一生ロックと共に生きていくために
「今、俺より働いてるやつはいないよ」
「俺は何度も踏みつけられてここまで来たんだ」
眞露をけっこう飲んだせいか、つんくが冗談っぽくこんなことを言い始めた。みんなそれを聞いて笑っている。僕もつられて笑った。隣の女性スタッフに向かってふざけるつんく。
「今彼氏いるの? え? 彼氏はいらないけど子供だけは欲しい? それなら俺が手伝おうか(笑)。俺は金持ってるから、ちゃんと認知して慶応の幼稚舎に入れてやるよ!」
みんなの笑い声がひときわ大きくなった。そう。最後にもうひとつだけ、これは強調しておきたいんだけど、つんくには変な意味での“孤独臭さ”はなかった。そこまで毎日厳しい闘いをしてるというのに、たえず周囲に気を遣って、冗談をとばしていた。関西人だから? 違うと思う。
最後に再びつんくの著書から引用します。冒頭に引用した文章の数行先の箇所です。
やっぱ俺が今感じていることはただの無い物ねだりなのだろう。
『つんく愛の営業方針―心のトレーニングしようよ!』より
だからどんなに寝る時間がなくても今はひたすら頑張るしかない。
一生ロックと共に生きていくために
音楽作ってる人だけじゃなくて小説家でもマンガ家でもそうだし、もちろん雑誌作ってる人間だってそうだろうけど、「俺はこんなバカは相手にしていない」と言える人は幸福でそして身のほど知らずだと思う。そうやって自分から対象を選ぶ「余裕」は、僕の見たつんくにはこれっぽっちもなかった。
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つんく♂初のプロデュース絵本『ねぇ、ママ?僕のお願い!』
詩:つんく♂ イラスト:なかがわみさこ
歌で日本を元気づけてきたつんく♂が初めて紡いだ母と子の心温まるストーリー。
「僕」と「ママ」のやりとりに、自身の子育ての喜び、苦労を重ね、きっと涙するはずだ。イラストレーター・なかがわみさこの優しいタッチのイラストが加わり、さらなる感動を呼ぶ。
子育てをするすべての人が、子供からたくさんの勇気と笑顔をもらえる絵本だ。関連リンク
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