JO1、デビューから354日の成長。オンラインライブ『STARLIGHT DELUXE』で感じさせた“無限大”の可能性

2021.3.11

(c)LAPONE ENTERTAINMENT
文=坂井彩花 編集=森田真規


2020年3月4日に『PROTOSTAR』で華々しくデビューを飾り、3rdシングル『CHALLENGER』が4月28日にリリースされること、来冬には初のツアーを開催することも発表され、2021年も躍進が期待される11人組ボーイズグループ「JO1」。

そんな彼らの2021年初のオンライン単独ライブ『JO1 Live Streaming Concert「STARLIGHT DELUXE」』が2月20日に開催された。

“無限大”の可能性を感じさせたライブレポートをお届けします。


“デビューしたてのアイドル”の範疇に収まらない楽曲と演出

たった1年、たかが1年、されど1年。JO1の進化を追っていると「まだ1年」なんて言葉は、なんの免罪符にもならないのだと痛感させられる。

──新人である以前に、JO1はプロなのだ。
2月20日に開催された『JO1 Live Streaming Concert「STARLIGHT DELUXE」』は、その事実を力強く物語っていた。

『JO1 Live Streaming Concert「STARLIGHT DELUXE」』より (c)LAPONE ENTERTAINMENT

ステージは“JO1と一緒に宇宙旅行をする”をコンセプトとし、「PLANET OF JO1」「THE WORMHOLE」「GALAXY OF DREAM」「RED GIANT」「COMETS OF JAM」という5つのテーマで展開。自粛期間で磨き上げてきたパフォーマンスが素晴らしいのは、もちろんのこと、思わず唸りを上げてしまったのは徹底した世界観の作り込みだ。

世にいう“デビューしたてのアイドル”というのは、楽曲の少なさも相まって、衣装や演出でコンセプトを表現するのが関の山である。手持ちの曲をノリに合わせていい感じに並べ、演出と作品の関連性が切り離されることも少なくない。しかし、JO1はその一歩先、楽曲と演出を持ってセットリストで文脈を作ることに成功していた。

いうならば今回のコンサートは、地球から“約9兆1749億km”離れた場所でがんばっているJO1へ会いにいく旅行であり、彼らがJAM(JO1ファンの呼称)のもとへ再び現れるという約束の証だ。会えない理由も“コロナ禍だから”ではなく“遠い星にいるから”とエンタテインメントに昇華し、JO1の惑星からJAMの彗星へと向かう物語を描き切ったのである。

そもそも旅というのは、出発する前から始まっている。チケットを買うときのドキドキ、ロビーでのワクワク、旅先へ思いを馳せるリサーチ。今回の宇宙旅行もそうだった。

フライト予定のJAMには宇宙船搭乗前の案内メールが送られ、いざ搭乗ゲートをくぐるとラウンジでは旅先の様子を知らせるように今までのMVが流されているのだ。オンラインライブというのは、画面の前に座れば観られてしまうだけに、現地で観るライブのように“ライブ本編前後での体験”を創出しにくいという難点がある。今回の物語の導入のようなメールや待ち時間でのスクリーンの演出などは、ライブへの高揚感を増すことにひと役買ったと言っても過言ではないだろう。

JO1というチームのスタンスを刻んだ瞬間


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坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

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