パーソナリティから見た『あの夜』は「リアルでドタバタな一夜」

──相田さんは、オールナイトニッポン55周年記念公演『あの夜を覚えてる』に、ラジオプロデューサーの野々宮代助役として出演されます。実際に稽古をしてみて、いかがですか？

相田　プロデューサーって何をしてる人なのかよくわかってないんですよね。ANNプロデューサーの冨山（雄一）さんが普段何をしてるかとか、対パーソナリティとしての顔しか知らないので、普段スタッフ同士だとどんな感じなんだろうとか。そこは冨山さんとも話して詰められたらと思ってます。でも、総合演出の佐久間（宣行）さんが「相田は台本じゃなくてほとんどアドリブでいい」とかよくわかんないこと言ってるんですよ。

──相田さんから見たプロデューサーはどんなイメージなのでしょうか。

相田　冨山さんでいえば、すごくラジオ好きで、優しいです。いろいろ気配りもしてくださる方で、おそらくスタッフさんたちにも優しいんだと思います。番組が始まる前には僕らにも声をかけてくれますし、番組をつづけていく上での最後の砦で、守ってくれる人という印象がありますね。でも、裏の顔見たらめちゃくちゃ嫌なやつかもしれない（笑）。そこはもうちょっと紐解いていかないと。

──野々宮代助は、冨山さんとはちょっと違った人物像ですよね。

相田　そうなんですよね。ラジオ愛はあるんですけど。中間管理職だから上から下から挟まれて、番組を長くつづけなきゃいけないけど、部下はいろんなことをしでかすし。でも、冨山さんと同じく、根っこはいい人なんだと思います。

石井　髪は金髪のままでいくんですか？

相田　僕が黒髪にするか、冨山さんが金髪にするかだよね。

石井　なんで冨山さんが相田さんに寄せるんですか（笑）。

──石井さんから見た、相田さんの野々宮代助役はいかがですか？

石井　脚本担当の小御門（優一郎）くんが、相田さんがしゃべりやすいようなセリフを用意してくれている感じがありますけどね。だからやりやすいんじゃないかなと。

相田　やりやすいですけど、どこまで崩していいのかを稽古で試してる感じですね。

石井　役者の発言だ！

相田　台本どおりにやるのは、誰にでもできますから。

石井　あまりにも自然に役者として言うからびっくりしました（笑）。野々宮は番組スタッフとは少し距離が離れたポジションだからこそ、かなりキーパーソンになるというか。物語が転換するタイミングで出てくる感じです。

相田　神出鬼没なんですよね、野々宮は。

石井　そういうところ、けっこうプロデューサーっぽいと思います。

──物語全体の印象としてはいかがですか？

相田　物語の中での出来事が、本当にあり得そうなんですよね。僕も番組を7年やってきてるから、ハプニングはいろいろありましたし。ADの落合（凌大）くんがニッポン放送地下のシャワー室に小宮を取り残してきちゃうとか、植村（髙橋ひかる演じるAD）よりもよっぽどドジ。

石井　実際、ANNディレクターの落合くんや野上（大貴）くん、舟崎（彩乃）さんとか、スタッフ陣に取材して作ってますからね。

相田　物語としてドラマチックには演出されてますけど、出来事としてはリアルでドタバタな一夜を再現できていると思います。

10周年を迎えても「変わらない」ことをつづけていきたい

──昨年は番組ファンクラブ「バチボコプレミアムリスナー」も始まりましたが、どのような状況ですか？

石井　最近は私物プレゼント企画や、「オンライン出待ち」をやりましたね。

相田　ハロウィンのときにね。僕らが仮装をして、オンラインで出待ち対応する。

石井　アイドルのオンライン握手会のようなことをやってますね。秋くらいから、三四郎さんのことを本当に好きな人がスタッフになって、ファンが喜んでくれそうな企画を考えてくれるようになったんです。それまではラジオの派生くらいの感じでしたが、最近はファンクラブらしくなってきました。そろそろファンクラブも1周年を迎えるので、何か特別な企画をやりたいですね。

相田　コロナの状況あるからできることは限られてるけど、制約を取っ払って考えたら、飲み会したいですね。ファンと2時間くらい飲む。

石井　バスツアーとかもいいですね。

相田　おもしろそう。宴会場借りて漫才してさ。

石井　ビンゴ大会とか、カラオケとか。楽しいだろうなそれ。

相田　パセラ貸し切るか。

石井　超楽しそう（笑）。ファンクラブパセラ交流会。最後はみんなで「Standby」を歌って終わる。

──相田さんは、リスナーと交流したい気持ちが強いんですね。

相田　そうですね。普通のお笑いライブだと、いつも来てくれる人とかはなんとなくわかるんですよ。でもラジオは顔が見えないじゃないですか。だからこそ交流の場を設けたい気持ちがあります。

──『三四郎ANN』シリーズとしては、10周年に向けてどうしていきたいですか？

相田　ラジオ自体はあんまり変わらなくて、僕らやまわりに変化があるだけですね。ANNでもANN0でも内容は変わらないし、「変わらない」ことをつづけていきたい。僕らにはそれしかできないので。

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