「ゴチ」でひとりだけカツラを被りつづける理由
――「ゴチ」はいわゆるグルメ企画ですが、初めて聞いたときはどう思われましたか?
岡村 1コーナーでしたからね。いろいろ試行錯誤しながらゴールデンになって、あれやりたい、これやりたい言うていろいろやらせてもらいましたけど、やっぱりなかなかお茶の間に届かない時期があって。自分の中ではただの1コーナーやと思ったんですけど、視聴率がすごい跳ね上がったんですよ。
時々、テレビでメシ食うだけでええのかなと思ったりもしたんですけど……でもテレビって観てもらってなんぼやし。僕だけまだカツラを被ってるのは、これはグルメ番組じゃなくてバラエティなんだっていう意識があるからなんです。最初のころは全員被ってて、でもみんな「うっとうしい!」ってなってやめたんですけど、そうするとほんまに「ごはん食べてるだけ」になってまうでしょ。
応援団が「ゴチになります!」って言うところから始まってるから、そこだけは自分の中でちょっと残してるんです。これはバラエティの1コーナーから始まったんだっていうのを忘れないために。今や「なんで岡村だけ?」とか、悪ふざけしてんなって思ってる人が大半やと思うんですけど。
「ゴチ」がなかったら『ぐるナイ』は終わってるかもしれないですよね。ヒット企画が生まれたことでまだ番組もつづけていられるんだっていうのは本当に思ってますね。
――『ぐるナイ』では「おもしろ荘」も人気企画ですが、若手の芸人さんのネタを観る上で気をつけていることなどはありますか?
岡村 いつもお願いしてるのは、あんまり正統派は出さないでほしいと。ばっちり「うまい」漫才やられると、おもしろいんですけど「おもしろ荘」ってそうじゃないような気がしていて。「おもしろ荘」は1位にならなくても、インパクトさえ残せばいい場所ですから。
だから担当のディレクターさんには、正統派じゃなくて、漫才でもちょっと“飛んでる”というか、いろんなタイプの人を入れてほしいっていうことだけはお願いしてます。音楽使うのをひと組入れようとか。僕から「大阪にこんなおもろい人いるよ」って紹介することもあります。僕がおもろいと思ってるだけで、あんまりスタッフに響かないこともあるんですけど(笑)。
もしも「お笑いの教科書」があるなら
――『めちゃイケ』と『ぐるナイ』で、何か差別化のようなことは考えていましたか?
岡村 いや、そんなに……。昔のゴールデンって2日使って撮ってたので、『めちゃイケ』2日、『ぐるナイ』2日で、もう毎週4日は埋まってる状態でした。月曜『ぐるナイ』やって火・水『めちゃイケ』やって、金曜か土曜にまた『ぐるナイ』。その合間にほかのお仕事して。
けっこう大変でしたけど、『めちゃイケ』がガチコーン!とやってるときに『ぐるナイ』で国分(太一)とカブトムシ採りに行ったり、好きなことやらせてくれましたね。でも、罰ゲームだけでいうと、『ぐるナイ』のほうがエグかったかも。
『ぐるナイ』のカブトムシ企画は終わっちゃったんですけど、この間、『ザ!鉄腕!DASH!!』観てたら、国分がニノ(二宮和也)とか連れてカブトムシ採ってたんです。国分、昔は虫とか一番ビビってたのに、「おい、ニノ!」とか言って、リーダーみたいに振る舞ってましたね(笑)。
――『めちゃイケ』が終了して2年以上経ちましたが、終わった直後と今では何か変わりましたか?
岡村 『めちゃイケ』が終わっても、まだなんかあるんちゃうか思ってて。濱口(優)も「岡ちゃん、なんかあるよな?」って。もしかしたら突然変な企画を始めるんちゃうかってずっと思ってたんですけど、2年経って、ほんまに終わったんやなあって思いますよね。
もし「お笑いの教科書」があるとするなら、『めちゃイケ』はそこに載れる番組だと思うんです。そんな番組をひとつ作れたかなっていう思いはあります。それを目指して、ずっと芸人やってきましたから。
番組が終わるとき、「やり残したことないよね?」って言われて、確かにないなと思って。新メンバーたちはもしかしたら、「もっとやりたかった」「やれることがある」と思ったかもわからないですけど、僕的には全部やったと思ってます。
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