命より重い仕事なんてない 「仕事に殺される」前に考えてほしいこと (中川淳一郎)

2020.10.20


仕事人として自信を取り戻すために

そんなとき、自信をいかにして復活させるべきかといえば、会社を辞め、自らの力でひとつ仕事を取ることである。これまでやってきた仕事と関係したものを、フリーランスとしてやってしまうのだ。たとえ10万円の仕事であったとしても、自分の力だけで営業をし、仕事を取り、納品したところでとたんに自信が漲ってくる。

これは不思議な感覚なのだが、それまでは「会社の看板に頼っていた無能なオレ」という感覚を持っていた人物が、とたんに「オレは一国一城の主だ!」といった気持ちになり、仕事が仕事を呼ぶ状態になっていくのだ。

そして、独立した場合のよい点は、人間関係を好きに選べるところにある。これまで心身の不調につながっていたイヤな上司や同僚とおさらばすることにより、絶好調になる。

『縁の切り方』中川淳一郎/小学館
著者は本書でも仕事での人間関係について持論を展開している

これは極端な解決方法だが、ある程度自信がついた場合、転職活動をするのもよいだろう。というのも、フリーランスというものは、コロナでも明らかになったが、真っ先に仕事が吹っ飛んでしまう働き方なのである。そうなったらまた死にたくなってしまう。

環境を変えることが解決につながる場合もある

だが、たとえば3カ月間だけでも、自らの力で100~200万円を売ったような経験があれば、面接でも堂々としゃべることができ、新しい職場で心身共に健康な生活を送れるようになるかもしれない。

ただし、またその職場に殺されそうになったら冒頭で述べたように「オレが死んだら世界は終わる。世界を終わらせないためにもオレは生きる」とばかりにまた会社を辞めてしまってもいい。

繰り返しになるが、死んでまで遂行すべき仕事なんてものはない。自分が生きていくための「仕事」に殺される前に、その環境から離れられるよう見極めるのも、今となっては必要なスキルではないだろうか。


中川淳一郎の「クイックジャーナル」は毎月1回の更新予定です。


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中川淳一郎

(なかがわ・じゅんいちろう)ネットニュース編集者。1973年東京都出身。1997年博報堂入社、CC局(現PR戦略局)配属。2001年退社。以後無職、ライター、雑誌編集者などを経て現在はウェブメディア中心の編集者に。ひたすらネット上の珍騒動や事件を毎日テキストファイルに記録する生活を長年つづけている。

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