“悔しさ”を跳ね返し成長するアンジュルム「コメント欄もほとんど見ます」

2023.1.12
アンジュルムの、落ち込んだときどうしてる?

文=羽佐田瑶子 撮影=澤田詩園


メンバーそれぞれがまったく違った魅力を発揮し、常ににぎやかなエネルギーを放つハロプロの個性派集団・アンジュルム。1月2日(月・祝)からは「Hello! Project 2023 Winter 〜TWO OF US〜」がスタート。春にはツアーも予定されており、2023年もアンジュルムにとって大忙しの一年になりそうだ。

今回は31stシングルの「悔しいわ」のタイトルにちなみ、活動のなかで感じる悔しさや悩みをどう跳ね返しているのかインタビュー。個性派集団ならではの悩みとは?

※この記事は『クイック・ジャパン』vol.163(2022年10月27日(木)から順次発売)掲載のインタビュー記事を転載したものです。

先が想像できないほうが楽しい

アンジュルムの、落ち込んだときどうしてる?
(左から)川名凛、川村文乃、平山遊季

アンジュルム
2009年結成。2014年にスマイレージからアンジュルムに改名。川村、川名、平山が出演する『趣味どきっ!』(NHK)は毎週火曜12時15分から放送中

──にぎやかで十人十色なメンバーが揃うことから「動物園」ともたとえられるアンジュルムですが、メンバーと自分を比べて悩んでしまうことはありませんか?

平山 私は昨年の12月に加入したのですが、いまだに「私といえば」という個性を見つけられず悩んでいます……。

川名 私もしばらく悩んでいたんですけど、最近答えが見えてきました。私の場合は、無理にキャラクターを作ろうとすると、空回りしてしまいそう。なので、素の部分を大事に、本心で話すことがいつか個性に結びつく気がしています。

川村 憧れている先輩の真似をするのは近道ですが、もとが違うからまったく同じにはなれない。誰しも自分にしかない魅力があるから、もともと持っているものを大事にしていれば自然と個性が現れてくるはずです。あまり気にしなくていいのかなって思います。

川名 同期の為永幸音ちゃんは私から見たら個性爆発しているんですが、この間「自分を出せているか不安」と言っていて。他人から見れば充分だけれど、本人は悩んでしまうものだと気づいて、個性を考え過ぎなくなりました。

──川村さんは昨年日本人女性で初めて1級マグロ解体師の資格を取得されました。グループ活動以外にも挑戦を試みたのは、なにか悔しさや歯痒い思いがあったのでしょうか?

川村 私は加入して2年でサブリーダーになったんですが、当時は自分のことで精一杯でなにもグループに貢献できなくて……正直「私なんか相応しくない」と思っていました。数年経って、やっと自分の力が追いついてきたときに、グループのために“私だからこそできること”を見つけたいと思っていろいろ挑戦したんです。そこで、コロナ禍で勉強の時間も取れたので幼いころから興味のあったマグロ解体師を目指そうと思いました。

──マグロ解体師以外の候補はあったんですか?

川村 ありました。私はアンジュルムの広報大使的な役割を担っているのでPRの資格を取得するのもいいなと思って、役立ちそうですし(笑)。だけど天秤にかけてみて、先が想像できないほうが楽しいんじゃないかと思って、マグロ解体師を選びました。楽しさはどんなときも大事です。

「自分のできないことを自覚する」が一番大事

──加入当初からは想像つかない、意外な面白さが開花するのもアンジュルムの魅力。まさに川名さんはキャラが立ってきていますが、どう自分を開花させたんですか?

川名 私自身明るくて元気なタイプではないので、最初はグループのノリについていけるか不安でした。だけど、加入してわかったのは、それはグループの一面だということ。一人ひとりさまざまな魅力があって、静動の感じもバラバラなんです。グループとして個々の魅力が合わさったときに、すごく明るいエネルギーが生まれていると気づきました。だから、私が好きなものを好きでいい。そのままの私でも、メンバーといると自然とパワーが開花するんです。

川村 ケロ(川名の愛称)はそういう心境の変化もあってか、成長のスピードがすごいんです。特に歌とダンスの成長が著しくて、できていないことを見つけて、修正して、できるようにする道筋が的確だなと感じます。

──それは、独自の練習法があるんですか?

川名 特別なことはしていなくて「自分のできないことを自覚する」が一番だと思います。最近は歌声を録音して、聴き返しながら憧れている人の歌声やオリジナルの先輩の歌声と比べて、どう違うのか考えるようにしています。

──加入されて間もない平山さんも、先輩との経験の差など葛藤することは多いのではないでしょうか?

平山 多いですね……ただ、2年半在籍したハロプロ研修生のときに、先生から「ステージに出たら先輩後輩関係ない」ということをたびたび教えていただいていました。先輩だから経験の差があるのはしょうがないけれど、それに甘んじてはいけないし、お客さんからしたら誰が先輩か後輩かなんてわからないよ、と。なので、どんなステージでも目に留まるような存在になろう、と心がけています。今はカッコいいパフォーマンスを追求したくて、恥ずかしいんですけど鏡の前で表情の練習をしたり、姿見だけでなくビジョンでもカッコよく見える角度をチェックしたりしています。

アンジュルムの、落ち込んだときどうしてる?
(左から)川名凛、川村文乃、平山遊季

──自分自身と向き合うときに、SNSなど周りの意見とはどう対峙していますか?

川村 いろんな方がいますが、私は自分に関わるすべての意見を知りたいと思うタイプ。ブログはもちろん、YouTubeの公式MVのコメント欄もほとんど見ます。

──厳しい意見を見るとつらくなりませんか?

川村 うまく伝わっていなくて落ち込むことはあります。ただ、自分を“いち商品”として捉えることで、自分自身と切り離して客観的に改善点を見つけようとしているかもしれません。うまくいかないときは厳しい意見から視野が広がることもありますし、成長できる部分が見つかる。うれしかったコメントはノートにまとめて、ときどき読み返しています。

川名 私も川村さんと同じで、フィードバックが欲しいので、コメントをほとんど見ます。ステージに立つまで自分なりに考えて何度も練習していると、それまでの自分と比較してライブのパフォーマンスを比較してしまう。お客さんはその日の私しか知らないので新鮮な意見が多いんです。共感できるものは積極的に取り入れているので、いろんな意見に助けられています。

平山 私も全部の意見を知りたくて検索もします。ただ、ネガティブなので辛辣なコメントをひとつでも見ると落ち込んでしまって。そうなったら気持ちが沈んでいる間に全部の意見を拾って、落ち込む時間をまとめちゃいます。

──落ち込む時間をまとめちゃう……?

平山 練習したいことも多くて時間が足りないので、なるべく落ち込む時間を節約しようと(笑)。目を逸らすんじゃなくて目を見開くというか、全部の意見を読んでから、友達と電話したり寝たりして気持ちを切り替えます。

──新曲「悔しいわ」のレコーディングやレッスンで、悔しかったことはありましたか?

川村 ハロー!プロジェクトは全員、1曲全部レコーディングするんですがすごく早口な歌詞なので、歌えるようになるまで料理中も寝る前もずーっと口ずさんでいました。2番冒頭の担当パートは、レコーディングで「うまく歌えた」と思っていたので、採用されてうれしかったです。

川名 私はダンスに苦戦しました。振りが早くて細かいので難易度が高くて……。特にサビの「悔しいわ」でポーズを決めるところ。片足立ちで数秒止まらなきゃいけないのですが、MV撮影ではたびたびよろけてしまいました(笑)。

平山 私もダンスですね。冒頭にある足の動きが素早いダンスが難しくて、初めて先生に教えてもらったときも「どうなっているんだろう……」と戸惑って。何度も練習して、やっとカッコよくできるようになりました。

──悔しいつながりで言うと、3人で将棋の新番組(NHK『趣味どきっ!』)がはじまりましたが、将棋って負けると悔しいですよね。

全員 悔しい!

川村 「負けました」と自分から言わなきゃいけないのが悔しくて、もっと勝ちたいって思います!

アンジュルム 31stシングル
「悔しいわ/Piece of Peace~しあわせのパズル~」

アンジュルムの、落ち込んだときどうしてる?
アンジュルム 31stシングル「悔しいわ/Piece of Peace~しあわせのパズル~」 【通常盤A】 ジャケット

【通常盤A】
定価:1,200円(税込)
ほか4形態で発売中

「Hello! Project 2023 Winter 〜TWO OF US〜」1/2~2/25まで開催‼

■開催期間:2023年1月2日(月・祝)~2023年2月25日(水)
■チケット料金:全席着席指定席 ¥8,300(税込)

※出演者は下記一覧をご確認ください。
※出演者、開場時間、開演時間等は変更になる場合がありますので予めご了承ください。

チームA:モーニング娘。’23/OCHA NORMA
チームB:アンジュルム/つばきファクトリー
チームC:Juice=Juice/BEYOOOOONDS

※その他、詳細はハロー!プロジェクト オフィシャルサイトをご確認ください。

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