cacao、ダンビラ、シティホテル3号室が『キングオブコント』決勝初進出。会見では小籔千豊に切られまくる

『キングオブコント』

文・編集=梅山織愛


“日本一のコント師”を決める大会『キングオブコント2024』の準決勝が9月5日(木)、6日(金)に行われ、35組のセミファイナリストが出場。決勝に進出する10組が決定し、記者会見に登壇した。

決勝に進出した10組(※50音順)
cacao(初出場)/コットン(2年ぶり2回目)/シティホテル3号室(初出場)/ダンビラムーチョ(初出場)/ニッポンの社長(5年連続5回目)/ファイヤーサンダー(2年連続2回目)/や団(3年連続3回目)/ラブレターズ(2年連続5回目)/隣人(2年連続2回目)/ロングコートダディ(2年ぶり3回目)

準決勝に進出した35組(※50音順)
相性はいいよね/いぬ/インポッシブル/うるとらブギーズ/おおぞらモード/蛙亭/cacao/カベポスター/気になるあの娘/金の国/コットン/サスペンダーズ/さすらいラビー/ザ・プラン9/ザ・マミィ/Gパンパンダ/しずる/シティホテル3号室/スクラップス/セルライトスパ/ダウ90000/ダンビラムーチョ/TCクラクション/トゥリオ/ななまがり/ニッポンの社長/春とヒコーキ/ファイヤーサンダー/ブラゴーリ/マイスイートメモリーズ/やさしいズ/や団/ラブレターズ/隣人/ロングコートダディ

なぜか『キングオブ○○』大喜利に

ファイナリスト会見のMCを務めたのは小籔千豊。まずは各組がそれぞれ決勝への意気込みを語る。

2022年、惜しくも準優勝で優勝を逃したコットンは「2年前に決勝に出させてもらって、ビスケットブラザーズにあと一歩のところで負けて以来、ずっとマウントを取られてる。なので、今回チャンピオンになって、ビスブラと同等のレベルに立ちたいです」とリベンジを誓う。きょんも「ここまできたら優勝します! 僕らは絶対に一番になります! 俺たちのコントがナンバー1(ワン)!」と、気合いの入ったコメントとともに、犬柄のパンツでアピールした。

昨年に続き決勝進出を決めたラブレターズは、5度目の決勝。溜口佑太朗は、「ファイナリストも5回目となるといよいよ恥ずかしいので、これ以上は回を重ねないように今年は決めてナンバー1に」と話す。一方、塚本直毅は「きっちりといただいた時間内で日本語の美しさを文字数ぴったりでお届けできればなと思います」と、なぜか『プレバト!!』(TBS)に向けた意気込み。

さらに、“なんばのコント”を背負ってきたという隣人も、「昨年も(決勝に)行かせていただいたんですけど、今年は一番早く組み立てて、2泊、3泊できるようなやつをきれいに組み立てられるように」と、『キングオブ“テント”』に向けて、ニッポンの社長も「自分の好きなものをたくさん入れて、いかに皆様の胃袋をつかむか。大人数でもかかってこいよ」と、『キングオブ“ちゃんこ”』に向けたコメント。“ちゃんこ”については、小籔も「コントからちょっと遠いな」と戸惑いを見せた。

ロコディ堂前「頂に行ってきまーす!!!」

昨年は準決勝で体調不良で不出場となってしまったロングコートダディも再び決勝の舞台に。堂前透は、「何回か出させてもらって、最初のほうはやっぱり楽しいなって感じだったんですけど、ちょっともうそろそろ……。だから今年は『キングオブコント』という名の頂に行ってきまーす!!!」と、普段の落ち着いた雰囲気とは違い、はつらつとコメント。これを聞いてイスから転んだ兎のズボンが破けるハプニングも発生した。

今回、最若手となるcacaoは、決勝でやろうと思ってたいた浦田スタークのメガネを使ったくだりを披露するも、小籔からは「ここでやっておいてよかった」というコメントが。しかし「なんにも関係ありませんよ♪」という、高橋のギャグで挽回した。

ファイナリスト唯一のタイタン所属であるシティホテル3号室は、毎年手応えがあったにもかかわらず、これまで決勝に進出できなかったという。「毎年、受かったなっていう気持ちはあったんですけど、去年まではそれで落ちてました」と不満を漏らす亮太だったが、小籔の「なんか言いたいことあるのか」という、『キングオブコント』への不満を期待されたフリには、「おい! キングオブコント! ちゃんと審査してると思うぞ!」と期待はずれの返答。一方、「目標は優勝。優勝のトロフィーをスパイダーマンのように、絡め取っていきたいと思いますよ。プシッ!」と答えた押田は小籔のツボに入り、「めっちゃおもろい」と絶賛された。

『M-1グランプリ』に続いて、『キングオブコント』でもファイナリストとなったダンビラムーチョ。山梨県出身の大原優一は、「僕ら山梨出身ちゅこんで、がんばるしかねえずらって思ってますけど」と山梨弁(?)でコメント。「僕ら山梨の『ててて!TV』(山梨放送)っていう日テレ系列の番組に出てるんですけど、山梨にはUTYテレビ山梨っていうTBS系列のテレビ局もあるんです。ここがすごく仲が悪くて。結果を残せばUTYのほうにも出られるんじゃないかなと思うので、本当にがんばりたい」と、山梨の裏事情を明かす。原田フニャオが空気を変えるべく、「一番大事なのは、輪っかのようにくっつけることだと思うんですよね! あ、すみません、僕『“リング”オブ“ボンド”』の話しちゃいました」とボケるも、小籔から「言い方0点」と評価された。

ファイヤーサンダー﨑山祐は、「去年は8番手で出て3位に食い込んだんですけど、その直後にサルゴリラさんにバーンといかれて。ほとんど覚えられてないと思うので、今年は絶対3位までに残って優勝します!」と気合いじゅうぶん。一方、こてつは「本当にここって来客数もすごく多いし、世界一のテーマパークだと思うんですよ、だからお客さんをいかにコントで楽しませるか……。すみません。『キングオブランドでコント』の話でした」と勘違いボケを披露した。

や団・本間キッドは気合いが入りすぎたせいで、「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ」と、なぜか猫語に。それをロングサイズ伊藤が代わりに謝罪する。今度は「もう得点制とかややこしいんで、僕らネタ9本やります! ひと組ずつタイマンでつぶしていってもいいですかね! なあ、お前ら!」と空回り始めた本間に変わって、再び伊藤が謝罪した。

今年もラブレターズはシークレットシューズを履いて

10組すべてのコメントが終わると、小籔が「すみませんね、ちゃんとしたことひとつも言ってくれなかった」と記者に謝罪。しかし、質疑応答でもボケが続く。

「気になる芸人はいますか」という質問に、コットンきょんは「髪型が同じなので、シルエットが一緒」と、ラブレターズを挙げる。「身長も一緒だしね」と同調し、ふた組で並ぶもラブレターズは10cmのシークレットシューズを履いていたことが発覚。全員から「小っちゃっ!」とツッコまれた。

「ほかのコンビに負けないポイント」という質問では、隣人、ダンビラムーチョが質問とは関係ないボケをし始め、小籔が一喝。そこで、コットンきょんが「芸歴13年目の同期が4組(コットン、隣人、シティホテル3号室、ファイヤーサンダー)いる」と切り出す。ファイヤーサンダーこてつが「ライバルでもあるんですけど、僕はもうこの4組なら誰が優勝してもうれしい!」と熱いコメントをする一方で、相方の﨑山は「僕は絶対に自分たちが優勝したい!」と本心を見せた。

優勝したらやりたいことを聞かれると、「ASH&Dコーポレーションの冠番組を作って、吉本の芸人さんを呼んで、イジりたい。逆に事務所の先輩が売れている世界線で番組をやりたい」というラブレターズ。また、SMA所属のや団は、事務所の劇場「Beach V」の設備を整えたい、とそれぞれの事務所ならではの展望を語った。

大切なのは見通し?

優勝賞金を獲得したら「DASH島」のように新しい島を開拓しながら、楽園を作りたいというロングコートダディ兎は、「誰か一緒にやろう」と仲間をその場で募集。しかし、賃金についてなど見通しの甘さを詰められた。すると、「ハリウッド映画に出たい」という隣人・橋本市民球場に対して、「英語できないと厳しいんじゃない? 見通し甘くないかな」と指摘した。

そこで、見通しに自信があるという、ダンビラムーチョ大原が「掃除に使うコロコロに、見えないけど大吉という文字で粘着力をなくしておいたら、コロコロすると大吉が浮かび上がってくる。これならみんな喜んで掃除をすると思うので、それを作る会社を立てたい」と自身の計画を披露。しかし小籔に「おみくじは凶も出るかもしれないから楽しいわけであって、確定の大吉は全然おもしろくない。そのへんは見通しどうなんですか」と、これまた見通しの甘さを指摘された。

連続出場記録としては最多となる5年連続の決勝進出を決めたニッポンの社長。その心境を聞かれたが、辻皓平は「3回目のときは今回で最後や思ってたんですけど、それを超えちゃって5回目になっちゃって。今回の準決勝の昼間はコンビニで団子を買って……。みたらし甘かったです」と“見通しの甘さ”にかけたコメントで答える。さらに、ケツも「僕もこの間、北海道行ってすごくええところやなと思った。ご飯もすごくおいしくて、トウモロコシ甘かった」と続くが、“見通し”からの遠さを小籔から指摘された。

毎回、賞レースの決勝前には約100万円をギャンブルに使い、自ら背水の陣を作るのがルーティンだというロングコートダディ堂前だが、現在はお金がなくなってしまい、すでに背水の陣だという。そのため、「今年は力のみでねじ伏せようと思います」とコメントした。

終始ボケ続けたファイナリスト10組だが、10月12日(土)にTBS系列で放送される決勝では、熱い戦いを繰り広げることだろう。

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梅山織愛

(うめやま・おりちか)1997年生まれ。珍しい名前ってよく言われます。編集者・ライター。自他共に認めるミーハー。チョコレートとかき氷が好き。

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