後藤拓実「野望はないし、どう転んでもいい」四千頭身が自然体でいられる理由

2021.3.5
四千頭身・後藤拓実

文=山本大樹 撮影=青山裕企
編集=田島太陽


同世代の芸人で、いち早くブレイクを果たした四千頭身。並みいる先輩芸人たちの中で、当初は「なんとか次の仕事につなげたい」という若手としての気負いもあった。しかしデビューから数年を経た現在は、どんな仕事も自然体で楽しめるようになったという。

その理由は、後藤曰く「どう転んでもなんとかなる」から。お笑いという仕事に決して執着しなかった彼が見つけた、お笑い芸人としての喜びとは。ロングインタビューの後編。

テレビの仕事、楽しくなったのは「最近です」

後藤拓実(ごとう・たくみ)1997年2月6日生まれ、岩手県出身

──早くから売れたことに対する世間の声は気になったことはありますか?

当たりはやっぱり強いですよ、今も。YouTuberの人もよく言われてましたけど、どうしても「苦労してないのに」っていうイメージがあるんで。そういうのは、やっぱり落ち込みますよね。でも、レモンサワー飲んだら忘れます。

──テレビの仕事も楽しめていますか?

最初は「なんとかして次につなげなきゃ」みたいな感じで緊張してました。でも、やっぱり緊張すると何も出てこなくなっちゃうんですよね。最近です、楽しめるようになったのは。

今はシンプルに、自分たちが楽しめたら、視聴者にも楽しんでもらえるんだなって手応えもあって。『逃走中』(フジテレビ)でハンターに追いかけられるのもテンション上がりますし、ミッションやるのも楽しいですし。『有吉の壁』(日本テレビ)は1日に3つくらい企画があって大変ですけど、やっぱり楽しいです。

──意外となんでも楽しめるタイプなんですね。

そうかもしれません。子どものときから、けっこうなんでも楽しめるほうでした。最近だと、宮下草薙の草薙さんと行った『ハネノバス』(日本テレビ)の旅ロケは最高でしたね。本当に、信じられないくらい楽しかったです。けっこう反響もあって、あんなに楽しくて反響があるならいい仕事だよなって思いましたね……(笑)。

今の都築はめっちゃおもしろい

──最近では、それぞれピンの仕事でも活躍されていますよね。後藤さんから見て、都築さんも石橋さんにも変化を感じることはありますか?

都築はもともとカッコつけるタイプだったんですけど、だんだんそういうところもなくなって。今めっちゃおもしろいと思いますね、都築は。いろんな番組に出て、自分で気づいていったんだと思います。イジられるのもうまいですし。

石橋は……本当に組んだときのままですね……(笑)。ただ、女性ファンからの人気は想定してなかったんで、ラッキーでした。そういうふうに人気が出るとは思ってなかったんで。まあ、「これはおもしろい」とか「これはおもしろくない」みたいな部分は、ふたりとも共有できてると思います。

──同世代のほかの芸人さんを意識することもありますか?

うーん、ないかな。別にライバルっていうわけでもないですし、みんなそれぞれが自分のことで必死っていう感じで。だからチームワークも悪いと思います(笑)。

──最初から「芸人になる」と腹を括っていたわけではないと言っていましたが、ここまでつづけてきて、いい面も悪い面もだんだん見えてきたんじゃないでしょうか。

そうですね、いいこともありますし……よくないこともあります(笑)。労働基準法が適用されてないじゃないですか、芸人って。去年の5月の緊急事態宣言のタイミングまで、半年以上休みもなかったですし……。

──「仕事があるなら休みはいらない」という芸人さんも多いですが、やっぱり必要ですよね、お休みも。

月1回は欲しいですよ、やっぱり。月1回でいいんで。

──芸人をやっていてよかったことはありますか?

いろいろあります。やっぱり毎日いろんな仕事をするから飽きないし、もらえる額も多いですし……(笑)。

──養成所のオーディションを受けるきっかけになったSCANDALにも会えましたもんね。

最高ですよね。あれは本当に最高だった。4人同時に会っちゃったんで、もう死ぬんじゃないかと思いました。……これは、よかったことですね。

──次は誰に会いたいですか?

NiziUです。

野望はないし「どっちに転んでもいい」

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