『PRODUCE 101 JAPAN』を追う――「円神-エンジン-」インタビュー【後編】新時代の表現を作る9人に迫る

2020.6.17


それぞれの“表現”を持って

――円神は歌もダンスも演技もこなす“表現者集団”だと思うのですが、皆さんにとって“表現”や“表現者”とはどのようなものですか。

A.rik “表現”って、考えてするものではないと思うんですよ。自分の中にあるイメージを形にできる力が“表現力”なんじゃないかな……。あと、“表現者”を見ると、インスピレーションが湧いてくる気がします。沖縄で絵画の展覧会とかがあるときには、「何か溜まるかな」と思って観に行ったりしていました。

――A.rikさんが“表現”をしているのは、なぜですか。

A.rik 僕はもともとファンタジー思考で、中二病が入ってて(笑)。手から炎とか出したいじゃないですか! でも、現実では無理だから、それを写真や絵で表現をするようになった感じです。

宮里 男はみんな中二病でしょ(笑)。その気持ちわかるわ……。

――そんな宮里さんは、いかがですか。

宮里 “表現”は、自分の生まれ持った性格や生き方が表れたものですかね。真似しようとしてできるものじゃないというか。演技で言うならば、いい意味で期待を裏切れる人が最高の“表現者”。ただ役をこなすだけじゃなく、「こういう表現もあるんだ」ってまわりに示していける存在って最高だと思います。

――表現の独自性って、どんなところで表れると思いますか。

宮里 絵を描くこと、じゃないですかね。絵って、その人の世界観が出ません?

A.rik 確かに。

宮里 たとえば、100人に「目を描いてください」って言っても、みんな違う目を描くと思うんですよ。二重なのか一重なのか、瞳全体なのか眼球なのか。そもそも人じゃないかもしれない。絵のタッチ自体でもその人が出ますし、言葉の捉え方もその人が出る。それぞれの個性を強く反映させるのが、絵を描くことのような気がします。

――おもしろいですね。

宮里ソル(みやざと・そる)沖縄県出身、22歳。趣味は温泉、スケボー、自然と遊ぶこと、動物園、水族館。特技はサーフィン、空手、子供になめられること、長風呂。
ツイッター @sol_xcs インスタグラム @sol.xc

中本 僕は“表現”って、ふたつあると思っていて。ひとつはA.rikが言ったように、自分が持っているものを表に現すこと。もうひとつは、相手に何か伝わるもの。受け手側が、うれしいとか悲しいとか思いを抱いてくれれば、それはすでに“表現”なんじゃないかなと思います。

――中谷さんは、いかがですか。

中谷 “表現”とは、思っていることを口に出すこと。パッと頭に思いついたことって、口に出すとみんな違うじゃないですか。それって自分にしかない“表現”を持っているってことなんじゃないかなって。

A.rik 表すに言うで、“表言(ひょうげん)”なんだね。

中谷 おおお、そうですよ!

宮里 言いたいことはあるけど、語彙力が足りなくて「何話してるんだっけ」ってなるよね(笑)。『PRODUCE 101 JAPAN』のときもステージ後に感想を求められて、うまく話せなかったもんな……。

中谷 質問の内容と言っていることがマッチしているか不安になる(笑)。

――大丈夫です! ちゃんと伝わってますよ。皆さん、いろいろなことを考えていておもしろいです。

中本 個性的っていうことですかね。

宮里 でも、実際は個性ってよくわからなくない? みんな“普通”って言葉を使いがちだけど、それぞれで価値観って違うし。そうすると、何が個性なのかなぁ……って。

A.rik ソルラテスだね。

宮里 え、なんて?

A.rik ソクラテスとソルで、ソルラテス(笑)。

宮里 なるほどね(笑)。哲学が好きなんですよ。

――“ソルラテス”が定着するかもしれないですね(笑)。

宮里 それは、ちょっと……(笑)。

A.rik 哲学キャラでいこう。

宮里 それは、あり!

つないで動かす下半期に


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坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

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