JO1というチームのスタンスを刻んだ瞬間
そして、いよいよ封を切る宇宙旅行。「JAMの皆様、初めまして。こんにちは」というアナウンスに導かれ到着した先で待っていたJO1は、星の光に負けぬほどひたすらに眩しかった。
「Starlight」を背に姿を現し、流れるように「Shine A Light」へ。その表情は自信に満ちあふれていて、本当に約1年前のファンミーティングで、たどたどしさを感じさせた11人なのかと困惑させられる。354日という月日が彼らにとっていかに濃かったかを想像するには、じゅうぶん過ぎるオーラだ。“やっと届いた”で魅せた川尻蓮の笑顔は、「やっとJAMに会えた」という喜びを感じさせた。
ひと息ついて「MONSTAR」につながると空気は一変、どこか挑発的で大人びた色気を匂わせる。普段は穏やかな印象の強い大平祥生も鋭い視線を放ち、最年少の豆原一成でさえ艶っぽさが際立つ。時にしなやかに、時に大胆に。一つひとつのモーションには重さが乗るようになり、楽曲への理解が深まったことを物語ると共に、表現できる実力が身についたことを示していた。
冒頭のMCは、與那城奨の福島沖地震へのコメントからスタート。社会的な事象と自分たちを切り離すことなく想いを馳せる姿には、歴代の国民的スターを想起せずにはいられない。たったひと言、されどひと言。JO1というチームのスタンスを刻んだ瞬間だった。
和気あいあいとしたトークを展開し、言葉がまっすぐに語りかけてくる「Running」、一糸乱れぬダンスが目を引く「GO」を披露。「PLANET OF JO1」を“My Galaxy”で締め括ったのも実に粋だ。
11人、それぞれが自分の色を強めていっている
さて、ここからメンバーは時空の狭間に吸い込まれたわけだが、その順番もしっかりと考えられている。VTRが大平と豆原主体であることを加味し、ふたりが最後に消えて、ふたりが最初に映るのだ。そんな些細なこと……と思う人もいるかもしれないが、こういった細かな文脈作りがストーリーを円滑に進めていく。
季節だって時間だって時代だって追い越した先で待っていたのは、高校生のJO1。韓国の学生を彷彿する衣装には、ロゴが入ったおそろいのエンブレムが施されている。「やんちゃ BOY やんちゃ GIRL」が始まると、鶴房汐恩が「豆ちゃ~ん!」と叫び、必死に笑いをこらえるメンバー。パフォーマンスに余裕が生まれたひとつの表れだと思うが、それは鶴房に限ったことではない。各々がフロントに来るタイミングでピースをしたり、ハートを作ったり。曲のラストでは木全翔也が川西拓実に抱きつく一幕も。
完璧なパフォーマンスかつ余白での遊びという、与えられた演出をこなすだけの状態から一歩踏み出したことを示唆していた。川尻がコレオグラフィを担当した「My Friends」も同様だ。じゃれ合うように踊る姿は、デビュー当時の彼らではけっして見ることができなかった。
「演技に挑戦!」パートでは、バラエティで身につけたタレント性を遺憾なく発揮。金城碧海が「夢は芸人。ムンクの叫び~」と茶目っ気たっぷりに変顔を披露すれば、佐藤景瑚は「バーン! ピカソ!」と応戦。「昼休みにサッカーする人、おらん!?」と話す河野純喜においては、まさしく普段のキャラそのままだ。
デビューしたてのころだったら「自分の個性がわからない」と路頭に迷っていてもおかしくなかったが、11人はしっかりと自分の色を強めていっている。瑞々しい色気がほとばしる「YOUNG」で「THE WORMHOLE」を結び、“たった一人の君へ”目がけて再び未来へ走り出した。
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