「がんばってるんだから文句を言うな」『コンテイジョン』『感染列島』の比較で見えた日本体質の呪い

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米光一成ジャーナル

文=米光一成 編集=アライユキコ


がんばるのはいい。だが、がんばればなんだっていいのか。新型コロナ感染拡大を受けて話題になったパンデミック映画2本、『感染列島』(09/日本)『コンテイジョン』(11/米)をゲーム作家米光一成が観比べて突きつけられた「がんばる」の正体。

がんばる前に考えろ

「がんばってるんだから」は勘弁してほしい。
「がんばってるんだから認めろ」「がんばってるんだから文句を言うな」「がんばってるんだからお前もがんばれ(一致団結せよ!)」あうう。
がんばるのもいい。でも、がんばったからってオールオッケーになるわけじゃない。
がんばる前に考えろ。ひたむきに我を張るな。
そう言わずにはいられない。

脅威はミサイルではなく微生物

『感染列島』は、未知のウイルスにアタックされる日本を描いた映画である。
公開は、2009年1月17日。
コロナウイルスの現状を予見的に描いたと世界的に話題になっている『コンテイジョン』の公開が2011年9月9日だから、それよりも2年以上前だ。
この2作品、けっこう似ている。
シミュレーション的な発想で作られているために、描かれる状況がシンクロしているのだ。
「未知のウイルスが拡がったらどうなるか」という切り口で調査し、そこで得た知見を集約して物語を作り出したことによって、今コロナウイルスに脅かされている世界の現状をズバリ描いてしまった。
今この状況は、「想定外」ではなく、じゅうぶん予測し得たのだ。
ビル・ゲイツは、5年以上も前から、人類の脅威は「ミサイルではなく微生物」、つまり戦争ではなくパンデミックだと予見し、そのための準備を今すぐすべきだと主張している

『TED2015』

『感染列島』と『コンテイジョン』を比較

『感染列島』と『コンテイジョン』、日米の感染パニック映画を観比べてみた。

どちらも、未知の感染症が蔓延していくなか、それに立ち向かう人類を描いている。
感染拡大スピード、致死率共に高く、次々と人が死んでいく。
感染が拡がり、買い占めや都市封鎖が起こる。パニックになり、街に人がいなくなる。
デマのせいで、悲劇的な状況が発生する。
ワクチンが見つかり、医療従事者による献身的な行動で世界が救われるという後半の展開も同じだ。
状況や展開が同じなだけに、細部の違いが気になってくる。

眠れという上司と眠るなという上司


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