「おじさんがゲームで失敗する動画」は、なぜおもしろいのか

2020.10.21

文=かんそう 編集=鈴木 梢


「ゲーム配信」は、エンタメにおいて今や一大ジャンルと言っても過言じゃない。ニコ生主やYouTuberといった動画配信者だけでなくお笑い芸人や俳優、アイドル、モデルといった芸能人もそれぞれが自身のチャンネルで好きなゲームを自由に配信しており、群雄割拠の盛り上がりを見せている。

その中でも今回注目したいのが、「ゲーム下手おじさん」。超絶技巧や、ハイレベルな対戦など、スーパープレイでもって視聴者を魅了しているゲーム実況者とはある意味「対極」の位置にいる「ただただおじさんがゲームで失敗する動画」がなぜこれほどまでにおもしろいのか。その魅力を紹介したい。

狩野英孝の純粋さ

おじさんがゲームプレイをする魅力はなんといっても「そのゲームを知らなくても一緒に楽しめる」ことにあると思う。プレイヤーであるおじさん自体がそのゲームに詳しくないので、視聴者は一緒に学んでいくことができる。

そういった「ゲーム下手おじさん」の源流を辿ると、2003年より放送されている『ゲームセンターCX』の存在がやはり大きい。よゐこ有野晋哉が自由にトークをしながらひたすらレトロゲームのクリアを目指していくだけの番組は、ゲーム実況において多大な影響を及ぼした。なんといってもその特徴は「根性」。けっしてゲームが得意とはいえない有野晋哉が老眼鏡を装着し、おでこに冷えピタを貼り、膨大な時間をかけヘロヘロになりながらも少しずつ成長していき、さまざまな難所をクリアしていく地道さと、その努力の先に起こる実力以上のミラクルプレイは感動を呼ぶ。

YouTubeで、ゲーム配信おじさんとして今一番成功しているのが狩野英孝。『Dead by Daylight(デッドバイデイライト)』という鬼ごっこゲームの配信中に突如コントローラーがバグり、武器を振ってしまい、

「勝手に斧振らないで! 勝手に斧振らないで!」

と連呼する様子がツイッターのトレンドに入るほどの盛り上がりを見せた(しかも斧ではなくハンマー)。

狩野英孝の魅力はその人柄。素のリアクションが楽しめるアクションゲームもかなりおもしろいのだが、個人的に一番好きなジャンルが「アドベンチャー」。良くも悪くも純粋過ぎる性格ゆえにストーリーへの没入感がすさまじい。

選択した分岐点によって幾通りにもストーリーが変化していく『Detroit: Become Human(デトロイトビカムヒューマン)』では、自分自身が主人公になりきり、キャラクターが目を閉じるシーンで一緒になって目を閉じ、選択肢が出ているのにもかかわらず1分以上も画面を放置しているのを観た瞬間、狩野英孝のことが大好きになってしまった。

モト冬樹の神技


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