Zoom会議を想像させる、白武の句
“裸眼で下着が見えてない”。
これは白武さんが、ですか?
いや、僕は視力2.0なんですけど。相手がコンタクトを外して裸眼で行為に及んだあとにメガネの場所を探してる、その一時的に能力が劣ってるか弱さが愛らしいですね。
なるほど、頼りないっていうのはいいですね。
“固定で見ているが見られているかもしれない”。
これはなんだ……あ、Zoomか! 会社の会議とかで「この人が見たいな」という相手の画面を固定しているということですね。
そうです。つまらない会議でも、誰か気になる人がいれば固定して見ることができる。が、それを誰かから見られているかもしれないっていう恐怖もあるんです。
それがバレるような機能が追加されたら最悪ですね。
『パリ、テキサス』という映画の、マジックミラー越しに奥さんを観るシーンみたいな背徳感と情感も感じます。
なんですかその映画。エロいんですか?
エロくはないです(笑)。
エロいのかと思っちゃいました。
ぜひ観てみてください。それにしてもあれですね、なんかマスクしてたほうがエロ自由律俳句は話しやすいですね(笑)。表情に困らないというか。
※この日の取材はマスクを着用したまま、距離を取って行われた
確かにそうかも。ニヤニヤしてても問題ないですもんね(笑)。今後コロナがすべて落ち着いてもマスクつけてやりましょう。
“COVID-19”がもたらした数少ないよい影響かもしれないですね。
だから“コロナ”でいいじゃないですか。
さて10句ずつ発表しましたけど、加賀くんの挑戦がとてもよかったですね。僕も次は官能小説的な路線で攻めてみようかな。
僕もいろんなものになりきって、想像で詠んでいくスタイルも継続したいです。
読者投稿からの傑作選:加賀セレクト
それではつづいて、読者から寄せられた自由律俳句をピックアップしていきましょう。お互いに5句ずつ、全10句になります。
では私からひとつ目は、P.N.虚像さんの“結末を知らない映画が増える”。
これはいいですね。
「今日は最後まで観ようね」って話してるけど、途中で我慢できず行為に及んじゃう。非常に青く、甘酸っぱいですね。
つづいてP.N.塩さんの“3年後初めて折ったスカート”。21歳なのか、18歳なのか。エッチするふたりの遊び心のように思えます。その当時はやってなかったけど、制服のスカートを折ってみるっていう。
P.N.論より証拠の大ライスさん、“トイレットペーパーの芯に挿れてみる”。これはバカです。バカですけど、僕もしたことあります。まったく意味はないんです。
ぎゅっと握ったりするってことですか。
いえ。通るのかな、芯よりも長いのかな、という好奇心だけです。
個室だしね。加賀くんの大好きな個室。
ちょっとその言い方やめてください。個室が好きなわけじゃないんですよ。
次はP.N.はなさんの“こんな骨をしてる”。これは素晴らしいですね。意味は正直わかってませんが、感覚だけで選びました。
これ自分のことに置き換えると、好きな女の子のあばらが片方だけちょっと出てるみたいなことを言ってて、僕はそれを『ファインディング・ニモ』に出てくる「幸運のヒレ」って呼んでました。だからその骨を思い出しましたね。
さすが白武さん、なんでもエピソード出てきますね(笑)。
最後に、P.N.1日平均4キロさんの“右も左もわからないけどとにかく”。パッションが伝わってくる一句で素晴らしいと思いました。「とにかく」が最後に来てるから結局わからないままなんです。そこがいいなと。