オリラジ中田、DaiGo、カジサック――芸能人YouTubeの進化と魅力【YouTube座談会(2)】

2020.1.31

文=原 航平 文(注釈)=野坂 瞳
イラスト=はせがわあさ


芸能人のYouTube進出が増加したここ数年だが、2019年は一部のチャンネルたちが急激に知名度と評価を上げてきた。出演者に知名度があるからといって必ずしも多く視聴されるとは言えないYouTubeの世界で、支持を集めるチャンネルにはどんな理由があるのだろうか。

かつて『中田敦彦のYouTube大学』を担当していた谷田彰悟や、『カジサック KAJISAC』を担当する山口トンボなど、TVとYouTubeを横断して活躍する4名の放送作家が分析、解説する。

※本記事は、2019年12月26日に発売された『クイック・ジャパン』vol.147掲載の記事を転載したものです。(掲載のチャンネル登録者数は2019年12月11日調べ)


2019年のビッグトピック「芸能人」のYouTube進出について

編集がいらない芸能人のトーク力

――芸能人がYouTubeに大きく進出してきたのが2019年のトピックのひとつでした。そのあたりはいかがでしょうか。

白武ときお(以下、白武) オリエンタルラジオの中田敦彦さん(※1)は圧倒的でしたよね。YouTube大学の登録者100万人は、他のチャンネルとまったくお客さんが違う。NewsPicksを見てるようなお客さんをグッと引きつけていると思います。特に5Gの解説動画で潮目が一気に変わりましたね。

※1『中田敦彦のYouTube大学』
2019年4月チャンネル開設。登録者数非公開。2018年3月に開設された『NKT official channel』の方針を大きく転換し、年金問題やニーチェの教え、新撰組の歴史などを詳細に解説する“教育系YouTubeチャンネル”として生まれ変わった。20分から30分の高クオリティな動画を毎日21時に投稿している。

山口トンボ(以下、山口) あのクオリティで毎日更新できるっていうのが信じられない。

谷田彰吾(以下、谷田) DaiGoさん(※2)とかもそうだけど、トークがうまい人が話せばほとんど編集はいらないから、制作は楽なんだよね。

※2 メンタリストDaiGo
2013年11月チャンネル開設。登録者数約175万人。メンタリストとして活動するDaiGoが、心理学や科学に基づいた知見を毎日3つほど紹介している。「嫌われずに誘いを断るための心理学」から「モテる写真の撮り方」まで、様々な人生の知恵をプロデュース。

山口 たしかに、YouTubeのジェットカット編集は、トークの下手さを隠すためにある。

カツオ 勉強ができて、さらにプレゼン力がある中田さんだからこそ、その話を誰も信じて疑わないんですよね。そんなふうに、「しかるべき人が芯を食ったことをやれば当たる」っていうのが今年証明されたことだと思う。野球のダルビッシュ有とか里崎智也のチャンネルもそう。

白武 企画も大事ですけど、芸人さんの話芸はかなり強いですよね。たとえばカジサックさん(※3)とゲストの芸人さんの対談動画なんかは、ラジオ的なおもしろさがあります。

※3『カジサック KAJISAC』
2018年8月チャンネル開設。登録者数約152万人。お笑い芸人キングコングの梶原雄太が様々な芸能人とコラボし、食レポ、クイズ、トークなどを行う。過去には渡辺直美やフットボールアワー・後藤輝基、極楽とんぼ・加藤浩次などの芸人が出演しているほか、おるたなChannel、しばなんチャンネル、東海オンエア・りょうなど、YouTuberとも多数コラボしている。

カツオ 対談はそうだねぇ。

白武 お笑い好きからしたら、たまんないですよ。『M-1グランプリ』(テレビ朝日)ファイナリストたちの当時の話とか、ドランクドラゴン塚地(武雅)さんさんと当時の『はねるのトびら』(フジテレビ)の話をしたり、テレビ東京プロデューサーの佐久間宣行さんがゲストで出てきたり。

山口 意外かもしれないですけど、『カジサック KAJISAC』は視聴者の男女比率で言うと女性のほうが多くなってきていて、ファミリーチャンネル的な要素も定着しはじめてるんですよ。

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原 航平

(はら・こうへい)ライター/編集者。1995年生まれ、兵庫県出身。映画好き。『リアルサウンド』『クイック・ジャパン』『キネマ旬報』『芸人雑誌』『メンズノンノ』などで、映画やドラマ、お笑いの記事を執筆。 縞馬は青い

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