃な対戦ゲームをお探しの業界関係者のみなさま、『マリパ』オススメです。

去年から今年にかけて、コロナ禍による巣ごもり需要で「ゲーム機がバンバン売れている」とニュースで報じられました。しかし、肌感ではありますが、まだまだテレビゲームは地上波で視聴率が取れるコンテンツとは言い難い。ゲームに関心がない人は想像以上に多いな、というのがゲーム好きな私の印象です。

ただ私は「自称・ゲーム作家」としてテレビゲームを通じて、視聴者のみなさんに少しでも楽しんでもらうコンテンツを作ることを勝手に使命と感じ、今後もさまざまなシーンでゲームを題材にした企画を提案していく所存です。

そうそう。横山裕さんのストリートファイター企画第2弾。新たな刺客を迎えて今月末に新作を放送予定です。ゲーム対決以外にも見どころ満載なので、ぜひとも観客の一員としてお楽しみいただければ幸いです。

ではみなさま、またお会いしましょう!

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