「総工費は28兆円」ダーリンハニー吉川の“妄想路線図”を検証!鉄道偏愛トークライブ『路線図の作り方』

2021.7.20

文=井上マサキ 写真=時永大吾
編集=田島太陽


鉄道好きで知られるダーリンハニー吉川正洋。『タモリ倶楽部』(テレビ朝日)や『笑神様は突然に・・・』(日本テレビ)でもおなじみで、『鉄道ひとり旅』(鉄道チャンネル)では旅人となって全国の鉄道を旅している。

そんな吉川のもうひとつの「鉄」が、「架空鉄」。架空の鉄道会社「吉川急行電鉄」を(頭の中で)運営し、路線図まで作り上げている。妄想上の路線図とはいったいなんなのか? どう作られるのか?

路線図好きライター・井上マサキ&西村まさゆきも出演した、7月10日に行われたトークライブ「鉄道偏愛トークライブ『路線図の作り方』」から、「妄想路線図談義」の様子をダイジェストでお届けする。

吉川正洋(ダーリンハニー)
『タモリ倶楽部』(テレビ朝日)で「タモリ電車クラブ」会員にも認定された鉄道好き。特に、実際には存在していない鉄道や路線を妄想して楽しむ「妄想鉄」。自身でオリジナルの「妄想鉄道グッズ」を制作し、太田プロオンラインショップで販売している。

井上マサキ

井上マサキ(路線図好きライター)
1975年、宮城県生まれ。大学卒業後、システムエンジニアとして15年勤務しライターへ。フジテレビ『99人の壁』の「路線図」テーマでグランドスラム。西村まさゆきとの共著に『日本の路線図』(三才ブックス)『たのしい路線図』(グラフィック社)があり、『マツコの知らない世界』(TBS)にも出演。

西村まさゆき

西村まさゆき(路線図好きライター)
1975年、鳥取県生まれ。著書として『ふしぎな県境』(中央公論新社)を出版。「県境」に興味・関心が強い。井上マサキとの共著に『日本の路線図』(三才ブックス)『たのしい路線図』(グラフィック社)があり、『マツコの知らない世界』(TBS)にも出演。


関東版:総工費28兆円、地下40mを走る「吉川急行電鉄」

吉川の妄想路線図を見て盛り上がる一同

2歳で早くも鉄道に目覚めた吉川が、「乗り鉄」となったのは小学1年生のころ。それと時を同じくして、「架空鉄」も始まったという。

東京の地下鉄路線図を見たとき、当時は東京メトロ半蔵門線が半蔵門駅まで、東京メトロ有楽町線が新富町駅までしか通ってなかったんですよ。で、小学生なりに「これはまだ伸びしろがあるな……」と。

そのころからすでに経営者目線で見ていたんですね(笑)。

そうなんです。点つなぎみたいな感覚で路線図のあちこちをつないで、地下鉄環状線とかを作ってたんですよね。ここつながったら便利だな、って。

そんな30年以上の妄想歴を経て生まれたのが、「吉川急行電鉄(吉急)」である。

吉川急行電鉄路線図
「吉川急行電鉄」関東版の路線図

1号線にある「二子玉川~成城学園前」をつなげるところから始まったんですよ。このあたり、バスはあるんですけど鉄道はないんですね。

このエリア、東西には電車が走ってるんですよね。

東急田園都市線、小田急線、京王線、JR中央線が横に通ってるんです。じゃぁ、縦の路線もあったらいいな……と、8歳ぐらいのときですね。思いまして。

だいぶ早い(笑)。

最初は吉川急行電鉄じゃなくて、「東京縦貫高速鉄道」という名前でしたから。

名前がめちゃくちゃ固いじゃないですか。

こうして吉祥寺と武蔵小杉を結ぶ1号線が完成。さらに赤羽から中野、下北沢、自由が丘を貫き、羽田空港に抜ける2号線も生まれた。早過ぎた羽田空港アクセス線である。

吉川によると、架空鉄には2パターンあるという。現実の土地に作るパターンと、まったく架空の土地に作るパターン。吉川は「制約があったほうが楽しい」と前者の道を選ぶが、現実世界で鉄道を通すにはお金と法律という問題があった。

3号線、渋谷や六本木を通って東京まで行きますよね。これ、用地買収とか大変じゃないですか?

そうなんですよね。土地の所有権が絡むし、作るとしても道路の地下に建設しないといけないし……。だから最初は「無理だな」と諦めていたんですよね。

妄想なのに。

でも2001年に大深度地下利用が認められたじゃないですか。地下40mより深いところなら、認可さえ受ければ公共のために利用できると。それを知って「いける……!」となって。

妄想のドリルがうなりを上げた!

じゃあこれ、全部地下鉄なんですか?

基本的にはそうなります。一部高架や路面にもしたいですが。総工費は28兆円くらい使いました。

その後も、「路線が全部離れているから1路線ずつ車庫を作らないといけない」「実地調査で実際に外を歩いて車庫に適した土地を探している」「砧公園の地下はどうだろうか」など、吉川の苦しくも楽しい悩みはつづく。

と、ここで、西村作のGoogleマップが登場。吉川急行電鉄の駅と路線を、実際の地図にプロットしてみたものだ。

すごい! 本当にある路線みたいですね!

こうして見ると、実際の経路と路線図の形がほぼ同じなのがわかりますね。

当初の計画では、お客様をとにかく早く運ぶことをよしとしてきた吉川急行電鉄だが、最近はその考えも変わってきたという。駅をもっと増やして、地域住民の足になるべきではないか……。

2号線の中野~笹塚間も駅間が長いんです。途中に駅を増やしたいんですけど、最近めちゃくちゃ悩んでいて。中野富士見町を取るか、方南町を取るか……もう夜も眠れなくて……。

どこに駅を新設するかで眠れないほど悩んでいる

でも、このあたりはバスも通ってますよね。

そこも現実架空鉄の悩ましいところなんですよ。吉急が通ることで、バス会社を潰しちゃっていいものかと……。

競合になっちゃうから(笑)。

リアルタイムでGoogleマップをいじり、駅を増やして盛り上がる出演者たち。すっかり楽しんでいるが、吉川急行電鉄が事業を展開するのは関東に留まらない。 そう、このたび吉川急行電鉄は、関西にも開業することになったのだ……!

関西版を検証「この距離で『なんば』は怒られませんか?」

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井上マサキ

(いのうえ・まさき)1975年宮城県生まれ。ライター、路線図マニア。大学卒業後、システムエンジニアとして15年勤務し、2015年よりライターに転身。共著に『たのしい路線図』(グラフィック社)、『日本の路線図』(三才ブックス)、『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか? 日本の昔話で身につく税の基本』(..

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