俳優・柳楽優弥が語る、駆け抜けた10年の終わりと始まり

2021.6.1

圧倒的な才能にかっこよさを感じる

──以前、「人生って何周もするもので、俳優としての1周目を今年できるのかも」というお話をされていました。ちなみに、今は何周目ですか?

今まで話していることのキーワードをつなげると、ちょうど今1周目が終わるところなのかなと思います。今は次の準備期間で、来年ぐらいからリスタートという感じですかね。

──10年かけて1周目をやってきて、今まさに終わるところなんですね。どんな2周目にしたいですか?

あまりこだわっても仕方のないことだなと思うので、自分の中で「これだけは」というところを、今後も持っていたいなと思います。今は自分自身を整えたいなという感じですね。パワーアップして、また目標に向かって突き進んでいきたいと思っています。

──柳楽さんが持ちつづけたい、「これだけは」というのは?

“かっこいい俳優”になりたいなと思っています。演技や役柄だけではなく、生き方そのものなんですかね。北斎のように、若いときから晩年までひとつのことに向き合ってやっていくことは、悔しい気持ちや、失敗したりすることと共に、「ああ、やっててよかった」と感じることを繰り返すことでつづけていけるのだと思うので、北斎の生き様を知り、そういう生き方もあるんだと勇気づけられました。
田中泯さんもまさにそれを体現されている人ですが、若いころから自分のやりたいことを見つけて、それを生涯通してずっとつづけることができるというのは、本当にかっこいいことだと思いますし、憧れます。そういう圧倒的な才能にかっこよさを感じるのかもしれません。

──なるほど。ちなみに柳楽さんが持っている、ご自身の才能ってなんだと思いますか?

(即答で)好奇心旺盛(笑)。「好奇心怪物」。それはずっと変わらないことだと思います。

柳楽優弥
(やぎら・ゆうや)1990年生まれ、東京都出身。是枝裕和監督作品『誰も知らない』(2004年)にて、第57回カンヌ国際映画祭最優秀主演男優賞を日本人初、史上最年少で受賞。以降、映画・テレビ・舞台で幅広く活躍。主な映画出演作に、『シュガー&スパイス 風味絶佳』(2006年)、『包帯クラブ』(2007年)、『許されざる者』(2013年)、『ディストラクション・ベイビーズ』(2016年)、『夜明け』(2019年)、『ターコイズの空の下で』(2021年)など。待機作に、映画『太陽の子』(2021年8月6日公開)、ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ)主演のほか、今冬には大泉洋とW主演の『浅草キッド』がNetflixで全世界同時配信予定。

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  • 映画『HOKUSAI』

    2021年5月28日(金)全国ロードショー
    監督:橋本一
    企画・脚本:河原れん
    出演:柳楽優弥、田中泯、阿部寛、永山瑛太、玉木宏、青木崇高、瀧本美織、津田寛治、辻󠄀本祐樹、浦上晟周、城桧吏、芋生遥、河原れん
    配給:S・D・P
    (c)2020 HOKUSAI MOVIE

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