三四郎・相田周二×ニッポン放送・石井玄『三四郎のオールナイトニッポン』7年間の歩み

2022.3.19
三四郎・相田周二/ニッポン放送・石井玄

文・編集=鈴木 梢 撮影=長野竜成


『オールナイトニッポン』と『オールナイトニッポン0(ZERO)』を行き来しながらも、今年で7周年を迎える『三四郎のオールナイトニッポン』シリーズ。2022年4月からも『三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』の継続が決定し、シリーズとして8年目に突入する。

5周年を迎えた2020年にはコロナ禍に突入し、記念ライブ『三四郎のオールナイトニッポン5周年記念 バチボコプレミアムライブ』が中止、翌年の6周年に『三四郎のオールナイトニッポン6周年記念 バチボコプレミアムライブリベンジ』の形で開催された。また、2021年には番組ファンクラブも始まった。気づけば『オールナイトニッポン』の中では、ナインティナイン、オードリーに次ぐ3番目の長寿番組となっている。

多角的に展開してきた『三四郎ANN』の7年間を、パーソナリティの三四郎・相田周二、ニッポン放送の石井玄と共に振り返る。7年間の出来事と10周年に向けた展望を聞いた。


『三四郎のオールナイトニッポン』シリーズはなぜ愛されるのか

──『三四郎ANN』シリーズの7年間を振り返ってみて、まずは率直な感想を教えてください。

三四郎・相田周二
三四郎・相田周二(あいだ・しゅうじ)1983年5月2日生まれ、東京都出身

相田 番組としてずっと、安定はしてないですよね。ギリギリの状態でつないできた7年間という感じです。ANNへ上がってもANN0からの突き上げはありますし、曜日移動もあるんじゃないか、またANN0になるんじゃないか、番組がなくなるんじゃないか──。毎週そんなことを考えて、ハラハラしながら7年過ごしてきました。だからあんまり「7年間やってきた」という感覚がないです。結果的に7年になって、ああ、長いことやってるなって。

石井 かなり長いですからね、7年って。

相田 以前、『99人の壁』(フジテレビ)で出題されたクイズで、「芸人の深夜ラジオ 長寿番組ランキング」の9位に『三四郎ANN』が入ってたんですよね。それを観て「けっこう長くやってんだな」と思いました。

石井 今のANNだけでいえば、ナインティナインさん、オードリーさんに次いで3位ですからね。

相田 確かにそうなんですよね。だから自分の状況はかなり変わってます。それこそ番組1年目とか2年目のときはアルバイト辞めたてで、給与明細を見たら3万円くらいしかなかった。ニッチェの近藤(くみこ)からお金借りた話とかもラジオでしましたし、実家を出てひとり暮らしを始めた話もして。ラジオの歩みと共にけっこう重大なことが起きてますね。

──『三四郎ANN』はゲストが出演する回も多いですが、特に印象的だったのはどなたですか?

相田 アンガールズ田中(卓志)さんですかね。普段はイジられキャラに見えますけど、僕らのラジオに来てもらったときは、お笑いの熱い話とかさせていただいて、それまでの田中さん像とは違ったかもしれません。

石井 今でこそ、そういうポジションになってきてますけどね。

相田 そうそう。今は『ゴッドタン』(テレビ東京)とかで芸人に立ち居振る舞いとかを教える立場になってるじゃないですか。それ以前に僕らはいろいろ聞いてたんで、当時はそれまでとは違う田中さんの感じが見えてよかったです。

石井 ちゃんとした放送のように聞こえますけど、最後はブースによだれ垂らして帰ってますから(笑)。

相田 あれは緩急だから! よだれ垂らして髪の毛乱しながらも、「お疲れさまでした」って颯爽と帰っていく。田中さん以外だと千鳥さんとか、バイきんぐ小峠(英二)さんとか、先輩方が来てくださるとありがたいですね。あとは……(なかやま)きんに君さんですよね。でも、きんに君さんのことはいろんなところで話してるから、話題にするのが悔しい。1年に2回来ることすらありますからね。

石井 ゲスト出演回数はたぶんトップですからね。でも、番組のファミリー的存在はどんどん増えていますよね。最近だと四千頭身の都築(拓紀)くんとか。

相田 しずるの池田(一真)さんとか。あ、KAƵMAか。あとはマシンガンズさんとかも来てくださってますね。

──石井さんから見た『三四郎ANN』はどんな番組ですか?

ニッポン放送・石井玄
石井玄(いしい・ひかる)1986年生まれ、埼玉県出身。ラジオ番組制作会社・ミックスゾーンにて『オールナイトニッポン』のチーフディレクターを経験。2020年からはニッポン放送エンターテインメント開発部のプロデューサーに

石井 よくつづくなあとは思いますね。もちろん、番組がつづくように皆でいろんなことをしてますけど、それでもANNって終わるものなので。アルコ&ピースさんは3年、ニューヨークさんですら1年で終わっていることを考えると、『三四郎ANN』は珍しい番組だなと改めて思います。歴史上あんまりないというか、失礼な言い方しますけど、このランクの芸人さんでずっとつづくっていうのが……。

相田 本当に失礼だな。

石井 いや、ナイナイさんやオードリーさんみたいにテレビのゴールデンタイムでMCをしている方々は、ラジオがつづく理由がわかりやすいじゃないですか。そうじゃないのに長くつづいているのは、とにかくリスナーから愛されている、いい番組の証拠だと思います。

相田 「『三四郎ANN』を聴いてます」って人、あんまり見たことないですけどね。

石井 「ラジオが好き」って人は最近増えてますけど、『三四郎ANN』まで行き着く人はあんまりいないかもしれないです。深夜の芸人ラジオの中でも相当コアなことをやってますし。

相田 いやあ、「『三四郎ANN』を聴いてます」って言ったほうが一目置かれるのにね。

──聴いてると一目置かれるんですか?

相田 置かれますよ。オードリーさんとかの番組は、ラジオ好きじゃなくても聴くことあるじゃないですか。

石井 『三四郎ANN』は、濃いラジオ好きが集まってくる番組なんですよね。先日、奥森皐月さんにポッドキャストの『あの夜のはなし』で話を聞いたとき、一番印象に残っているラジオは「『三四郎ANN』のコミクシー(バンクシーの兄のコミクシーがニッポン放送に作品を飾る)回」って言ってましたからね。やばくないですか?

相田 ええー!?

──つまり、ラジオ好きが行き着く終着点みたいなものなんですかね。やっていることとか、雰囲気とか、「こういう感じですよ」と説明するのが難しいかもしれません。

石井 そう、難しいんですよ。オードリーさんであればおふたりそれぞれのフリートークがおもしろいとか、ナイナイさんであればコーナーがおもしろいとか、ポイントがあると思うんですけど、三四郎さんってそれがないじゃないですか。何やってるのかって聞かれても、何も答えられない。

相田 中身が皆無ですからね。

──それでいて愛されるのはなぜなのでしょうか。

石井 人柄じゃないですかね? おふたりって育ちがいいんですよ。嫌われるような性根を持ってない。小宮(浩信)さんはキャラで嫌われるようなことはあっても、ふたりが誰かに心底嫌われているみたいな話を聞かないので。先輩後輩関係なく、芸人としても人としても、愛されている印象があります。

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鈴木 梢

(すずき・こずえ)1989年、千葉県市川市生まれ。出版社や編集プロダクション勤務を経て2019年からフリーランスに。主に日本のエンタメ/カルチャー分野の企画・執筆・編集を行う。もちもちしたものが好き。