ロバート秋山が年齢を重ね、“得意”に気づけた秘訣「ずっとフザケていたいから」

2022.7.23
秋山竜次

文=浜瀬将樹 撮影=長野竜成 編集=梅山織愛


芸歴20年を超えた今もなお、ひとつの場所に留まることなく走りつづけているロバート秋山竜次。

芸人として、40代の大人として、現在、秋山は仕事とどう向き合っているのだろうか──。芸歴を重ねる上での仕事との向き合い方の変化。そして、今の“ホンネ”を問うた。

秋山竜次
(あきやま・りゅうじ)、1978年8月15日、福岡県出身。1998年に幼なじみの馬場裕之とNSCの同期である山本博とお笑いトリオ、ロバートを結成し、『キングオブコント2011』で優勝。個人としては自身がさまざまな職種で活躍する人物に扮する『クリエイターズ・ファイル』などを発表している。


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【関連】ノブいわく“異常者“。ロバート秋山竜次の転機と「大事な財産」

経験の中で学んだ自分の“向き不向き”

秋山竜次

──現在、さまざまな媒体で笑いを提供している秋山さんですが、悩みや壁にぶつかることってあったんですか?

秋山 大人数でバラエティに出ても、前に出るタイプではなかったので、終わってから“おいしくならずに終わったな”、“盛り上がってねーなー”みたいなことは何回もありましたよ。『はねるのトびら』(フジテレビ)で大きな特番に乗り込んだときも、普通の人からすればラッキーなチャンスなのに、目立たずに終わって「チキショー! (番組を)観られたら恥ずかしいな!」って。

あと基本的に、フザケるのが好きなので、まじめなコメントを求められると困るんですよ。地方の朝のワイドショーに出たとき、ニュースについて感想を振られたんですけど、「全然わかんない!」ってなっちゃって……。その最初のひと振りで悟られたのか、モニターを見たら画角から外されていたことがありました。衝撃でしたね(笑)。僕もよくわからないトーンで話しちゃったし、“こいつ向いてない”と思われたんだと思います。そういうのもあって、フザケるほうがいいなと思いましたね。

──視聴者としては楽しそうにお仕事をされていると思っていましたが、裏では、そうした悩みがあったんですね。

秋山 得意じゃない場所になるとそうなりますね。その代わり、コントで自由な持ち時間を与えられたときは、好き勝手にやらせてもらっていました。そうやって年数をかけて、ひとりでただ持ち時間をもらえるほうが得意なんだと気づいたし、そんな仕事も増えていきましたね。

──どんな仕事でも壁があると思いますが、秋山さんの場合は、短所に向き合うのではなく、得意なものを伸ばす選択をされたと。

秋山 そうかもしれないですね。『キングオブコント2011』で優勝したあと、ちょっとずつ自信がついてきて、ネタへの昇華の仕方がわかったというのもありますかね。今までは、なんとなく思っていたけど、それをどうかたちにするべきか悩んでいて……。でも、芸歴20年を超えたくらいでやっと、引き出しの開け方を知って、「これ使えるやん」とか、「これを『クリエイターズ・ファイル』でかたちにしてしまおう」と思うようになりました。

体モノマネもそうです。あれもひとりで呼ばれるキッカケになりましたね。それまではまわりに、「秋山をどうイジったらおもしろくなるの?」と困らせていましたけど、体モノマネは、ただ勝手に裸になって披露するだけ。そこからイジられるようになったし、楽になりました。こういうものをひとつ持っていると、全然違うんだと思いましたね。

──芸歴を重ねて、自分のやりたいことを発見していったんですね。

秋山 まさにそうですね。(体モノマネなどで)「こいつ何やってんだ」という下地ができたので、そこから歌を作ったり、ネタにして発表したり、いろんなものを挟みました。昔からやりたいものはいっぱいあったんですけど、若手のうちからやっちゃうと、人間がついてこない。ある程度年齢を重ねて、お笑いのパターンもわかってきたから、直球で出していたものが、歌にしたら出せるんだとか、キーワードを出さずにやったほうがウケるんだとか、見せ方をいろいろ学んだ気がします。

──やはり、経験することって大きな財産になるんですね。

秋山 本当にカードの出し方がわかったのは、ここ5~6年ですよ。自分の芸歴、風貌、いろんなものが整って、ようやく使いこなせている気がしますね。

──今の壁はないですか?

秋山 今は健康的な壁になっちゃいますね。

──(笑)。

秋山 前は息切れしなかったのに、「息切れしちゃってんな~」とか、昔だったら高音でリズムボケしていたのに、「1個キー低くない?」とか。そっちの壁になりますかね。


次の目標はロン毛の白髪

秋山竜次

──秋山さんは、唯一無二の活動をされていますが、どなたかに相談をしたり、お手本にするような方がいたりするんですか?

秋山 自分で解決することが多いですかね。ただ、劇場でネタをされている師匠方を見ていると、すごくカッコいいし、“ずっとこんな感じでやるの楽しそうだな”とは思います。

──もうすぐ芸歴25年ですが、今後は、どんな年齢の重ね方をしていきたいですか?

秋山 本当にずっとフザケていたいので、こんな感じをやるのみですね。司会をしたいとか、映画を撮りたいとか、海外に行って何かをしたいとか、そんな欲もないので、ただ思いついたものをやりたいだけ。それをやらせてもらえる機会がちょくちょくあれば、あとは大丈夫です。

──まさに今の状態がベストなんですね。

秋山 コロナもあってか、『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ)のような、成仏できなかったものを披露できる番組も増えたんですよ。今までは、ロバートのコントを番組に持っていっていましたけど、ピンで出られる番組もできてきたので、トリオのネタでも消化できなかった“ただただ変なヤツ”を持っていくこともできる。その中には『クリエイターズ・ファイル』で披露するやつもあるし……。いろんな出しどころが細かくあるのはありがたいですね。

──これからもやりたいことがあふれ出てきそうですね。

秋山 いま、染め粉で黒髪にしているんですけど、ロン毛の白髪になってみたいんですよ。僕の分析の結果、毛量の多い白髪ロン毛の人ってバイタリティある人が多いんです。『クリエイターズ・ファイル』も、もうすぐ100キャラになるので、今度は自毛の白髪を生かした『白髪毛量・クリエイターズ・ファイル』をやってみたいですね。あと、18禁になりますけど『アダルト・クリエイターズ・ファイル』。伝説のセクシー男優とかいいじゃないですか。

秋山竜次

──(笑)。プライベートではいかがですか?

秋山 喫茶店行って、風呂に行って、クルマで海沿いまで行ってお茶飲んで、土日休みがあったら、子供をゲームセンターに連れて行ってクレーンゲームで遊ばせる。その繰り返しですかね(笑)。そういう日がつづけばいいなと思っています。

7年間で生み出した100人が集結

秋山竜次

──何度かお話に出た『クリエイターズ・ファイル』の全国ツアーが9月から始まります。これまで、誌面や動画、Netflix進出などはありましたが、お客さんを目の前にするという新たな挑戦ですね。

秋山 7年間やって(2015年よりスタート)約100キャラも溜まっていますし、ライブをやってみたらどうなるんだろうって楽しみですね。ライブの中で着替えやメイクもしないといけないけど、これだけのキャラを背負って公演する人もいないと思うので、できたら100人やってみたいです。

──100キャラ100通り、それ以上のものができそうです。

秋山 ファッションアドバイザーのYOKO FUCHIGAMIだったら、やばいファッションショーができるし、お客さんのファッションチェックもできる。ほかにも、天才子役の上杉みちくんが迫真の演技を見せたり、世界3周しているワールド・トラベル・ママチャライダーの折原福之介がステージ上を通過したりするかもしれないし……。誰をやろうか、すごく考えています。

──全国17カ所をまわるツアー。また伝説を作りそうですね。

秋山 でかいイベントってだいたい「エキスポ」ってついているんで、イベントタイトルを『クリエイターズ・ファイルEXPO​​』にしました(笑)。全国17都市を回るのが初めてだし、ご当地でできたキャラクターもいるし、みなさんに、ぜひ観に来ていただきたいですね。基本的に(本家『クリエイターズ・ファイル』も)アドリブでやるので、その瞬間を見ていただければ、「あっ、何もないんだ!」と気づくと思います(笑)。その会場で生まれる新キャラを作ってみてもいいし……今から楽しみですね。

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浜瀬将樹

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浜瀬将樹

(はませ・まさき)1984年生まれのライター、インタビュアー。お笑い、ドラマ好き。移動中に深夜ラジオ聴くのが癒やし。