とにかく明るい安村、妻には隠せなかった芸人への未練。師匠・有吉との出会いで救われた芸歴21年を振り返る

2021.9.20


師匠・有吉弘行からの“バツ”

とにかく明るい安村

──そんな時期を経て、今では安村さんというと『有吉の壁』(日本テレビ)に出ているイメージが強くて、そこで再ブレイクしたみたいな感じになっていますよね。

安村 僕と、もう中(もう中学生)はそうですね。本当にありがたいです。有吉(弘行)さんのおかげですよ。

──『有吉の壁』には特番の第1回から出ていたんですよね。

安村 出ていました。それが2015年なんですけど、そのときからずっと有吉さんにはお世話になっています。この前、『有吉の夏休み2021』(フジテレビ)に出させてもらって、うちのマネージャーが有吉さんに会って「安村がお世話になっています。よろしくお願いします」みたいな挨拶をしたら、有吉さんに「ええ、めちゃくちゃ世話してますよ」って返されました。

──安村さんにとって有吉さんはどういう存在なんでしょうか?

安村 師匠みたいな感じですよね。たとえウケなかったときでも、ウケなくてもいい場合はそういうのをちゃんと言ってくれる。あと、ウケていてもダメなときってあるんですよ。そんなのでウケてもしょうがないだろう、みたいなときは、まわりはウケていても有吉さんだけは「全然ダメだな」って言ったりする。ダメなときにちゃんとそういうことを言ってくれるのはありがたいですね。

──確かに、あの番組で有吉さんに「バツ」を出されていても、いいバツのときとダメなバツのときがある気がするんですよね。

安村 でも、あの番組に出ている芸人はみんな経験したことがあると思うんですけど、本当にダメなバツのときは放送されないんですよ。本当にダメなときは現場もとんでもない空気になって「お笑い辞めたほうがいいんじゃないか」ぐらいの気分になるんです(笑)。そのくらい厳しい場面もありますね。

とにかく明るい安村

──安村さんって今では「ミスター壁」とも呼ばれて、番組を象徴するような存在になっていますけど、別に連戦連勝というわけじゃなくてわりと波が激しいタイプですよね。でも、そこがまた魅力になっているような気がします。

安村 『有吉の壁』も6年くらいやっていますけど、ずっとそういう感じなんですよね。バツをもらってもそこから引き下がらず、がんばって最終的にはウケるようにするのが『有吉の壁』っぽい感じなんですよね。

最初はそういうお笑い番組がなかったからけっこう戸惑いました。普通はネタをやってダメだったらもうダメじゃないですか。でも、この番組では、自分の中でネタが終わっているのに有吉さんが判定を出してくれないことがあるんですよ。「もうちょっと見てみるか」とか、「そんなもんじゃないだろう」みたいな。そこで引き下がらずやったのがよかったのかな、という感じです。「芸人なんだからおもしろいのはそこからだろう」みたいに思ってくれているのがありがたいですよね。

──安村さんも芸歴21年ということで、今までにいろいろなことがあったと思いますが、それを踏まえて現状についてはどう思われていますか?

安村 今は本当に楽しいですね。コンビのときは若かったし、そのときはそのときで楽しかったですけど、今は自分でやっているという手応えがあります。ひとりだし、それでダメだったらダメでしょうがないけど、とりあえずお笑いだけを楽しんでやっているからいいかな、という。

若いころは無駄に悩んだり、先のことをあれこれ考えたりしていたんですけど、今はいい意味で先のことをまったく考えていないんですよね。『有吉の壁』があればそれを一生懸命やるし、今日の仕事内容をとりあえず全力でがんばるというだけですね。それがいいのかもしれないです。

──最後に、今回開催される『ルミネtheよしもと20周年記念公演 20年の思い出を語ろう!』というライブはどんな内容になりますか?

安村 まだ細かいことは決まっていませんが、ルミネtheよしもとが20周年ということで、これまでの劇場の歴史を振り返って、こんな思い出があった、こんなお客さんがいた、というような話をすることになると思います。劇場ができた当初から出ていたトータルテンボスさんや佐久間一行さんも出演されるので、いろいろ貴重な話が聞けると思います。


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  • 『ルミネtheよしもと20周年記念公演 20年の思い出を語ろう!』

    日時:2021年9月28日(火)開場18:30/開演19:00/終演20:00
    出演者:佐久間一行/キクチウソツカナイ。/トータルテンボス/5GAP/平成ノブシコブシ徳井/とにかく明るい安村
    料金:前売2,000円/当日2,500円

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    ※チェキのパターンのご希望は承れません。
    ※いただいた個人情報は、本プレゼントキャンペーン以外の目的には使用しません。


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(らりー・とおだ)1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わ..

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