『キングオブコント2020』ジャルジャルが優勝記者会見で語った苦悩と勝因、決勝に吉本の芸人が多かったシンプルな理由


人間味の欠如と充満

その常人を超えるネタ数(8000本!)と、飛躍した発想によるシステマティックなまでのネタで「人間味のなさ」を何度も指摘されてきた「ジャルジャル」。優勝記者会見でも「練習量が見えるネタが多いと思うのですが」と問われていた。

福徳 カッコつけてるわけでなく、新ネタを考える時間のほうが長くて、そんなに練習はしないんですよ。でもどうしてもこのネタの内容が「練習やってきたな~」と思われてしまう傾向がありまして。それはなんでなんやろうなと考えたら、僕らがちょっと機械っぽいというか、人間味に欠けてたのかなという感じもしたので。もっとネタで人間らしさを出していけたらな、という気持ちはありました。

「ジャルジャル」福徳秀介「しつこく挑みつづけてよかった」
「ジャルジャル」福徳秀介「しつこく挑みつづけてよかった」

今年、番組で彼らにつけられたキャッチコピーは「人間味の欠如と充満」。今回披露されたコントは、彼らの悩みを克服するにじゅうぶんな2本だった。特に2本目の『空き巣』は福徳のダメ過ぎるキャラクターに、そして最後に後藤が福徳を抱きしめて叫ぶ「お前置いて逃げるわけないやろ!」の瞬間に彼らの”人間味”が宿っていたように思う。

今年、初出場で準優勝に輝いた「ニューヨーク」が、翌日にYouTubeを更新。喜びと悔しさを赤裸々に語った。その最後はこんなふうに締めくくられた。

屋敷 でも、ある意味誰よりも負けてますから、「ジャルジャル」さんは。本当におめでとうございます。ボコられました、俺ら。
嶋佐 みんなボコられました。(那須川)天心みたいだった。
(中略)
屋敷 (那須川と戦って最後まで倒れなかった)皇治は「GAG」さんよ。皇治も「GAG」さんも、KOする日を思いながらトレーニングしますから。

ニューヨークのニューラジオ#75 2020.9.27

「GAG」はもちろん、優勝した「ジャルジャル」以外のすべてのコント師は、来年の『キングオブコント』に向けて再び動き始める。

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