354日の成果を堂々と証明
眠りに落ちた河野に誘われ、次なるステージの「GALAXY OF DREAM」に突入する。真っ白なスタイリングが天の使いのような神々しさをまとわせ、神秘性を感じざるを得ない。それぞれがハンドマイクを手に持ち、想いを声に落とすようにして「Voice(君の声)」を紡いでいった。アイコンタクトを取りながら歌う様は、それぞれの心の内を溶け合わせているかのよう。「Be With You(足跡)」をしっとりと歌い上げ、新曲「伝えられるなら」では堂々たる初パフォーマンスを繰り広げた。
ふいの寝落ちストーリーも“睡眠カプセルで眠ったため”と辻褄を合わせてくるのだから、一本取られたと降参せずにはいられない。そして、つづくのは不安定なバイタルを整えるための回復プログラムである。ダイニングルームやフィッティングルームも魅力的だが、一段と目を引いたのは川尻と川西がエスコートするエチケットルームだろう。各々がマイケル・ジャクソンの「スムーズ・クリミナル」「ビリー・ジーン」を彷彿させる衣装を身にまとい、エチケットの新常識としてダンスをパフォーマンス。その完成度の高さは、“キング・オブ・ポップ”への敬意を強く感じさせた。
「一番安全なスポットを見つけ着陸します」という鶴房のアナウンスにより、宇宙船は「RED GIANT」へ着陸。ジャジーな攻めのナンバーである「Safety Zone」が奏でられた。普段はプリンス感満載の白岩瑠姫も、この曲に至ってはダークヒーロー。ダダ漏れの色気や素顔とのギャップは、せっかく整ったバイタルが異常値を叩き出しそうな破壊力だ。勢いの赴くまま「So What」と走っていく。
そして、バンド演奏での「GrandMaster」と「OH-EH-OH」で怒涛のラストスパート。生演奏をクールに乗りこなし歌い踊る姿は、彼らがさらに次のステージへ歩みを進めたことを誇示していた。音楽もエンタテインメントもナマモノだ。バンドアレンジでのステージにより、ナマモノを現場で作り上げる楽しさを改めて実感したのだろう。歌いつづけ止まらない、まっすぐな覚悟を感じさせた。
アンコールの「COMETS OF JAM」では、始まりの曲である「ツカメ~It’s Coming~」、デビューソングの「無限大」をパフォーマンス。JO1スタート時にあった作品が、彼らの進化を顕著に描き出していた。細かなリズムの狙い方やそろえるタイミングの精度が増している一方で、無駄な力が抜けたことにより生まれた余白。354日の成果を堂々と証明したのだった。
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限界なし制限なし、無限大な可能性を感じさせるJO1。2021年3月4日、彼らはデビュー1周年を迎えた。社会情勢的には、けっして恵まれた1年ではなかった。しかし、そのなかで“プロとして”の意地を発揮し、原石は磨かれてきたのである。
現状を嘆くのではなく、今できる最善を尽くす。時間というファクターに捉われ過ぎず、中身の濃さを詰めていく。その姿勢が今の11人を作り出したのだろう。まだまだ元どおりの世の中なんてわけにはいかないが、彼らなら闇が晴れて広がっていくミライを魅せてくれるのだと期待したい。
『JO1 Live Streaming Concert「STARLIGHT DELUXE」』セットリスト
1.Starlight
2.Shine A Light
3.MONSTAR
4.Running
5.GO
6.やんちゃ BOY やんちゃ GIRL(JO1 ver.)
7.My Friends
8.YOUNG(JO1 ver.)
9.Voice(君の声)
10.Be With You(足跡)
11.伝えられるなら
12.Safety Zone
13.So What
14.GrandMaster(JO1 ver.)
15.OH-EH-OH
──アンコール──
16.ツカメ~It’s Coming~(JO1 ver.)
17.無限大
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