BABYMETALインタビュー<奇跡の3人>を経て“KAWAII”の先に進化「まだまだ完成形ではない」

2020.12.31


3年前の私だったら踊れてない

──『METAL GALAXY』はまさにそんなモードを反映しているアルバムですよね。今までのBABYMETAL像を新しい風でぶち壊して、どんどん進化している。

SU そうなんです。1stと2ndはメタルに対するレジスタンスを“KAWAII METAL”の方向性からやったアルバムだったんですけど、その自分たちのことを改めて振り返ったときに、自然とBABYMETALとしての基準のようなものができ上がっていることに気づいて。今度の作品ではBABYMETALというものに対してレジスタンスを掲げたんです。

MOA 当たり前のようにあったものがなくなったときに、無力さとか、自分たちが築き上げてきたものが正しかったのかどうか、やっぱり悩むわけですよね。その中で、自分たちがBABYMETALを縛っていたし、縛りつけられていたということに気づけたんです。だからこそ、今作ではそんな虚像を壊すというか、そんな作品になっていると思います。

MOAMETAL
「もっともっと踊りこみたいと思ってるし、完成形に近づけられたらと思っています」

──横浜アリーナでは「Elevator Girl」を披露されていましたけれど、SU-METALさんの歌い方もMOAMETALさんのパフォーマンスも今までとはまた雰囲気の違うものになっていて。このアルバムではメタルやハードロックに限らず、ヒップ・ホップやミクスチャー・ロック、あるいはクラブ・ミュージックやアンビエントのような音楽ジャンルの要素も取り込まれていると思うんです。こういう楽曲の変化をおふたりはどのように体現しようとしていますか?

SU 今までは自分の声ありきのサウンドだったと思うんですけど、自分が進化して成長したことによって、いろんなところにいけたというか幅がすごく広がったんじゃないかなと思ってます。私としてもいろんな歌い方や声色を使ってみたり、チャレンジしたつもりなので、その成果を聞いてもらえたらうれしいなって思ってます。

MOA やっぱりダークサイドを経て、ダンスに対してより真剣に向き合うようになったなっていうのは思いますね。6人、5人、4人、3人って体制を変え続けながらライブしてきたんですけど、メンバーの一人ひとりまったく踊り方が違うし、学ぶものがあって。

3年前の私だったら「Elevator Girl」は今の振付では踊れてないと思います。成長して、手先まで気にかける丁寧さを表現できるようになったからこそできているものだなと思ってます。

でも、さっきとかぶりますけど、まだまだ完成形ではない(笑)! もっともっと踊りこみたいと思ってるし、完成形に近づけられたらと思っています。

メタルの未来を担っていく存在になりたい

──もう、“世界”のというよりも“銀河”のBABYMETALと言いたいぐらい、国境とかそういうもの関係なく活動していらっしゃると思うんですけど。最後に今後のビジョンについて伺いたいです。

SU 世界を回る中で感じたのは、やっぱり音楽って国境を越えるし、本当に聴く人によって同じ曲でも全然違った形で捉えられるものだなって。それを表現したのがこのアルバムだと思うんですね。あと、この作品のおもしろいところはパッと聴いた感じだとあまりメタルっぽくないというか、普通に聴けるんですよね。ある意味で、私たちが目指すメタルってこういうことなのかもなって思っていて。

MOAMETALもさっき言ってましたけど、正直、自分たちのゴールがどこなのかってことはわからないんですけど、今思ってることとしては、自分たちはメタルの未来を担っていく存在になりたいと思っているし、レジェンドの方々からも「STAY METAL(メタルでありつづけよ)」という言葉をいただいていて……だからこそ、メタルって自由なんだよ、音楽っておもしろいんだよ、ってことを伝えていきたいですね。

MOA BABYMETALと出会えて、世界を回る中でなによりうれしかったのは、いろいろな音楽に出会えたことなんですね。私自身にとってもBABYMETALは世界を知るための架け橋になっているので、他の人にとってもそういう存在になりたいなって思います。BABYMETALをとおして、世界のことを知ってもらいたいし、同時に日本のことも知ってもらいたい。私たち、BABYMETALはそういう存在になっていくべきだと思っています。


発売中の『クイック・ジャパン』vol.153では、紅白歌合戦への意気込みや初のベストアルバム『10 BABYMETAL YEARS』、2021年の日本武道館公演についての思いをロングインタビューで語っている。

BABYMETAL
『クイック・ジャパン』vol.153より
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小田部仁

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小田部 仁

(おたべ・じん)1989年11月20日生まれ。東京都豊島区出身。上智大学文学部英文学科卒。2013年、太田出版に入社。ユースカルチャー誌『クイック・ジャパン』編集部に配属。2015年、退社。現在はフリーランスで文筆・編集業に携わる。

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