相方との関係が悪いとは全然思っていなかった
――ラジオでの発言についても、改めて振り返っていただけますか。
岡村 昔の感覚のまま、深夜ラジオやと思って「なんでもアリや」みたいな感じで言ってしまったという、自分の完全な認識違いでした。あの瞬間はその場の勢いで「これがおもろいやろ」と、バババっと走ってしまった感じもありましたね。本当に申し訳なかったです。
――女性の意見は聞かれましたか?
岡村 はい、高校のときの、女性の担任の先生から長文の手紙をいただきまして、電話でも話したんです。もちろん怒られましたし……長い時間話して、いろいろと教えていただきました。
自分の中でできる範囲で、女性に対しての配慮であったり感謝であったり、そういうのはしっかりしていかなあかん部分なんやなと思ってます。完璧にはできひんかもしれんけど、できる範囲で学んでいこう、変わっていこう、というふうに思ってます。
――“公開説教”の放送直後はどんな心境でしたか?
岡村 あんま覚えてないです。相方が来てくれて、ワーっと言われて、何が何やらという状態でしたね。でも、終わってからすぐ相方に電話したんですよね。LINEもしたし、電話もしました。
――その電話で「言い合えるコンビに戻そう」というお話をされたんですか?
岡村 そうですね。相方が帰って、4時過ぎぐらいに電話をしたと思います。相方は、「そうやな。そうなっていかなあかんな」って。あの大説教を食らったときは一方的にバチーンといかれましたけど、それ以降の話は「そうやな」って言ってくれますね。
――その後、おふたりの関係はどう変わりましたか?
岡村 普通の話ができるようになりました。昔の養成所時代のころの感じ。今までだったら相方がしゃべったらこっちはしゃべれへん、僕がしゃべったら相方はしゃべれへん。でも今は、普通に会話に入れる。それが当たり前なんでしょうけど、できてなかったんですね。
――矢部さんにお話を聞いたときに、あれ以降は岡村さんが、事前にいろいろ確認をするようになったとおっしゃっていました。矢部さんに判断を頼るようになったのは、今までのラジオではなかったことですか?
岡村 どうやろうな……何もしゃべらんとフワっと始まるのがラジオやと思ってもうてる部分があったんです。今もフリートークは“フリー”なんやけど、その中でもこれは触れづらいよなとか、これは触れてもええよなっていうような、その確認はするようになりましたね。
今まではひとりでやってたから確認することもなく、始まったらバーっと行ってしまってたし、その前にふたりでやってた時代も、やっぱり確認なんてしなかった。勝手にワーワー言うて、裏でいろんな人が頭下げてくれてたんでしょうね。僕が気づいてないだけで、昔からいろんな人に迷惑かけてたんやろなと思います。
――そういう意味では、矢部さんとの関係性はよくなったと言えるんですね。
岡村 そうですね。ただ、相方との関係が悪いとは全然思ってなかったんです。公開説教のときに「あまりうまいこといってないやんか」って相方が言ったときに「え! そうかな?」って思って。相方がそう思ってたのは、たぶんコミュニケーション不足やったんやろうけど、僕はなんにも感じてなかった。感じてなかったぶん、今は僕のほうからアプローチしにいくことのほうが多くなりましたね。
これから目指す、ナイナイの未来
――ナインティナインのこれからについてはどう考えていますか?
岡村 これから、たぶんどんどん難しくなっていくと思ってます。僕は古い芸人なんで、今、いろんな人たちがYouTubeをやり始めるのを見ると「ほんまにそれでええのかな?」と思ってしまうんです。それぞれが選択すればいいことやけど、ナインティナインはYouTubeじゃないなと、今は思います。
僕らが持ってるのは「テレビ芸」やから。やっぱり僕はテレビが好きやし、テレビっ子やったし。もう『めちゃイケ』みたいな、お金をかけてドーンとやる番組はできないかもしれないですけど、やっぱりテレビの中にいたいんです。
だから、具体的な戦略ではないんですけど……なんでも与えられたことは一生懸命やる。それしか僕らにはないんです。今までもそうだったんですけど、これからもそうですね。
岡村隆史は、この取材後の10月22日(木)深夜、『ナインティナインのオールナイトニッポン』で交際していた女性と結婚したことを発表した。女性は10年来の知人であり、今回の件で落ち込んでいた岡村に寄り添ってくれたことが決め手となったという、番組ではさらに「好きな手料理は厚焼き玉子」「『岡ちん』って呼ばれてる」などと語り、ゲスト出演していたaikoと共に『ボーイフレンド』を熱唱した。
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【総力特集】ナインティナインの30年
ナインティナインが結成されたのは1990年。
それから30年。岡村は50歳、矢部は49歳になる。ふたりあわせて、99。数々の節目と困難を乗り越え、芸歴30年を迎えた「今」から新たなステージを目指す彼らは、どんな笑いを届けてくれるのか? どんなワクワクを見せてくれるのか?
矢部・岡村へのインタビュー、彼らを熟知する関係者への取材を通し、激闘の30年間と、これから始まる「ナインティナインの第2章」を考える。
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