ドライブなしのPS5やXbox、クラウドゲーミングの興隆……ゲーム業界に漂う「次の時代」の雰囲気(さやわか)

2020.9.29

GoogleにAmazon、マイクロソフトが「クラウドゲーミング」に参入

それにしても、音楽や映像の世界でも、今やサブスクが全盛なわけじゃないですか。SpotifyとかNetflixとか。ゲームの世界も今後、そうなるのはもう、確定でしょうね。

けど、よく考えたら、今のゲームのサブスクって、まだ、音楽や映像の分野で流行しているような形態まで、追いついていないんですよ。

というのも、SpotifyとかNetflixって、基本はストリーミング再生するわけじゃないですか。ダウンロードは、できない場合も多い。

だけど、さっき触れたソニーやマイクロソフトがやってるゲームのサブスクは逆で、基本はダウンロードなんですよね。そこがまだ、SpotifyとかNetflixとは違う。

「いや、ゲームのストリーミングとか無理じゃないの?」と思う人もいるかもしれない。けど、これは実は、ものすごく昔から試行錯誤がつづけられているジャンルではあるのです。「クラウドゲーミング」って呼ばれてるやつです。

昨年は、Googleまでもがクラウドゲーミング『Google Stadia』を開始して、すごく話題になりました。

しかしまあ、それが主流になっていないことからもわかるように、クラウドゲーミングは、あまり成功しているとは言いがたい。Google Stadiaも、ゲームを遊ぶのにじゅうぶんなネット速度が維持できなくて、ほとんど回線遅延をお楽しみいただくサービスみたいになっている。

なので、ゲームのサブスクがSpotifyとかNetflixに追いつくのはまだまだ先のことかもね……とか思っていたら、なんと、今度はAmazonが、突如として月額600円のクラウドゲーミングサービス『Luna』を開始するとか発表しました。

前述したマイクロソフトも負けてはいなくて、すでに『Project xCloud』というスマホ向けクラウドゲーミングサービスを開始したみたいです。あと、ソニーもプレステ旧型機のタイトルを大量にラインナップした同様のサービスを整備するという噂があります。

そんなわけでゲームの世界も、次の5年、10年は、SpotifyやNetflixみたいなクラウドゲーミングこそをトレンドにしていくつもりなのかもしれません。

「いやあ、そんなの、まだ先のことでしょ。今まで、できなかったんだし、実際無理でしょ」と思う人もいるかもしれませんね。

けど、ソニーやマイクロソフトの新型機だってあっという間に発売日が決まりましたから、実はそういう時代は、もうすぐに迫っているのかもしれませんよ。

あっ、でも、ちなみに、実はこれらのクラウドゲーミングって、完全に海外で先行して進められているサービスなんですよ。Google StadiaもLunaも今のところ日本では遊べないっぽいですし、Project xCloudも、日本でのサービス開始は来年だそうです。

そもそも新型ゲーム機ですら、今ではほかの国で先に発売されて、日本での発売は数カ月以上経ってから、みたいなことが当たり前になりました。

ということで、今のゲーム業界のトレンドって話でいえば、日本がすっかり世界をリードしている雰囲気じゃなくなってしまった、ということも言えるのかもしれません。

みたいな話でまとめると、任天堂は売れてるんだから日本もすごいじゃないかとか、そういう話をしないと怒る人がいるかもしれないんで面倒なんすけど、最近のゲーム業界のトレンドにおいてって話ですよ。任天堂が偉いのはわかってますよ。みんながんばれ。ガンガンいこうぜ。

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