男性ブランコ「コントライブを諦めた」ふたりが歩む、コントで生きる道のり。「これでダメなら、もうやりようがない」

2022.3.18


ハナコ、霜降り明星の優勝で感じた悔しさ

男性ブランコ

──世代の話をすると、2018年に同期のハナコが『キングオブコント』で優勝し、同じく同期の霜降り明星が『M-1グランプリ』で優勝しています。

浦井 2018年……あの年ですか。

平井 だいぶ悔しかった年ですね。

浦井 ハナコは『笑けずり』(NHK-BS)というコント番組で一緒になって、そこからめっちゃ仲よくなって、何回かユニットライブもやっていたんです。そんな身近な人たちがいきなり優勝したんで、ぎゃーと思いましたね。

──そのときの心情として、「ハナコは自分たちより断然おもしろいからしょうがない」みたいな感じだったのか、「ハナコが優勝できたなら自分たちもいける」みたいな感じだったのか。

浦井 自分たちのコントが劣っているとは思ってませんでしたけど、ハナコはだいぶポップでしたからね。同じコントでもジャンルが違うというか。

平井 ポップなだけじゃなく、華もあったんですよ。明るくて、たくさんの人に届くようなキャッチーさがありました。なので、早く売れるだろうとは思ってましたね。

男性ブランコ

──霜降り明星については?

平井 大阪時代は一緒にランキングバトルに出たりしてたんですけど、順位は僕らと同じくらいで、そこまで目立つ存在でもなかったんですよ。

浦井 粗品がピンでやっていたときは、19歳の最年少で『オールザッツ漫才2012』で優勝したり、すごいやつが出てきたっていう感じだったんですけど、優勝した直後にせいやとコンビを組んで霜降り明星になってからは、最初そこまで勢いはなかったんですよね。お客さんのウケも正直あまりよくなかった。

平井 今でこそ王者ですけど、霜降り明星を組んだばかりのころは、芸人たちの間でも「粗品もったいないな」くらいのこと言う人もいたんです。ただ、せいやはせいやで、楽屋とかでは常に大爆笑を取っていて。秘めた可能性はありました。

浦井 僕らはその秘めた可能性が爆発する前に東京へ来てしまったので、大阪の劇場で霜降りがどんどんおもしろくなっていった様子は見れてないんですよ。

平井 それこそ、自分たちの中ではそんなにウケてなかった印象の霜降り明星が、2018年にいきなり優勝したので、だいぶ驚きましたし、めっちゃ悔しかった。

浦井 うん、あれはほんと、ほんと悔しかったなぁ。

覚悟を決めて挑んだ『キングオブコント2021』

男性ブランコ

──東京で単独ライブをコンスタントにつづけているなかで、手応えは感じていましたか?

平井 多少は感じていましたが、『キングオブコント』の決勝に出る前、2021年の最初のほうですかね、お客さんがまったく増えなくて、なんなら減ったぐらいの時期がありまして。

浦井 コロナの影響もあったとはいえ、それにしても配信チケットすらあまり売れない時期がありましたね。

平井 コンセプトも作り込んで、自分たちなりに凝ったことをやっているつもりだったのですが、でもこのままじゃ先がないなと。それで、単独のコントライブをひたすら突き詰めることをいったん諦めて、もう『キングオブコント』に集中しようって決めたんです。

浦井 使う時間も労力も、『キングオブコント』9.5で、ほか0.5くらいにしました。あんなに『キングオブコント』のためだけにネタを微調整したのは初めてでした。

平井 これでダメだったらもうやりようがない、と思って臨んだので、優勝はできなかったですけど、準優勝という結果が出て本当によかったです。

──平井さんがネタを書く素養として、お笑い以外では、どういう文化に影響を受けていますか?

平井 なんでしょう。お笑い以外だと、そんなに本とか映画とか詳しくないんですよね。

浦井 平井は音楽めっちゃ好きですよ。

平井 あ、音楽は好きです。高校のときはメタルとか聴いてました。メタル聴いてる自分かっこいい、と思って。あとは、BUMP OF CHICKENが好きです。「K」っていう曲があるんですけど、いつかあの曲みたいなコントを作りたいです。

コントを観てもらうためにやるべきこと


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