「○○ヲタである」がアイデンティティ

映画『あの頃。』では、主人公が握手会に行くシーンがあるが、そこにはネルシャツをズボンにインしてリュックを背負い、頭にはハチマキをした男性の行列があった。
皆さんが「ヲタ」と聞いて思い浮かべるのも、こんな感じかもしれない。 2000年前半に映画、ドラマで話題になった『電車男』(2005年)やAKB48など、ヲタクが注目を集めたが、そのときに描かれたヲタはニッチで閉ざされたコミュニティであり、どちらかというとネガティブなイメージを持たれていたと思う。

しかしヲタ活が当たり前になっている今、ヲタの定義は浅く広くマス化している(そして何よりおしゃれ)。若者からは「自己紹介をするときには必ず推しの話をする」「自分からヲタクを取ったら何も残らない」という声も聞かれており、ヲタ活は彼らにとってアイデンティティであり、オープンでポジティブなものであることがわかる。
現に彼らは、自分たちのヲタ活をSNSで共有したり、SNSでヲタ友を作ったり、友達に推しを布教するなど、積極的に推しを軸にコミュニケーションを取っている。
これには、彼らの生い立ちとアイドルカルチャーブームが並走していることが影響していると考えられる。今の高校生・大学生くらいの若者のヲタ活ヒストリーを聞いていくと、ヲタ活の始まりはミニモニ。やAKB48と答える子が多い(今の大学生・高校生はモーニング娘。の7枚目シングル『LOVEマシーン』発売後生まれ)。
彼らは幼いころからアイドルを応援するカルチャーに触れており、小学生のころから友達と推しの話題でコミュニケーションを取っていたのだから、“推しがいる生活”を送る基盤があるのは自然なことだし、だからこそ隠す必要のないことなのかもしれない。
関連記事
-
-
九条ジョー舞台『SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記「猛暑日のウルトラライトダウン」【前編】
『「SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE」~ハイヒールとつけまつげ~』:PR -
九条ジョー舞台『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE』稽古場日記「小さい傘の喩えがなくなるまで」【後編】
『「SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE」 ~ハイヒールとつけまつげ~』:PR -
「“瞳の中のセンター”でありたい」SKE48西井美桜が明かす“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】
「SKE48の大富豪はおわらない!」:PR -
「悔しい気持ちはガソリン」「特徴的すぎるからこそ、個性」SKE48熊崎晴香&坂本真凛が語る“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】
「SKE48の大富豪はおわらない!」:PR -
「優しい姫」と「童顔だけど中身は大人」のふたり。SKE48野村実代&原 優寧の“私の切り札”【『SKE48の大富豪はおわらない!』特別企画】
「SKE48の大富豪はおわらない!」:PR